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2024年のまとめ | AI、プラグイン、音楽制作、新たなサービス、あやしい音の話

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Issey
作曲家、音響エンジニア
23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?

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<著書>
AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?
作曲AIに関する書籍をAmazonで出版しました。
アイデアの出し方から作曲、アートワーク制作に至るまで、音楽制作からリリースまでの一連の流れにAIをフル活用する方法を解説しています。

今年も残すところあと2日となりましたので、1年をサクッと振り返っていきたいと思います。

まずは、ブログとニュースレターを今年も細々と続けていけたことに感謝です。ありがとうございます!

ブログやニュースレターはAI情報が多めで、まだそれほど関心がない方も多いとは思いますが、これからますますAIを使った作曲が一般的になると思います。AIマスタリングは年々アップグレードされて良いものが出てきていますし、AIを使ったキックシンセサイザーやステム分離ツールなど、音楽制作にの幅を広げてくれる面白いAIツールも登場しました。僕は23歳から音楽制作を始め、テクノロジーの恩恵を受けて、ここまで音楽を続けることができていますが、これからはAIをうまく制作に取り入れるアーティストがより活躍できる時代になると思います。来年も、アーティストの創造性をサポートする最新のプラグインやAIツールなどを紹介していきます。

次に、本の出版です。これまでずっと本を書きたいと思っていたのですが、今年初めて1冊の本を仕上げることができました。徐々にAIに興味を持つ人が増えているのか、発売当初よりも、少し時間が経ってからの方が売り上げが上がってきています。作曲やリリースに関するAI情報をまとめた本であり、今後のAIとアーティストの関係を考えるための1冊になっています。一般の書籍が10万字ほどのボリュームなのに対し、AI時代の作曲術は6万字ほどの短い本となっているので、さくっと気軽に読めます。

AI時代の作曲術 – AIは音楽制作の現場をどう変えるか?

今、来年に向けて動き出していることが1つありまして、それは最新の音楽制作ツールを活用した作曲手法を解説するオンラインコースの制作です。僕が音楽を作り始めた頃は、すでにアナログからデジタルに移行していた時期なので、昔の人ほど音楽制作が大変な時代ではなかったのですが、今は10年前と比べても格段に音楽制作の敷居が下がってきています。これはAIだけでなく、様々な音楽系ツールが発展してきたからに他なりません。

実は、10年近く前に「作曲のやり方教えてよ!」と言われて、とても困ってしまった思い出があります。なぜなら音楽制作は覚えることが多く、感覚的な部分も多々あるため、サクッと人に教えてすぐできるものではなかったからです。ところが今は、音楽ツールを駆使すれば、音楽理論すらほとんど学ぶことなく簡単に音楽が作れるようになってきています。「今なら、あの時渋ってしまった音楽制作を彼に教えることができるのに・・・」とここ数年、心残りになっていた部分なので、完成したらあの時の彼にも伝えてあげたいと思います。

僕のブログやニュースレターの読者は、25歳から35歳が最も多く、おそらく一度は音楽制作に挑戦してみたものの挫折してしまい、大人になってからもう一度始めようと思った方が多いと思います。また10代で音楽にあまり携わってこなかったけど、20歳、30歳を超えてから本格的に音楽制作に取り組んでみたいという方もいらっしゃるでしょう。そんな方々に役立つ情報をブログだけでなく、1つの体系的なコースとしてまとめ、僕の持っているノウハウをお伝えしたいと思ったのでオンラインコース制作に取り掛かることにしました。ちなみに、このコースを受講すると、単に、初心者が簡単に音楽を作れるだけでなく、これまで特定ジャンルの音楽しか作ってこなかった人が表現の幅を広げたり、仕事の幅を広めるために様々なジャンルの作曲を行うことができるようになります。こちらは、冬が終わるまでにリリースしたいですね。

次は、自身の音楽制作について。最近もっぱらアンビエントの制作に取り組んでいることが多いです。昨年は脳波を変容する特殊な音源を活用したリリースをVIE Tunes様と行いましたし(このアプリで聴けます)、メディカル系サービスへのアンビエント楽曲の提供なども行いました。Artlistにも楽曲を買い取っていただきました。個人的なリリースももっと増やしたいですが、今のところ心に染み渡るようなアンビエントミュージックをすべてAIで作る事は難しく、自分で時間をとって作曲を行う必要があると考えています。今年は、仕事で何週間か海外に行きましたが、その中で「AIの自動生成には絶対に作り得ない曲がある」と確信する出来事がありました。AI作曲は企業CMやプロモーション動画などには確実に使われていき、作曲家の出番は少なくなっていくと思いますが、アートとしての音楽は、これからも価値あるものとして残り続けていくことでしょう。人間にしか作れない音楽があるからといって、アーティストが今後も音楽で稼ぎ続けられるかはまた別の話ですが・・・なので、時間をかけて良いものを少しづつリリースしていく予定です。

最後に、最新の音楽機材やプラグインについて。一時期は、毎週のようにスピーカーやシンセの情報を漁ったり、実際に店舗に行って機材を試しまくったりしていましたが、ハードウェア系はここ数年で出尽くした感があり、最近はそこまで深掘りしていません。(年末に登場したAdamの小型モニターは、とてつもなく売れているみたいですね) 一方、プラグインは毎年ハードウェアの高みに近づく高品質なものが出てきていますし、AIを活用した全く新しいプラグインも登場していたりと、進化が速く面白い分野です。今年出たプラグインで、いくつか良かったものをいくつか挙げてみます。

  • iZotope Ozone 11
  • RipX DAW
  • Forever 19 Visco
  • Madrona Labs Sumu
  • Tracktion BioTech3
  • Three Body Technology Deep Vintage
  • Harmony Bloom
  • Serato Hex FX
  • Minimal Audio Ripple Phaser
  • Soundtheory Kraftur

もっとあったかもしれませんが、思い出せる範囲だと、この辺りが面白かったですね。来年もプラグインを中心に色々と掘っていきたいと思います。

こんな感じで、今年は仕事納め。京都に帰らせていただきます!

全然音楽と関係ないですが、実家の京都に鞍馬山という山があり、年始にそこに行ってきます。なんでも、牛若丸が修行していた山らしく、検索するとスピ系の話題がたくさん出てきて、密かに楽しみにしています。「音」と「スピリチュアル」は切っても切り離せないところがあるので、結構日ごろから深掘りしているのですが、マニアックすぎてブログにもなかなか書けず・・・

知り合いの大学の先生は、全国のパワースポットを巡って「パワースポットには低周波が多く発生している!」とおっしゃっていたり、「タイムウェーバー」という高次元治療器は患者を癒すための特殊な音楽を生成できると謳っていたり・・・と、音とスピリチュアルの関係には面白い話題が多いのですが、おおっぴらに話せないようなこともあり・・・こういうのは有料noteなんかで発信すればいいのでしょうかね…

どこかのタイミングで皆さんと共有できればと思っています。

そんなわけで、来年もよろしくお願いいたします!

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AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?
作曲AIに関する書籍をAmazonで出版しました。
アイデアの出し方から作曲、アートワーク制作に至るまで、音楽制作からリリースまでの一連の流れにAIをフル活用する方法を解説しています。

この記事の著者

Isseyのアバター Issey 作曲家、音響エンジニア

23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?