おすすめのMIDIステップシーケンサーはどれ?無料ソフトや高機能なハードウェアも紹介

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今や「作曲」は特別な技術を持った人だけでなく、誰にでも簡単に始められるようになりました

機材は昔に比べてはるかに安くなりましたし、サンプルパックなどを買えばドラムやシンセの音, メロディ, ベースラインなどすら自分で作る必要もなく、ただそれをパズルのように組み合わせていけば曲が出来上がってしまいます

楽器を弾かずとも作曲ができてしまうなんて、便利な時代ですよね。

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ただ、それではオリジナリティに乏しく自分で作った感もあまりないため、素人の域を抜け出すには自分でメロディやコードをつくる必要がでてきます。

でもピアノや音楽理論の知識がなければなかなか思うようなメロディーはできず、途方に暮れてしまうかもしれません。

そこで登場するのが「MIDIシーケンサー」、もしくは「ステップシーケンサー」と呼ばれるDTMで非常によく使われるソフトです。(ハードウェア版も存在しています)

実はプロの音楽プロデューサーであっても次々に頭の中にメロディが浮かんでくるという人ばかりではないので、積極的にMIDIシーケンサーなどを活用することで日々アイデアを出しているんですね。

今日は、そんな制作のための便利なツールをいくつかご紹介していきたいと思います。

この記事を読めば、以下のことが分かります。

  • MIDIシーケンサーの役割
  • 無料で使えるおすすめのMIDIシーケンサー
  • 有料のおすすめMIDIシーケンサー BEST3
  • おすすめのハードウェアMIDIシーケンサー BEST3
  • iPhoneやiPadで使えるおすすめMIDIシーケンサー

「楽器も弾けないし音楽制作も始めたばかりだからメロディが思いつかない!何かいい方法はないかな?」と普段から悩んでいる人は、ぜひ読んでみて下さい。

それでは順にみていきましょう。

MIDIステップシーケンサーの役割とは?

MIDIシーケンサーとはMIDIデータを打ち込むことによって、コンピューター上で音楽を自動再生するための機材またはソフトウェアのことです。

アルペジエーター, ピッチ編集, ランダマイズなどのさまざまな機能を使うことで、初心者でも簡単にメロディーやビートの生成が行えます。

MIDIシーケンサーが音楽制作でどういった役割を果たすのかは、この動画を観るとよくわかります。

ダンスミュージックの多くはループミュージックなので、MIDIシーケンサーを使ってアイデアを膨らませ、それをDAW上で形にして味付けを加えていくという作曲方法がよく使われます。

上の動画は割と新しいハードウェア機材ですが、これと似たようなことが無料でできるソフトが数多く存在します。

おすすめのMIDIシーケンサーはいくつかありますが、まずその中でも最近よく使っているHome Grown Soundsの「Chordian」という無料ソフトをご紹介しましょう。

【ソフトウェア編】無料で使えるおすすめのMIDIステップシーケンサー「Chordian」

参考: Homegrown Sounds – Chordian

これが、Homegrown Soundsから出ている「Chordian」というMIDIシーケンサーです。

このソフトは主に4つのセクションに分かれているのですが、一番上のバーが音量, 下4つが音階を表しています。さらに左の細かい調整ノブを使い、インタラクティブに4つの音階を設定していくことで複雑なメロディを作ることができるようになっています。

鍵盤を弾かなくても、複雑なメロディが簡単にできるのがわかるでしょう。

このソフトには上位版の「Procession」があるのですが、僕は最近こちらを使うことが多いです。

現在は30ドルほどで有料販売されています。

こういうシーケンサーは適当にパラメーターを弄っていくだけで予想外の音やメロディができるので、触っているだけであっという間に時間が経ってしまいますね。

楽器が弾けない僕にとってもMIDIシーケンサーはなくてはならないツールで、このメーカーのものはプリセットも充実していて、ちょっとしたアイデアを出す時に使える便利なソフトです。

【ソフトウェア編】有料のおすすめMIDIステップシーケンサーBEST3

ここからは、有料のMIDIシーケンサーを紹介していきます。

先ほど無料でも使える「Chordian」という製品を紹介しましたが、正直このプラグインを販売している「Homegrown Sounds」はあまり知名度もなく、無料で配られているプラグインも有料のものと比べると、やはり出来ることが限られてくるんですよね。

