音楽というのは人に聴かれて初めて価値がでるものですが、SoundCloudに完成した曲を貼り付けて終わり!!ではなかなか世界中の人々に聴かれないですよね。
やはり曲はリリースしてなんぼだと思うのですが、一見テクノやハウスだと市場が海外のため、若干国内リリースよりハードルが高いと感じがちです。
しかし!!
市場が世界ということは国内の狭い市場で争うのではなく、人口70億のチャンスの海へ飛び込んでいくということです。
もちろん大手レーベルだとデモを送ろうとしても、サーバーがいっぱいで送れないなんてこともありますし、リリースは超絶クオリティの高いものに限定されるのでかなりの難関です。
ただ大手からリリースすることだけが、音楽を世界に届ける手段ではありません。
中には、まだあまり知られていないけどクオリティの高い新興レーベルも数多くあります。
そういったレーベルに焦点を当てて「正しい」手順を踏んでデモを送れば、あなたの音楽をたくさんの人々に聴いてもらうのも夢ではありません。
海外のレーベルにデモを送るにあたり、方法や注意すべき点といった情報は日本語ではあまり解説されていないため、ここにまとめておきたいと思います。
この記事が、少しでも多くの日本人の海外進出のお役に立てれば幸いです。
曲を完成させよう
まずは曲を完成させてください。
これは当たり前のようで非常に重要です。
1,2分のデモや、すぐに現場で使えないようなミックスはよっぽど可能性を感じるトラックでない限り返信がこないでしょう。
「あともうちょっとアレンジを加えてリリースするつもりです」みたいな送り方もやめた方がよいです。
デモを送ることは、A&Rやレーベルオーナーにあなたの技術やポテンシャルをみせつける機会でもあります。
曲はすぐにでもリリースできるクオリティのものを提出するようにしましょう。
当然マスタリングも施すことで、あなたのデモは一日に何百と届くデモから一歩抜きん出たものになります。
正しいレーベルを選ぼう
いくら良い音楽でも、EDMのレーベルにアンビエントのトラックを送ったのでは意味がありません。
その曲がレーベルとマッチしているかどうかはデモを送る上でとても重要なので、事前によく調査することが大切です。
ここに5つのチェックリストを挙げたので、レーベルを選ぶ際の参考にしてみてください。
正しいレーベルを選ぶための5つのチェックリスト
1. あなたの好きなアーティストやレーベルを5つ挙げてみましょう。2. そのレーベルはどんな曲をリリースしていますか。3. そのアーティストはどんなレーベルからリリースしていますか。4. レーベルのポッドキャストがあれば聴いてみましょう。あなたのデモはそのミックスとマッチしていますか?5. 誰がそのレーベルを運営していますか。その人がアーティストやDJであれば、ミックスやリリースされている曲をチェックしてみましょう。
SoundCloudを活用した「デモ」の送り方
デモは通常E-mailで送りますが、その際音楽ファイルを直接E-mailに貼り付けるべきではありません。
毎日いくつものデモをチェックするレーベルにとって、デモごとにwavファイルをダウンロードしなければならないのはかなり煩わしいし、全員がデモをダウンロード方式で送ってくれば、パソコンが不要なデモでいっぱいになってしまうでしょう。
インターネットでサクっと聴いて気に入ったらダウンロードしてもらう方が、レーベル側の負担も減りますよね。
これにはSoundCloudが役に立つので、その方法とメリットを挙げていきましょう。
SoundCloudで「デモ」を送る3つのメリット
1.相手がデモを聴いて、ダウンロードしてくれたかが分かる。
レーベルからの返信が来ない時、曲を聴いてダウンロードまでした上で返事をくれなかったのか、曲自体をまだ聴いてくれていないのかを知るのはとても重要です。
2.全員が使い慣れているサイトなので、再生やダウンロードが容易。
SoundCloudは、音楽に携わっている人なら誰でも知っている巨大プラットフォームなので、レーベル側の手を煩わせることはありません。
3.シークレットリンクで送れば送り先の人以外は聴けない。
レーベルはまだ公開されていない楽曲を探しています。送り先のレーベル以外には公開しないようにしましょう。
そして、いくつものレーベルに同時にデモを送らないことも大切です。
「デモ」の送り方
まずはアップロード画面から楽曲を選び、タグやアートワークを設定した後「private」を選択して「Save」します。
アップロードが完了したらトラックの「Share」ボタンを押して、「Private Share」からリンクをコピーします。
この時、ブラウザのアドレスバーからトラックのリンクをコピーして貼り付けても、そのリンクは使えないので注意しましょう。
リンクを送って無事に視聴・ダウンロードされれば、トラック右下に再生回数とダウンロード回数が表示されます。
トラックは指定のレーベルにしか送っていないため、1と表示されているということは、レーベル側が少なくとも一度は再生してダウンロードしてくれたということです。
英文メッセージの例
英語が苦手な方は、このようなテンプレートから進めていきましょう。
ある程度英語ができる方は、他のアーティストと差をつけられるようなユニークな文章を考えてみるのもよいでしょう。
タイトル: Demo Submittion
本文:
Hello ○○○○○ Record,
My name is ○○○○○, I’m a music producer from Japan.
