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【超重要】アクティブリスニングのすすめ – あなたの音楽はなぜプロに及ばないのか

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音楽制作の基本はマネることです

特に初心者の場合は、音楽をよく聴き、ジャンルによってある程度決まっている「型」を学ぶことから始めると効果的です。

「テクノならこんなキック」「トラップならこんなハイハット」「ダブステップならこんなシンセベース」という風に、ある程度決まった楽器の使い方や構成というものが存在するので、それをマネて楽曲に取り入れつつ自分のオリジナルの形をつくるといった感じですね。

そのために必ず必要になるの「楽曲の分析」です。

今回は、楽曲を解析する上でとても大切な「アクティブリスニング」というリスニング方法をご紹介しましょう😃

アクティブリスニングとは?

「アクティブリスニング」の対義語は「パッシブリスニング」ですが、おそらくみなさんが普段行っているのはこのパッシブリスニングです

パッシブリスニングとは例えば、電車で移動しながら、作業をしながら、移動しながら、食事をしながら音楽を聴くことを言います。

つまり、何かをしながら音楽を聴いている状態です。

一方、アクティブリスニングとは音楽を聴くこと以外に何もしない、完全に音楽に集中できる環境でリスニングをすることをいいます

 

「なんだそんな簡単なことか…」と思うかもしれませんが、パッシブリスニングを普段から行っているという人は、けっこう多いと思います。

毎日新しい曲やミックスが大量に発表され消費される時代に、このパッシブリスニングを行い音楽を聴いた気になっていると、ただ毎日音楽をチェックし、インスピレーションを受けている気になってしまいます。

日常での音楽リスニングの罠

僕は音楽制作やDJをしているので、毎日大量の曲をチェックしていました。

曲作りの際に何か参考になる曲はあるかな、とよく電車の中や移動中にチェックしていましたが、いざ音楽をつくろうとすると、その大量の楽曲チェックが何の役にも立っていないことに気づきました

今まで流し聴きしていた曲が、「どういう構成になっていたのか」「どんな楽器が使われていたのか」など、何ひとつ頭に入っていなかったのです。

 

パッシブリスニングのメリットは電車での移動中や何かをしながら音楽を聴くことができるので、毎日大量の楽曲やミックスをチェックできるということです。

ただ楽しんで聴く分にはまったく問題ありませんが、そのリスニングを自身の音楽スキルの向上に役立てようと思っているなら、間違いなく「ながらリスニング(パッシブリスニング)」はやめたほうがいいいでしょう。

次からは、アクティブリスニングの効果を最大にするための「環境づくり」について紹介していきます。

アクティブリスニングのための環境づくり

アクティブリスニングには、準備とちょっとしたコツがあります。

ここでは、3つの環境づくりの方法を紹介します。

1. 誰にも邪魔されない空間をつくる

集中できる環境なら外でも構いませんが、室内でのリスニングをおすすめします

なぜなら風の音, 自動車の音, 人の声などが周囲から聞こえると、楽器の音は聴こえても奥で鳴っているシンセの音やリバーブなどのエフェクトのかかり方など、細かな部分までリスニングすることが出来ないからです

室内で目を閉じ、曲の最初から最後まで丁寧にリスニングしてみましょう。

2. よいモニターヘッドフォンを用意する

モニター環境は非常に大切です。

モニター環境がよくないと、本来聴こえるべき音が聴こえません

モニタースピーカーはいいものを揃えると値段がかかる上、部屋鳴り(ルームアコースティック)も整えないと正しいリスニングができないので、安くで質の高いリスニングができる「ヘッドフォンでのリスニング」をオススメします。

 

まだヘッドフォンを持っていないという人は、こちらの「PHONON SMB-02」がオススメです。

https://studio-okina.com/monitor-headphone-phonon/

3. 専用の音楽ソフトをつかう

お金に余裕がある人は、こちらの「Audirvana」というソフトでのリスニングをオススメします。

https://audirvana.com/

これを使うと、楽曲に含まれる楽器やエフェクトが細かな部分まで聞き取れます。

ぶっちゃけ、iTunesやその他フリーソフトとは比べ物にならないくらい最高ですよ。

アクティブリスニングのコツ

アクティブリスニングをする時に、注意すべきポイントがいくつかあります。

「じっくり曲を聴くといっても、何を意識すればいいのかよく分からない…」

こんな場合はまず、以下のことに注意してリスニングしてみましょう。

・BPMはいくつか?

・どんな楽器が聴こえるか?

・ドラムパターンは?

・メジャーかマイナーか?

・時系列で楽器の構成がどう変化していくか?

・フィルターのかかり方や変化は?

・イントロ, サビ, ブレイク, アウトロはどこか?

アクティブリスニングでは、同じ楽曲を何度も視点を変えてリスニングすることが大切です

一度にすべての情報を網羅することはできないので、自分が注意して聴きたいポイントを絞って、一曲を聴いてみましょう。

 

目を閉じて集中した状態でリスニングしていると、ドラムパターンやシンセのフィルターのかかりなどが少しづつ変化しているのが分かります。

アーティストはオートメーションなどで曲中にとても細かな変化をつけているので、なんとなく聴いていると気づかないようなことが実はたくさんあるんです。

他にも「楽器のパンはどこに振られているか」「シンセはどのようにレイヤーされているかか」「コンプは各楽器にどのくらいかかっているか」「どのようにリバーブやディレイなどのエフェクトが使われているか」など、いろんな視点があります。

EQを使ったアクティブリスニング

DAWについているEQやフィルターを使えば、特定の帯域にフォーカスして細かく楽曲分析ができます。

ベースラインを中心にリスニングしたいなら、ローパスフィルターを使って300Hz以下の音だけを聴いてみる、といった感じですね。

これなら、ビートやメロディによって聞き取りづらい低域のリスニングがより簡単に行えます。

この方法はミックスやマスタリング時に、レファレンス曲と自分の楽曲を聴き比べる際にも役に立ちますよ。

こちらの記事で、詳しく解説しています。

参考: 【TIPS】プロ並みのミックスバランスに仕上げる「帯域別ミキシング」とは? – スタジオ翁

アクティブリスニングのすすめ – あなたの音楽はなぜプロに及ばないのか | まとめ

いかがでしたでしょう?

「アクティブリスニング」とカッコよく言っていますが、一曲を集中して聴くというだけのことです。

もちろん楽しみやリラックスのため, 新曲のチェック, 新しいアーティストのチェックなどに電車の中で音楽を聴いたりするのは問題ありません。

僕も今でも行います。

ただ、より楽曲のクオリティを高めたい時や、制作のためのアイデアが欲しい時には、アクティブリスニングがとても効果的です。

 

もし過去の僕と同じように制作に行き詰まっている人がいるなら、一度ゆっくり音楽を聴いて分析する時間をつくってみてください

必要ならリスニングの際にメモをとって、情報をまとめてみましょう。

何か新しい発見や、制作に役立つアイデアが出てくるかもしれませんよ😌

 

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この記事の著者

Isseyのアバター Issey 作曲家、音響エンジニア

23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?