DTM

ディレイ計算機を使ったリバーブテクニック

今日ご紹介するのは「bpm sync reverb」と呼ばれる、BPMとリバーブタイムを同期させることで、美しく自然なリバーブの響きを生みだすテクニック。

リバーブプラグインの「リバーブタイム」や「プリディレイ」といったパラメーターを曲中のBPMと同期させることで、不必要なにごりをなくし、より整理されたタイトなサウンドに仕上げることができます。

このテクニックには「ディレイ計算機」という、リバーブタイムやプリディレイを計算するソフトが必要なのですが、これは「Delay Calculator」と検索すれば無料のWEBサービスがいくつも出てくるので、使いやすいものを選びましょう。

Delay Calculator – Nick Fever

今回は、こちらのディレイ計算機を中心に解説していきたいと思います。

今までリバーブタイムやプリディレイを適当に打ち込んでいた人や、適切なリバーブタイムがわからないという人は、ぜひこの記事を参考にしてみてください🙂

ディレイ計算機を使うメリット

ディレイ計算機を使うことで、BPMに合わせたリバーブタイムを設定できますが、これによって具体的にどのようなメリットが生まれるのでしょう?

ディレイ計算機を使うメリットは、主に2つあります。

1. リバーブにリズム感やグルーブが生まれる

通常、リバーブは空間や奥行きをつくるために使われるので、「リバーブによってリズム感やグルーブが生まれるってどういうこと??」と思われるかもしれません。

例えば、2拍目と4拍目に入ったスネアドラムにリバーブをかけるとしましょう。

ここでリバーブタイムの設定が長すぎると、2拍目のスネアにかかったリバーブが4拍目のスネアに被ってしまい、少しぼやけた印象を与えてしまいます。

ところが、2拍目のスネアにかかったリバーブが4拍目のスネアが鳴る直前に消えるように調整できれば、リバーブによる空間の大きさを保ちつつ、リズミカルなグルーブ感を与えられるというわけです。

ディレイ計算機を使ってリバーブタイムを適切に調整すれば、曲のリズム感をくずすことなくリバーブを使うことができます。

2. クリアでタイトなリバーブを実現できる

先ほどのスネアドラムの例のように、適切なリバーブタイムを設定することで楽器の音と残響音のかぶりを最小限におさえ、ミックス全体に引き締まった印象を与えることができます。

リズム隊だけでなく、シンセサウンドも同じようにプリディレイやリバーブタイムをBPMと同期させることで、リズミカルかつタイトなサウンドに仕上げられますよ。

こちらの動画では、ディレイ計算機を使って、シンセにかかっているリバーブのテイルをうまくコントロールする様子をみることができます。

Setting Your Reverb To Be In Time With Your Track

ディレイ計算機の使い方

次に、ディレイ計算機の使い方をみていきましょう。

Delay Calculator – Nick Fever

使い方はとても簡単で、プロジェクトで使用しているBPMを打ち込むだけ。

「Calculate reverb and delay times」を押すと、自動でディレイタイムを計算してくれます。

今回は、BPM120と打ち込みました。

計算結果はこのようになります。

ここで、1番左の「Notes」の列に注目しましょう。

「1/1」が、1小節分の長さです。

ちょうど1小節分のリバーブを設定したいならリバーブタイムを「2000ms(2秒)」に、1拍分のリバーブを設定したいなら「1/4」をリバーブプラグインに打ち込むことになります。

例えば、Valhalla RoomならDECAYのところに「2.000(s)」と打ち込みます。

適切なリバーブタイムは曲によっても変わってくるので、決まったルールはありませんが、この倍数や半分の値、そのまた半分の値などに設定するよう心がけると、BPMに同期した自然なリバーブを得やすくなります。

先ほど紹介したスネアの例だと2拍ごとにスネアが鳴るので、1/2の「1000ms」でリバーブを設定すれば、リバーブテイルが消えた瞬間に次のスネアが鳴るように設定できます。

プリディレイの設定

プリディレイにも、ディレイ計算機で得られた数字を打ち込んでみてください。

ちなみにプリディレイとは原音(直接音)が鳴ってから、リバーブ音がなり始めるまでの時間のことすが、これをうまく設定することで原音がリバーブに埋もれることなく存在感のあるサウンドをつくることができます。

例えば、ボーカルのリバーブならプリディレイは50ms以上だとうまくいく傾向があるので、上の例なら1/32の「62.5ms」から始めてみると良いでしょう。

プリディレイの設定にも決まったルールはないので、曲のスタイルによっては1/16の「125ms」に設定したほうが良い結果が得られるかもしれません。1/64の方が曲にマッチする可能性もあります。

曲全体を鳴らしてみて、最終的なディレイタイムを決めるようにしましょう。

プリディレイの設定で注意すること

プリディレイ設定する際に、注意すべきことが1つだけあります。

リバーブタイムは、プリディレイを引いた値を打ち込むようにすること。

例えば、BPM120でリバーブタイムを2000ms(1/1)に設定したいとします。

ここでプリディレイを250ms(1/8)に設定すると、リバーブの合計が2250msと1小節より長くなってしまうので、2000msから250msを引いた「1750ms」をリバーブタイムとして打ち込みます。

これでプリディレイを含め、BPMに完全に同期したリバーブをつくることができます。

この計算が面倒だという人もいるかと思いますが、最初に紹介したディレイ計算機ならプリディレイを考慮したリバーブタイムも同時に計算してくれるので便利です。

リバーブタイムを2000ms(1/1)に設定したい場合、すぐ横の「CLICK ME!」を押すと、下にスライダーが表示されます。

このスライダーを左右に動かしてプリディレイを設定し、真ん中の「Remaining Reverb Time」に表示された値をリバーブタイム(ディケイ)として打ち込みましょう。

こちらの動画では、ディレイ計算機を使ってボーカルのリバーブタイムやプリディレイを設定している様子が詳しく紹介されているので、こちらも参考にしてみてください。

How to use a DELAY CALCULATOR for PERFECT Reverb Tails | Noize London

ディレイ計算機を使ったリバーブテクニック | まとめ

今日ご紹介したリバーブテクニックは、DAW付属のリバーブプラグインでも簡単に再現することができます。

このテクニックは、実践したところで誰も気づかないような細かいテクニックですが、こういった細かい積み重ねが曲のレベルを高めていくものだと思います。

気になった人は、ぜひ次の作曲の際にでも試してみてください。

あと、もう1つ役に立ちそうな動画があったので載せておきます。

Reverb Mixing Tutorial: BPM Synced Timings and How to Calculate Them

こちらもぜひ参考にしてみてください。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

⬆目次に戻る

この記事も読まれています