
5年間ほど「Fidelia」という音楽プレイヤーをMacで愛用していましたが、もっと高音質で楽しめる音楽プレイヤーはないかと調べていたところ「Audirvana」というプレイヤーの評判が良かったので、試してみることにしました。



普段僕はiTunesでは再生しきれない音の細かなニュアンスを聴きとるために、専用の音楽プレイヤーを使用しています。
その場合はリスニング環境に左右されやすい「スピーカー」ではなく、細かなニュアンスまでつかめる「ヘッドフォン」を使用していまして、「PHONON SMB-02
またパソコンで再生するなら、音の出入り口である「オーディオインターフェース」の品質も音質を大きく左右するので、「RME」などの高性能DACを搭載したインターフェースを用意したほうが良いですね。
参考: 【UAD歴5年】「Apollo Twin MKⅡ」は10万円で買える最強のオーディオインターフェースか。ライバル機「Babyface Pro」と実際に比較してみた – スタジオ翁
今回は音質に焦点を絞って、「Fidelia」と「Audirvana」それぞれ音楽プレイヤーの特徴や、どちらがおすすめなのかということをご紹介していきます。
「Audirvana」の音質とその感想
長年「Fidelia」を使ってきましたが、まずは「Audirvana」を試してみた感想をお伝えしましょう。
正直、「Audirvana」の出音には衝撃を受けました。
とっても良いんです。
特に中高域の出方が素晴らしく、「この曲こんな音入ってたっけ?」ってくらい細かなニュアンスまで見えるんですよね。
「Fidelia」で聴いてみても細かな音は聴こえるしiTunesよりはもちろん良いのですが、「Audirvana」の方がより分かりやすくハッキリいろんな音が聴こえるという印象でした。
超高域の解像度も頭ひとつ抜きんでています。
ただ若干「ん?」と感じたのが、低音の鳴りです。
明らかにFideliaより低域が細く、タイトといえばタイトですが低域までしっかり聴こえているとは言い難い。
もしJ-POPやJ-ROCKまたはクラシックなどのような低域のリスニングがあまり重要でない音楽を聴くなら気にならないと思いますが、クラブものや海外のPOPミュージックなど低域がしっかり入っている音楽を聴く時に、若干の物足りなさを感じてしまうかもしれません。
「Fidelia」の音質とその感想
FideliaはシンプルでiTunesとの連携もしやすく、とても扱いやすい音楽プレイヤーです。
iTunesと比べても解像度も高く非常に良い音質ですが、Audirvanaを聴いてしまった後だと中高域の解像度の低さが気になってしまうかもしれません。
Audirvanaに比べて空間が狭く、少し張り付いたような音に聴こえます。
低域に関してはAudirvanaよりしっかり出ていて迫力がもあり、物足りなさを感じることはないでしょう。
ネットでは全体的にくぐもって聴こえるという評判もありますが、低域がよく聴こえる分そう感じてしまう部分もあるのかもしれません。
ちなみに僕は、全体的なバランスではFideliaの方が好みですね。
「Amazon Music HD」という第三の選択肢
ここまで二つのプレイヤーを見てきましたが、結局は解像度の高い曲がパソコンに入っていないことには意味がありません。
これらの音楽プレイヤーの良さを活かそうと思うのならCDよりも音質面で優れている「ハイレゾ音源」の購入が望ましいですが、ハイレゾは音が良いぶん1曲500円前後もしてしまいます。(アルバム一本で5,000円近くします)



そこでおすすめしたいのが、「Amazon Music HD」です。
参考: Amazon Music HD
これはAmazonが提供する音楽聞き放題サービスの中でも最上位のサービスで、月額制で6,500万曲もの曲が聴き放題になるというもの。
Amazon Musicにはいくつか種類がありますが、HDはその中でもハイレゾに対応している唯一のサービスで「最高の音質で音楽を楽しみたいけど、聴きたい曲がたくさんある」という人に向いています。
詳しくは「【日本初】ハイレゾ聴き放題の「Amazon Music HD」がついに解禁。早速登録したのでレビューしてみる」にも書いていますが、30日間の無料お試し期間もあるので自分の聴きたい曲がこのサービスで聴けるのか, 音質がどれくらい優れているのかを確認してみると良いでしょう。
「Audirvana」に対応している音楽サブスクリプション
これはAudirvanaだけなんですが、実は以下の2つの音楽ストリーミングにも対応しているんです。
・Qobuz
・Tidal



そう、この2つは海外の音楽サブスクサービスなので、残念ならが日本での利用にはまだ対応していません。
日本でハイレゾ対応の音楽サブスクといえば「Amazon Music HD」と「mora qualitas」ですが、この二つも実はAudirvanaには対応していないんですよね・・・
ただ、どちらのサービスも専用のアプリがあるので、Audirvanaのような音楽プレイヤーを使わないといい音で聴けないということはありませんよ。
「Audirvana vs Fidelia」音質で選ぶならこのプレイヤー | まとめ
さて、結局どっちのプレイヤーを買えばいいのでしょうか?
ぶっちゃけ、どちらも長所と短所があるので「Audirvana」と「Fidelia」の両方をいいとこ取りした音楽プレイヤーがあれば多少値段が高くてもそちらを選ぶのですが・・・
ただ、どちらかひとつ取るとしたら僕は「Audirvana」を選びます。
低域に関してはFideliaの方が好みなので物足りなさが残りますが、Audirvanaの良さはなんと言ってもその中高域の解像度の高さにあります。
音楽制作において参考にしたい曲の中にどんな楽器やエフェクトが入っているのかを知ることはとても重要だし、その細かなニュアンスを聴き取れるということが僕が音楽プレイヤーに求める第一条件だからです。
リスニングした時の気持ち良さは二の次です。
なので低域の鳴りを多少犠牲にしてでも高解像度を求める人は「Audirvana」がおススメですし、そこまでの解像度は求めないけどiTunesよりは良い音質で聴きたいし、出費も低く抑えたいという人は「Fidelia」を選ぶと良いでしょう。
お値段は2020年現在で「Fidelia」が3600円、「Audirvana」が74ドル(約8,000円)となっています。






どちらも無料で試せるので、実際に聴き比べてみて購入を検討してみて下さい\(^o^)/