(こんにちは、私は日本の音楽プロデューサーで、名前は○○○○○と言います。)
I have a brand new unsigned track that I would like to release on your label.
(まだリリースされていない僕の新しい楽曲を、あなたのレーベルから出してみたいと思っています。)
This is a ○○○BPM track titled <曲名> that you might find similar to your latest release <○○○>(love it by the way).
(これはBPM○○○のトラックで、タイトルは<曲名>といいます。
ひょっとするとあなたが最近リリースした<○○○>に似ているかもしれません。あれは最高でした。)
Please listen to the track by the following link: <曲のリンク>
(ぜひこちらのリンクから曲を聴いてみてください。)
<自分のアーティスト名>
<アーティストページ or SoundCloudのリンク>
この他にも様々な文章が考えられますが、内容はこれくらいシンプルなもので十分でしょう。
長すぎる文章や多すぎるデモは、かえって逆効果になることがあります。
心に残る文章でライバルに差をつけろ
これは僕の経験談ですが、トラックを送る時に「日本にギグに来てくれてありがとう。あのライブは最高だったよ」などと一言付け加えてあげると、他のアーティストと差をつけることができますし、返信がくる可能性がグッと高まります。
シンプルかつ相手の心に残るメールを考えて送ってみましょう。
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「デモ」を送っても返信がない6つの理由
これだけやってもレーベルから全然返事がない!
そんな時はどうすればよいのでしょう。
ここに6つのリストを挙げておくので参考にしてみてください。
もし当てはまればひとつづつ改善していきましょう。
1. 連絡先の記載がない
これは致命的です。
メールなので相手のアドレスはわかりますが、あなたの出身や名前、SoundCloudやYouTubeなどのリンクは忘れず貼り付けましょう。
2.独創性に欠ける
いくらクオリティが高くても送り先のレーベルの曲にそっくりでは、向こうもリリースする意味がありません。レーベルにある程度合わせつつも、他にはない独創性のあるものを選びましょう。
3. 曲をいくつも送りすぎ
一番自信のある2,3曲を送りましょう。
5,6曲も送らないくても、あなたの音楽に興味を持てば「他に曲はないのか?」と向こうから連絡がきます。
4. E-mailに直接wavファイルや動画を貼り付けている
知名度のあるレーベルほど、1日にチェックするデモの数は膨大になります。
開くのに時間のかかるメールはレーベルにとっても不親切なのでやめましょう。
5. 送った曲がそのレーベルの色とマッチしていない
いくら良い曲でも、そのレーベルの色とマッチしていなければリリースされることはありません。
そのデモがレーベルの目に止まってリリースされるかどうかは、緻密な事前調査にかかっています。
6. まだデモを聴いていない
レーベルによっては毎日デモが大量に届くので、1,2日や1週間ではまだメールをチェックしていない可能性があります。スパムのように何度も催促のメールを送らず地道に待ってみましょう。あるとき突然メッセージが来るかもしれません。
7. そもそも曲が良くない
残念ですが、その曲はあなたが思っているほど良い曲ではないかもしれません。
必ず信頼のおける音楽仲間や師に音源をチェックしてもらい、リリースにふさわしいかを確認するようにしましょう。
オリジナル曲をリリースするのは初心者にはハードルが高いため、最初はリミックスコンテストなどで腕を磨いてみるのも一つの手です。
こちらの記事【裏話あり】リリースのチャンスはリミックスコンテストで掴め!厳選海外サイト9選では、リミックスコンテストからリリースのチャンスをつかむ方法を解説しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
レーベルからリリースというのは夢がありますが、道のりは険しくとても地道な作業です。
返信が返って来ないこともよくありますし、フィードバックだけでも返ってくればむしろラッキーです。
自分にとっての正しいレーベルを見極めて、地道にリリースまでの道のりを歩んでいきましょう。
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