
今日は、2019年10月に登場したソニーのハイレゾ聴き放題「mora qualitas」に登録して実際に体験してみたので、レビューしてみようと思います。
ハイレゾ音源が聴ける日本のストリーミングサービスは、2020年現在「mora qualitas」と「Amazon Music HD」のみとなっているので、一足先にサービスを提供しているAmazonのライバルというわけですね。
mora qualitasとしてのサービスの特徴や音質などはもちろん、Amazon Music HDとも比較してどちらが優れているのか調査してみることにしました。
SONYのハイレゾ聴き放題サービスということで気になっている人もたくさんいるかと思うので、ぜひ登録前の参考にしてみて下さい。
mora qualitasはどんなサービスなの?
まずは、mora qualitasの基本情報から見ていきましょう。
ついでにAmazon Music HDとも比較してみました。
mora qualitas | Amazon Music HD | |
運営 | SONY | Amazon |
料金 | 月額1,980円(税抜き) | 月額1,980円(税込み) |
楽曲数 | 未発表(数百万曲?) | 6,500万曲 |
音質 | 最大4,608kbps | 平均3,730kbps |
無料期間 | 30日間 | 30日間 |
オフライン再生 | ○ | ○ |
歌詞表示 | × | ○ |
一般的な音楽サブスクの月額は980円ですが、ハイレゾともなると料金が2倍以上になります。



「ハイレゾ」はCDのさらに上をいく音源なのですが、単品で購入すれば1曲500円くらいかかってしまうものもあるため、それが聴き放題になるなら月々これくらいのお金を払う価値があると考える人はたくさんいるでしょうね。
さて、上の表ですが、ちょっとわかりづらい部分もあるので、ひとつづつ見ていくことにしましょう。
料金
mora qualitasは税抜きで1,980円ですが、Amazon Music HDは税込みで1,980円です。
Amazonには割引制度があって、Amazon Prime会員なら月額1,780円で登録できるので、料金だけでみるとAmazonの方がお得だということになります。
楽曲数
Amazon Musicは、ハイレゾ音源だけでなく一般的なCD音質の楽曲と合わせて6,500万曲の登録曲数となっています。
一方のmora qualitasは、楽曲数が非公開となっていますが、CD音質の楽曲と合わせても全部で数百万曲とのウワサがありますね。
実際、僕がいろいろ検索してみても、Amazon Musicほど多くの曲は見つからなかったので、楽曲数ではAmazon Musicに負けていると考えて間違いないでしょう。
音質
表に書いたのは「最高音質」と「平均音質」なので比べようがありませんが、どのくらい高いビットレートに対応しているかは楽曲とサービス次第なので、一概にどちらの音質が優れているかということは言えません。



各サービスが提供しているアプリなどによっても音質の違いがあったりするので、一度どちらも無料体験を試してみて、その音質を自分の耳で確かめてみると良いでしょう。
そもそもハイレゾって何?