なので、今から有料で使い勝手のよいMIDIシーケンサーを3つ紹介していきたいと思います。

第3位 – 「Cream」Kirnu Interactive

公式ページ: 「Cream」Kirnu Interactive

このプラグインのファーストリリースは、おそらく2011年ごろだと思います。

なかなか歴史のあるプラグインで、使い勝手がよくiPadバージョンもリリースするなど精力的に活動されていたのですが、このランキングの中では唯一あまり名の知れていないデベロッパーで、2020年現在では公式ページの更新もあまりなされていないので3位としました。

とはいえPlugin Boutiqueではレビュー数もダントツで多く、過去には「Computer Music Award」などいくつかの賞も獲っています。

動画を観てわかるようにMIDIシーケンサーとしての機能はもちろんのこと、アクセント, ゲート, レングスなどの細かい設定ができたりコードメモリー機能によるコード演奏の機能にも対応していたりとかなり充実したソフトです。

気になる人はデモバージョンを試してみましょう。

Kirnu Interactive「Cream」- Plugin Boutique

第2位 – 「Thesys」Sugar Bytes

公式ページ: 「Thesys」Sugar Bytes

Sugar Bytesは「Effectrix」「Tornado」「WOW2」などの少し変わったプラグインを数多くリリースしている、業界では名の知れたメーカーです。

Thesysは「ベロシティ」「ゲート」「ピッチ」など普通のMIDIシーケンサーにも備わっているような機能のみを持つ平凡なソフトに見えますが、このThesysが他とは違うところは2つあります。

  1. パフォーマンスパラメーターで予想だにしないサウンドを生み出す
  2. スケール機能で、初心者でも簡単に「民族風」などの雰囲気を出せる

1は、このソフトの最大の特徴と言っても良いかもしれません。上の動画の1:52のような特殊なパラメーターを設定することで、単なるMIDIシーケンサーの域を超えたエフェクト効果やメロディーを生み出すことができるというもの。

やはりいいMIDIシーケンサーの条件として、そのソフトを使っていく中で自分でも予想だにしない偶発的なフレーズが生まれやすいかどうかということがひとつ挙げられますが、そういう意味ではThesysはとても有能なMIDIシーケンサーだと言えるでしょう。

2は、音楽理論をかじった人なら簡単に理解できると思いますが、「アラビックスケール」や「ドリアンモード」などといった音階を簡単に設定できる機能です。

「ドリアンって何?おいしいの?」って人でもこの機能は簡単に使いこなせるので、心配する必要はありません。誰でも簡単に曲の雰囲気をあやつれる機能だということだけ理解しておいて下さい。

このソフトは海外のものですが、日本の代理店が日本語で解説動画を出してたりするので、買ったけど使い方が分からないよ〜なんて心配をする必要もないでしょう。

Sugar Bytes「Thesys」- Plugin Boutique

第1位- 「Cthulhu」Xfer Records

公式ページ: 「Cthulhu」Xfer Records

Xfer Recordsと聞いてピンとこない人でも、あの有名なウェーブテーブルシンセ「Serum」をリリースしている会社だと言われればどうでしょう?

「OTT」や「LFOTool」などの名ソフトをリリースしている会社でもあり、ダンスミュージックに詳しい人なら「Deadmau5」の名が浮かんでくるかもしれません。(Deadmau5はXferの製品を愛用していて、自身のサンプルパックもXferからリリースしています)

Cthulhuは、MIDIシーケンサー/アルペジエーターの機能だけでなく、コードジェネレーターとしての機能も備えているという点では、3位の「Thesys」と似ている部分がありますね。

表に出ているパラメーターだけでなく、裏設定で「ピッチ」「ハーモニー」「ベロシティ」などさまざまなパラメーターを調整し、複雑なメロディーを生み出すことができます。

上の動画からもわかるようにプリセットも充実していますし操作も直感的に行うことができるので、僕も日本の代理店が取り扱い始める前から長く愛用していて、大好きなMIDIシーケンサーの一つです。

値段も他のMIDIシーケンサーと比べても高くないので、シーケンサー選びで迷っている人がいたら僕はこれを一番におすすめします

Xfer「Cthulhu」- 公式ページ

【ハードウェア編】おすすめのMIDIステップシーケンサーBEST3

ここからは、「ハードウェア版」のMIDIシーケンサーのご紹介しましょう。

ハードウェアの魅力は、マウスでパソコン上のツマミを操作するのではなく、手を使って実際のツマミやパッドを操作することで直感的にフレーズを作ることができるという点です。

