Artlistに採用されて楽曲提供した話

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Artlist(アートリスト)という、動画クリエイター向けの「著作権フリー音楽素材サイト」があります。

動画クリエイターなら知っている方も多いかもしれませんが、これは自分で撮った動画に音楽をつける際、こういったサイトで音楽を購入することで、著作権の問題を一切気にせずに音楽を入れることができるプラットフォームです。

Artlist

著作権フリーと聞くと「音楽のクオリティは低いんでしょ?」と思われるかもしれませんが、かなり良質な楽曲が多く、以下のような世界的大企業のCMにも使われていたりします。

NIKE、New Balance、Adidas、Microsoft、Mercedes Benz、BMW

このArtlistですが、どうやって曲を集めているかというと、普通にホームページから公募で集めていて、実は誰でも簡単に自分の楽曲を応募することができます。

I want to submit my content to Artlist’s catalogs – Artlist

手持ちのリリースしていない楽曲があったので試しに送ってみたところ、「送ってもらった2曲を買い取りたい」との連絡があり、そのまま契約することになりました。

楽曲の申請から、2ヶ月後に届いたメッセージがこちらです。

Hey Issey,
My name is ○○ from Artist’s A&R team.
Our team of curators have reviewed your application and I am excited to let you know you have been
selected for our boutique in-house label and publishing services – Artist Original.
We would like to offer you a deal for the following tracks for inclusion in our catalog:
‘○○’ ‘○○’.
Before we can send you the proposal, please answer the questions found here for us to understand the
availability of your music.
Here you can find a short presentation of how Artist works.
Looking forward to working together!

Artist’s A&Rチームの○○です。
私たちのキュレーター・チームがあなたの応募書類を審査し、あなたが私たちのブティック自社レーベル
私たちのブティック・インハウス・レーベル、アーティスト・オリジナルに選ばれたことをお知らせします。
私たちは、私たちのカタログに掲載するために、以下の楽曲の契約を提供したいと思います:
「○○」「○○」。
ご提案をお送りする前に、以下の質問にお答えください。
あなたの音楽の可用性を理解するために、ここにある質問にお答えください。
こちらでアーティストの活動についての簡単なプレゼンテーションをご覧いただけます。
一緒に仕事ができることを楽しみにしています!

今年の1月に応募し、報酬が振り込まれたのが今月10月なので、かなり時間はかかりましたが無事に取引を終えることができました。

これからArtlistに楽曲提供しようと考えている方の参考になるよう、記事にまとめていきたいと思います。

楽曲提供から取引の流れ

まず、Artlistに採用されると、一人の担当者が最初から最後まで責任を持って面倒を見てくれます。

どんな些細なことでもメールすればすぐに答えてくれるので、とてつもない安心感の中、取引を行うことができました。

採用からのおおまかな流れは、以下のような感じです。

  1. Artlistから採用通知が届く
  2. 担当者と楽曲、アーティスト名、著作権などの確認をする
  3. いくつかの契約書に記入する
  4. 楽曲と、そのステムを提出する
  5. (マスタリングしてもらう)
  6. アートワークを作ってもらうのに、希望を伝える
  7. Paypalに入金される
  8. 楽曲がリリースされる

担当者のレスポンスが早いので、スムーズに進めば数ヶ月で入金までいくと思いますが、僕の場合は少し面倒なことがあって10ヶ月ほどかかってしまいました。

取引の中で感じたのは、

「とにかく、書かないといけない書類がめちゃくちゃ多い」

でした。

逆に言えば、取引がしっかりしているので、連絡が途絶えてしまったり報酬が支払われなかったりという不安は一切ありませんでしたね。

楽曲さえ提供すればアートワーク制作もマスタリングもArtlist側が行ってくれるので、こちらでやるのは楽曲提供と書類を書くのみです。

僕の場合、マスタリングはすでに他のスタジオにやってもらっていたので、Artlist側のマスタリングではなく信頼できるスタジオにマスタリングしてもらったバージョンでリリースすることにしました。

契約内容と報酬について

契約内容は、人によってさまざまだと思いますが、僕の場合は「楽曲の所有権の買い取り」で契約しました。

買い取りと言ってもアーティスト名はちゃんと入るので、アーティストとしての資産としてウェブ上に残ります。さらにプロモーション活動も可能で、Artlistとしては曲を買い取って終わりではなく、アーティスト活動も応援したいというスタンスのようです。

曲が売れるごとにコミッションも入る契約で、「買取金額 + 曲が売れるごとに○○%のコミッション」といった感じです。

ちなみに買取金額は、2曲でOP-1 Fieldくらいでした。

買取契約の場合は、仮にSpotifyなどに曲をアップロードしていた場合、削除しなければいけませんし、他のレーベルと契約している楽曲ならその権利を放棄してもらう必要があります。

一度、他者を通してリリースされているものに関しては権利関係を処理するのが面倒なので、Artlistに曲を送るなら、どこのレーベルとも契約していない作品を送った方が後々面倒なことにならないと思います。

取引の中で難しかったこと

取引の中で面倒だったのは、ArtlistからPRO(日本の場合はJASRACなど)と契約し、契約番号を送ってくれと言われたことです。

これに関してJASRACとやりとりをしたり、Artlistの担当者に相談したりしたので結構時間がかかりました。

Artlistの担当者が「メールのCCに入れてくれれば、JASRACとやりとりする」と言ってくれる親切ぶりでしたが、結局JASRAC側からの返事がなかったのでこのやりとりはできませんでした。

最終的にどうしたかというと、「JASRACで契約番号を取得するには、まず曲のリリースがないといけない」ことがわかったので、それをArtlist側に伝えると「曲がリリースされたらPROを取得してArtlistに伝える」ということでOKをもらい、先に進むことができました。

このように契約上の面倒なやりとりが発生しても、Artlist側はかなり親切に対応してくれるので本当に助かりましたね。

まとめ

一般的な楽曲の買い取りとは違い、Artlistという巨大プラットフォームを通してアーティストとしての活動も支援してもらいながら報酬も得られるので、うまく使えばアーティストにとってもかなり良いサービスだと思います。

楽曲は全体の5%しか採用されないそうなので、なかなかハードルが高いかもしれませんが、「音楽で稼ぎたい!」「自分の楽曲をたくさんのクリエイターに使ってもらいたい!」という人は、ぜひArtlistにアーティスト登録をしてみてください。

今後、また進展があれば、記事にして皆さんと共有したいと思います。

今日も最後までご覧いただき、ありがとうございました。

Application – Artlist

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