「mora qualitas」に興味を持っている人は、ある程度、音に関する知識があると思うので、ここでは簡単な説明にとどめておきます。
ハイレゾの定義はこれですね。
「ハイレゾオーディオ」(*注1)と呼称をする場合 ”CD スペックを超えるディジタルオーディオ“ であることが望ましい。
CDスペックとは、CDフォーマットで規定されている 44.1kHzサンプリング、16bit量子化と、DAT/DVDなどのフォーマットで使用されている48kHz サンプリング、16bit量子化のディジタルオーディオを指す。 LPCM換算でサンプリング周波数、量子化bit数のいずれかがCDスペックを超えていればハイレゾオーディオとする。 ただし、いずれかが CDスペックを超えていても、もう一方がCD スペック未満の場合は、非該当とする。
ちょっとややこしく見えますが、つまりこういうことです。
ハイレゾ音源 = CD(44.1kHz,16bit)を超えるクオリティの音源
CDの音質より、サンプリングレートやビット深度が高ければ「ハイレゾ」。
たったこれだけです。
なので、ハイレゾ音源の中にもいくつか種類があって、CD音質をちょっとだけ上回るものもあれば、大きく上回るものもあるといった感じですね。
一般的なストリーミング音質 < CD音質 < ハイレゾ音源
ちなみにストリーミングで扱われる音質は、一般的にこのような図式になるので覚えておきましょう。
mora qualitasの特徴とメリット
mora qualitasの基本的な情報がわかったところで、ここからは僕が実際に体験して感じた、このサービスの特徴やメリットについてみていきます。
洗練されたデザイン
はい、これは決して使いやすいという意味ではありません。
mora qualitasは別に「直感的に操作できるデザインですよ」と言ってるわけではなく、単純に「カッコいい」のです。
ホームページをみてもわかりますが、高級感あふれるデザインで、「今から極上の音楽を聴くぞ〜」とリスナーの音楽聴きたい欲をかき立ててくれる見事なデザインなんですよね・・・
そういう意味では、Amazon Musicの平凡なデザインより優れていると言えるでしょう。
mora qualitas story
これは、mora qualitasユーザーのためのコミュニティサイトです。
ユーザーが自分の音楽体験を投稿したり、公式アカウントも音楽やオーディオに関する情報を提供したりしています。
まだサイトとしての歴が浅いのであまり盛り上がっている感じは見受けられませんが、音にこだわりを持つミュージシャンやプロデューサーが、作品の魅力や音について語る連載「My Music Linernotes」があったり、今後読み応えのあるコンテンツが出てくることが期待されますね。
mora qualitasのデメリット
まだサービス開始から1年も経っていないので仕方ないですが、いろんな機能が未対応なのはデメリットになりますね。
いくつか気になる点をみていきましょう。
歌詞表示に未対応
これは対応予定のようです。
音楽を聴いていると歌詞は気になるので、早く対応して欲しいですね。
登録曲数が少ない
邦楽はある程度の登録曲数がありますが、洋楽はイマイチというか全然ダメですね。
Amazon Musicの6,500万曲には到底及びません。
下手するとAmazon Musicの1/10か、それ以下かもしれませんね。
洋楽をよく聴くという人は、「Amazon Music HD」を試してみた方が良いでしょう。
スマホアプリやオフライン再生には対応済み
これらは長らくデメリットとして扱われていましたが、最近どちらにも対応しましたね。
最近「排他モード」なんかにも対応したりサービスの拡張に力を入れているようなので、ここ1,2年で、いろんな機能が実装されることでしょう。
mora qualitasとAmazon Music HDはどちらがおすすめ?
さて、mora qualitasについていろいろ見てきましたが、
いま、登録すべきハイレゾ聴き放題サービスはズバリ・・・
「Amazon Music HD」です!
最初の比較表でも確認した通り、料金においても曲数においてもAmazon Musicが圧倒的に優れています。
mora qualitasのデザインや音質がいくら素晴らしくても、聴ける曲が少なければあまり意味がないということで、このような結論になりました。
mora qualitasもここ最近でいろんな機能に対応してきているため、数年後はAmazon Musicを超える素晴らしいサービスになっているかもしれません。
今後の活躍に期待したいところですが、今のところはAmazon Music HDの方がサービスとしての質が高いというのは間違いないでしょう。
参考: 【レビュー】「Amazon Music HD」が解禁したので早速試してみた!音質や料金, 対応機器は? – スタジオ翁
「mora qualitas」はAmazon Music HDを超えるハイレゾ聴き放題サービスか? | まとめ
mora qualitasを運営しているソニーは、ハイレゾ音源のダウンロードサイトも運営していたり、ハイレゾ対応ヘッドフォンやウォークマンを販売したりと、ハイレゾサウンドにこだわりを持っている会社です。
今後は「TIDAL」や「Qobuz」といった海外のハイレゾストリーミングサービスが新たに上陸するかもしれませんが、mora qualitasも負けじとサービスを充実させてくるでしょう。
いまはAmazon Music HDの方がサービスとしての質は高いですが、今後mora qualitasがどのように質を上げてくるのか楽しみでもあります。
まだまだ発展途上のサービスなので、今後の躍進に期待ですね。