今回は1万円以下で買えるパワードモニタースピーカー、TASCAM「VL-S3」を紹介します。
モニタースピーカーなので、リスニング用というよりは、正しいバランスで音を聴くための音楽制作用スピーカーなのですが・・・
TASCAM「VL-S3」は、こんな人にピッタリのスピーカーです。
「音楽制作を始めるのでモニタースピーカーが欲しい」
「初心者なのでスピーカーにあまりお金をかけたくない」
「音のバランスの良いスピーカーが欲しい」
実際に自宅で鳴らしてみましたが、かなりバランスが良く、「本当にこれが1万円で買えちゃうの?」というくらい良い製品でした。
この記事では、実際に使ってみた感想などもふまえながら、製品のスペックや魅力をご紹介したいと思います。
レビューのため、ティアックさんから製品をお借りしています。
TASCAM「VL-S3」のスペックと機能
TASCAM「VL-S3」の押さえておきたい基本スペックは、以下の通りです。
・周波数特性: 80Hz〜22kHz
・大きさ: 110 (W)×170(H)×138(D)mm
・入力端子: RCA、3.5mm(1/8″)ステレオミニジャック
この3つを順に見ていきましょう。
周波数特性
周波数特性は、どのくらい低域や高域が再生されるかを知るための指標です。
スペックだけ見ると、高域は22kHzとかなり高い音まで再生されますが、低域が80Hzまでなので、「キックやベース帯域はしっかり聴こえるが、地鳴りのような超低域までは聴きとれない」といったイメージですね。
この大きさのスピーカーとしては、一般的なスペックだと思います。
音のバランスが良いので、制作時に全体のバランスをとるだけなら、このスペックで十分です。
でも、もしダンスミュージックやヒップホップなど作るなら、この超低域がしっかり確認できるよう、別にヘッドフォンを購入した方が良いでしょう。
ちなみにおすすめを1つあげるなら、超低域までしっかり再生されるこちらのヘッドフォン「PHONON SMB-02」です。
参考: なぜ「PHONON SMB-02」は最高のモニターヘッドフォンなのか? – スタジオ翁
大きさ
TASCAM「VL-S3」を実際に見てみると、写真より小さく感じると思います。
手のひらサイズで、パソコンの横においても邪魔になりにくいのが魅力。
スピーカーは配置によって音が変わるので、簡単に移動できる小型サイズのスピーカーはかなり便利ですね。
入力端子
入力端子はRCAですが、「RCA – フォン」の変換ケーブルがついているので、通常のオーディオインターフェースであれば、そのまま接続して使うことができます。
もちろんケーブルを用意すれば、スマホやパソコンを直接つないで、音楽を楽しむこともできますよ。
TASCAM「VL-S3」を購入するメリット
次に、TASCAM「VL-S3」を購入するメリットを紹介していきましょう。
ペアで1万円といえど、スピーカー選びには後悔したくないですよね。
ここから、僕が実際に使ってみて感じたメリットを3つ挙げていくので参考にしてみてください。
フラットでクセのないサウンド
まずTASCAM「VL-S3」の大きな特徴として、クセのない自然なサウンドが挙げられます。
「モニタースピーカー」というのは音楽制作のためのスピーカーなので、低音が出過ぎていたり、ボーカルや特定の楽器が前に出過ぎていたりしてはいけません。
これは気持ちよく音楽を聴くためのスピーカーではなく、自分の思い通りのバランスで音楽を作るためのスピーカーだからです。
TASCAM「VL-S3」は、どこか特定の帯域が出過ぎているわけではなく、聴こえにくい帯域があるわけでもないので、モニタースピーカーとしてもってこいというわけですね。
バスレフ構造で低音もしっかり再生
「バスレフ」とは、スピーカーの裏に空いた穴を利用して、低音を増幅させる仕組みのこと。
これによって、小さなスピーカーにもかかわらず、ベースラインやキックなどの低音もしっかり聴こえるのです。
バスレフ構造は、低音が「壁とスピーカーとの距離」に大きく左右されるので、配置には注意が必要ですが、正しく配置すれば気持ちいい低音を鳴らしてくれますよ。
超小型スピーカーなので場所を取らない
TASCAM「VL-S3」は超小型サイズなので、スペースの少ないデスクの上にも乗せることができます。
軽いので、気軽に配置を変えたり、他の場所に持ち出すのも簡単。
それなのに、見た目からは想像できないほどパワフルな音を鳴らしてくれます。
TASCAM「VL-S3」を実際に使ってみた感想
僕は普段、Focal「Shape 65」というスピーカーを使って作業しています。
参考: 「Focal Shape 65」をモニタースピーカーの定番「Genelec」と比較してみた – スタジオ翁
値段が全然違うので、単純に比較することはできませんが、ぶっちゃけ全体のバランスを整える作業ならTASCAM「VL-S3」でも問題なくできるなと感じました。
もちろん低音の見やすさや解像度は違いますが、VL-S3はかなりバランスの良いスピーカーなので、マスタリングや細かいミキシング作業まで行わないなら、これ1台でも十分に音楽制作が可能です。
音楽制作を始めたばかりの初心者だけでなく、出音を確認するためのサブスピーカーとしてもかなり使えるでしょう。
TASCAM「VL-S3」はこんな人におすすめ!
TASCAM「VL-S3」がおすすめなのは、こんな人です。
・パソコンスピーカーじゃ満足できない
・音楽制作を始めたいのでモニタースピーカーが欲しい
・自宅でDJの練習をするのに使いたい
音楽制作におすすめなのはもちろんのこと、VL-S3はボリュームを上げればけっこう迫力のあるサウンドになるので、今よりいい音で音楽を楽しみたいという人にもおすすめ。
キックやベースもしっかり再生されるので、DJの練習に使うのも良いでしょう。