コンプレッサーって奥の深い機材ですよね。
数個しかパラメーターが付いていないのに、その組み合わせによって音はいろんな変化をします。
「コンプレッサーは使った方がいいみたいだから何となく使っている」という方は案外多いのではないでしょうか。そのコンプレッサーが本当に必要なのかどうか、本当にミックスの質を向上させているのかを知るにはどうすればよいのでしょう。
今日は、コンプレッサーはかかっているけどそのコンプレッションが十分足りているのか、不足していないかを簡単に見分けるポイントをご紹介しましょう。
【すぐ使える】ミックスのコンプレッション不足を簡単に見分ける方法 – 的確なコンプのかけ方を理解する
ミックスにおけるコンプレッション不足を見分けるポイントを、早速ご紹介しましょう。
たったひとつだけです。
スピーカーやヘッドフォンの音量を上げた時にだけ良いミックスに聴こえるなら、コンプレッション不足。
コンプレッションが不足している楽器は、他の楽器に埋もれて聴こえてしまう場合があります。
各楽器が十分にコンプレッションされたミックスなら、音量を低くして聴いても同じように良いバランスで聴こえるんです。
なぜでしょうか。
理由はふたつあります。
- 人間の耳は、音量を上げるほどダイナミックレンジが狭くなるから
- ハードウェア的な部分でコンプレッションがかかるから
①は以前に書いたラウドネス曲線の記事に詳しい内容を載せています。

音量を上げた状態でミックスを聴くと、あたかもすべての楽器がいい感じに鳴っているように聴こえます。
その状態から音量を少しずつ下げていってください。
最初に音量が大きく下がった楽器は要注意。実はコンプレッション不足で他の楽器に埋もれている可能性があります。
②は例えばスピーカーやヘッドフォンの許容量ギリギリで鳴らすことで、ハードウェア的なコンプレッションがかかってしまう場合です。
スピーカーですとリミッターが付いているものが多いので、わかりやすいですね。
許容量を超えてしまうとリミッターがかかり、あたかも全ての音が前に出てきているかのように聴こえることがあります。
ミックスのコンプレッション不足を簡単に解消する方法
答えは簡単です。音量を下げてモニターしてください。
大きな音の方が制作がはかどるなら、そのままで構いません。
たまに音量を下げて、うまく全体のバランスがとれているかどうかをチェックしてみましょう。
毎回確認するために音量をさげるのは面倒だと思うので、「小音量ボタン」を作ってミキシングを効率化することをオススメします。こちらの記事を参考にしてみてください。

まとめ
シンプルな内容でしたが、今日ご紹介したことは超重要だと思っています。
このTIPSは、僕のミキシングライフを大きく変えてくれました。
以前の僕は、比較的大音量で制作やミキシングを行なっていました。
その時はいいバランスだと思っていても別のシステムで聴いたりiPhoneに移して聴いてみると、なんだかとても貧弱なミックスに聴こえるんです。
今日ご紹介した「音量を上げすぎると人間の耳のダイナミックレンジは狭くなる」ということを理解していれば、「今大音量で聴いているからよいミックスに聴こえるけど、音量を下げてみるとどんな風に聴こえるだろう」と意識できるのでミックスの質が大きく上がります。
いくらいい機材を揃えてもミキシングがうまくいかないという方は、ぜひこのことを意識して普段のミキシングに生かしてみましょう。