今日はアイルランドのメーカ「AudioThing」からリリースされた、グラニュラーリバーブプラグイン「Texture」を紹介します。
「グラニュラーリバーブ」って、なかなか聞かない珍しいエフェクトですよね。
「グラニュラー合成」は、シンセサイザーの音源方式の1つとして有名ですが、これは音を細かく切り分けて、ビッチを変えたり逆再生することで音作りをしていくタイプの技術です。
これをリバーブに応用したのが、今回紹介するAudioThing「Texture」というプラグイン。
原音を大胆に変化させることにより、一風変わった面白いサウンドを作ることができます。
さっそく、詳しい内容を見ていきましょう😃
AudioThing「Thingsシリーズ」とは?
AudioThingというメーカーはあまり聴き慣れないかもしれませんが、最近だと「Wires」というプラグインが話題になりましたね。
参考: AudioThings「Wires」でソ連時代のローファイ感を再現しよう – スタジオ翁
他のプラグインメーカーが作らないような、ちょっと変わったプラグインをリリースしているメーカーです。
そのAudioThingが、サウンドデザインにフォーカスしたプラグインシリーズ「Things」を発表し、その第一弾として発表されたのが、この「Texture」です。
AudioThing「Things – Texture」の使いどころ
Textureは普通にリバーブとして使おうとすると、パラメーターが少なく使いづらいかと思います。
グラニュラーリバーブという名の通り、けっこう大胆な音の変化が楽しめるので、「シンセの音がちょっとつまらないな」とか「スペーシーで壮大な空間を作りたい」という人に向いているでしょう。
Textureは「The Swapper」というゲームの音楽に影響を受けて作られているとのことですが、このサウンドトラックを聴くと、Textureでどんな感じの音が作れるかというのがイメージしやすいかと思います。
The Swapper – サウンドトラック
全体的に奥行きのある壮大なサウンドですよね。
Textureを使えば、こんな感じの音をわりと簡単に作ることができます。
AudioThing「Things – Texture」の使い方
ここからは、簡単にTextureの使い方を解説します。
まずは基本的なパラメーターから見ていきましょう。
・MIX – DRY/WETのバランスを調整
・GRAINS/REVERB – グラニュラーエフェクトとリバーブのバランスを調整
・PITCH – グラニュラーエフェクトのピッチを-1〜+1オクターブまで調整
「GRAINS」というエフェクトがこのプラグイン最大の特徴で、これをうまく使うことで面白い効果を得ることができます。
次に、ちょっとややこしい「MID/SIDE」と「DIFFUSION」について。
MID/SIDE
MID/SIDE処理とは、音の信号をLRではなく「中央」と「サイド」にわけて処理することです。
詳しく知りたいという人はこちらの記事を読んでみてください。
参考: MS処理を使って「空間」をコントロールする方法 – スタジオ翁
このプラグインのMID/SIDEボタンを押すと、どんな変化があるのかというと・・・
入力信号のサイド部分にのみグラニュラーエフェクトが適用され、代わりにミッドが減衰され、特別なステレオ幅効果が作成されます。
音の芯の部分にはグラニュラーエフェクトが適用されないので、より自然なグラニュラー効果が得られるというわけですね。
リバーブは、常にミッドとサイドの両方に適用されます。
DIFFUSION
DIFFUSIONは、リバーブの中でもわかりにくいパラメーターの1つ。
これは日本語で「密度」のことですが、これを押すとリバーブの密度が濃くなり、より複雑な残響が表現されます。
原音を潰したような、残響感たっぷりで奥行きのあるサウンドを作りたい時に使いましょう。
AudioThing「Things – Texture」| サウンドデザインに使えるグラニュラーリバーブ | まとめ
以上、AudioThing「Texture」の紹介でした。
これからも「Things」シリーズとして、面白いサウンドデザインツールがたくさん出てくることを期待したいですね。
気になった人は、ぜひデモバージョンから試してみてはいかがでしょうか😃
今日の記事が、みなさんの参考になれば嬉しいです。
・AudioThing「Texture」- Plugin Boutique