「自分のアイデアをすぐにカタチにしたい」「マウスで細かい操作をするのはわずらわしい」という人は、ハードウェア版が向いているかもしれません。

第3位 – 「Pyramid Mk3」Squarp Instruments

公式ページ: 「Pyramid Mk3」Squarp Instruments

これはかなり多機能なMIDIシーケンサーなので正直1位でもよかったのですが、なんせ値段が高い!! そして日本では新品が販売されていないということもあり、第3位となりました。

ただ機能としてはとても充実していて、シーケンスパターンの数も一般的なMIDIシーケンサーよりかなり多いですし、豊富なMIDIエフェクトも備えています。

あとユークリッドリズムという変拍子のリズムにも対応している数少ないシーケンサーの一つでもあります。

参考: 【音楽理論】ユークリッドリズムをつかって音楽に不思議な魅力を生み出す方法 – スタジオ翁

こちらの記事で詳しく解説していますが、ユークリッドリズムは浮遊感のある不思議なリズムで一般的な4/4のリズムに限界を感じているという人はぜひ試してもらいたい音楽制作の手法です。

Pyramid MK3 – 公式サイト

第2位 – 「SQ-1」KORG

公式ページ: 「SQ-1」KORG

「SQ-1」の魅力は、値段の安さとシンプルさです。

アナログシンセをコントロールするためのシーケンサーに見えますが、USBでパソコンに繋ぐこともできるのでソフトシンセもコントロールできます。

本体は小さく電池でも動くので、気軽に外にも持ち運べますし場所も取りません。とにかく操作がシンプルなので誰でも簡単に使うことができますよ。

まずは安いもので気軽にMIDIシーケンサーを使った制作を楽しみたいという人や、アナログシンセを購入したからシーケンサーで操作してみたいという人におすすめです。

KORG「SQ-1」- サウンドハウス

第1位 – 「BeatStep Pro」Arturia

公式ページ: 「BeatStep Pro」Arturia

BeaStep Proは、楽器屋でよく見かけるという人も多いかと思います。

Arturiaは、ビンテージシンセサイザーをモデリングしたソフト「V Collection」や、アナログシンセ「MiniBrute」などを販売しているメーカーです。

2つのメロディーシーケンサーと1つのドラムシーケンサーが一体となっていて、こちらは制作だけでなくライブパフォーマンスで使用する人も多いですね。

パッドやノブを使って直感的に制作やライブができることや、CVアウトも兼ね備えているのでアナログシンセやモジュラーシンセなどにシーケンスパターンを送ることができるということが、BeatStep Proの最大の魅力でしょう。

第3位の「PYRAMID MK3」と比べると機能はシンプルですが、その分直感的に操作できるインターフェースで、ダンスミュージックを作る人におすすめのMIDIシーケンサーです。

公式ページでは、「BT」「KINK」「JEFF MILLS」など大物DJ/プロデューサーがこの製品の魅力を語っています。

ARTURIA「BEATSTEP PRO」- サウンドハウス

【アプリ編】スマホやiPadなどのアプリで使えるMIDIステップシーケンサー

MIDIシーケンサー アプリ

「iPhone」などのスマホで音楽制作をしているという人は、先ほど紹介したSugar Bytesの「Thesys」のアプリバージョンが出ているのでこちらがおすすめです。

マウスではなく指先でコントロールして直感的にパラメーターを変更することができるので、パソコン版よりむしろ使い勝手が良いかもしれませんね。

スマホだと機種によっては小さくて使いづらいかもしれませんが、タブレットにも対応しているのでiPadの大画面を使えば、効率的にメロディーなどのループが制作できます。

最大32ステップの打ち込みが可能で、このアプリ内で作ったMIDIデータは外部にエクスポートすることもできます。

「Thesys」で作ったデータを、他の音源を使って演奏することができるのは嬉しいですね。

Thesys
Thesys
開発元:Sugar Bytes GmbH
¥2,440
posted withアプリーチ

おすすめのMIDIステップシーケンサーはどれ?無料ソフトや高機能なハードウェアも紹介 | まとめ

ここまでいろんなタイプのMIDIシーケンサーを見てきました。

ソフトウェアは値段も安く気軽に購入して使うことができますし、ハードウェアは実際にツマミをいじることで直感的に操作することができるなどそれぞれの魅力があります。

高価なものであればそれだけ機能も豊富で複雑なパターンが作れますが、予算の範囲内で自分に必要な機能が入っているものを選んでみて下さい

「メロディの制作に行き詰まって途方に暮れている」「楽器が弾けないから自分に音楽制作は向いていないかもしれない」という人の役に少しでも立てば嬉しいです。

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