
今日は、DTMを始めようとしている方に向けて、音楽制作をイチから始める方法を解説していきます。
音楽制作を始めるにあたって気になるのは、おもに以下の3つではないでしょうか。
・機材やソフトはどうやって選べば良いの? – 機材
・DTMの勉強はどうすれば効率的? – 知識
・曲をリリースするにはどうすればいいの? – リリース
世の中にはたくさんの音楽制作ソフトや制作機材があり、その中からクオリティの高いものや信頼できるものを見つけるのは簡単ではありません。
今回の記事では、プロクオリティの音楽を制作するために本当におすすめできる機材やソフトをまとめました。
また、どうやってDTMの知識を身につけていけばいいのか, どうすれば憧れのレーベルと契約したりリリースすることができるのかという情報も、音楽制作を始める段階で意識できればその後の成長速度が圧倒的に変わってくるので、合わせてご紹介することにしました。
僕自身は5年前に全くの素人からDTMを始めて、海外レーベルからリリースした経験があります。
仕事は東京の大型クラブで音響をしていて、世界の一流プロデューサーがどんな機材を使っているのか聞いたり間近で見たりしてきました。
その辺りの情報も交えつつ、この記事を書いていきます。
本記事はDTM初心者の中でも、特にダンスミュージックを作ろうと思っている方におすすめです。
音楽制作といっても、僕が作っている。音楽がバンドや生音系ではなく、ダンスミュージックですので、機材やソフトの情報などもその辺りに絞って紹介していきます。
それでは、早速みていきましょう。
DTMの始め方【ハードウェア編】
【スピーカー】ダンスミュージックにおすすめのスピーカーとは
ダンスミュージックは低音が非常に重要なので、なるべく低い周波数まで再生できるスピーカーを選びましょう。
2017年発売の「Focal Shape 65」なら、40Hzというかなりの低域まで再生できます。
FOCAL ( フォーカル ) / Shape 65 モニタースピーカー
低域に加えてフラットで明瞭度が高い中高域もあわせ持っているので、ダンスミュージック以外の音楽を作る方にも非常におすすめのスピーカーです。
Focal Shapeシリーズの特徴は、どの音量でも自然でフラットな鳴りを実現しているというところ。
例えば音が出せない夜中など、小音量でのリスニングを余儀なくされてもバランスのとれた音でモニターすることができます。
「Shape 65」に関する詳しい情報やレビューは、こちらの記事をご覧ください。
・【大定番】「Focal Shape 65」は、なぜダンスミュージックを作る人におすすめのモニタースピーカーなのか
予算が限られている, もしくは部屋が小さいという方には、最近人気の「iLoud Micro Monitor」を検討してみましょう。
こちらなら、3万円台で購入することができます。
IK MULTIMEDIA ( アイケーマルチメディア ) / iLoud Micro Monitor コンパクト・リファレンス・モニター
【ヘッドフォン】ヘッドフォンは音楽制作の要
実はスピーカー選びより、ヘッドフォン選びの方が重要です。
予算の関係でスピーカーは安いものを使うとしても、ヘッドフォンは良いものを購入しましょう。
おすすめは、「PHONON SMB-02」です。
PHONONはあまり聞き慣れないメーカーかもしれませんが、海外のエンジニアやプロデューサーにも愛用者も多い、日本製のスタジオ用モニターヘッドフォンです。
ヘッドフォンのクオリティーは、最終的な曲の仕上がりにかなり影響します。
制作段階で細かい部分まで正確にモニターできていれば、カーオーディオ, クラブ, iPhoneのイヤホンなど、どの環境で再生しても狙い通りの音で鳴ってくれます。
特に超低域の再生が素晴らしく、安価なヘッドフォンでは聴こえないような周波数帯がリアルに感じ取れますよ。
【オーディオインターフェイス】初心者にオーディオインターフェイスは必要か
オーディオインターフェイスの役割は、主に2つあります。
・楽器や声を録音する
・スピーカーやヘッドフォンの音質を決める
制作環境での音質を左右する重要な機材ですが、最初は必ずしも必要なわけではありません。
パソコンのヘッドフォン端子から音を出したり、アナログシンセやマイクによる録音をしないという方はあまり重要性を感じないかもしれませんが、スピーカーやヘッドフォンの性能を最大限に発揮するためにぜひ揃えておきたい機材です。
中田ヤスタカなどプロの愛用者も多い「Apollo Twin MKⅡ
UNIVERSAL AUDIO ( ユニバーサルオーディオ ) / APOLLO TWIN MKII DUO オーディオインターフェイス
同価格帯の人気機種「Babyface Pro」と比較した記事は、こちらから。
・【UAD歴5年】「Apollo Twin MKⅡ」は10万円で買える最強のオーディオインターフェースか。ライバル機「Babyface Pro」と実際に比較してみた
予算が限られているなら、まずは1万円台のものでも十分です。
さすがに音質は高価格帯のものには及びませんが、パソコンから直接音を出すよりははるかに良く、たいていはいくつかのマイクやシンセなどの音も入力することができます。
「Focusrite」などの有名メーカーから選んでみると良いでしょう。
FOCUSRITE ( フォーカスライト ) / Scarlett 2i2 G2 オーディオインターフェイス
【MIDIキーボード】MIDIキーボードは効率よい音楽制作に必須
MIDIキーボードは必ずしも必要な機材ではありませんが、あるとかなり便利で制作スピードが圧倒的に変わります。
ソフトシンセやサンプラーなどの音を確認したり、キーボードで打ち込みをしたい時に使うことが多いですね。
一番おすすめしたいのは、Native Instrumentsからでている「Komplete Kontrol シリーズ」。
・【レビュー】「Komplete Kontrol Sシリーズ」は音楽理論を不要にする最強のMIDIキーボードだった
詳細はこちらの記事にまとめていますが、タイトルの通り曲作りに必要不可欠な「音楽理論」を不要にする画期的なMIDIキーボードです。
さらにソフトシンセを多用する方なら、Native Instruments独自の「NKS規格」によって作業スピードが格段に早くなることでしょう。
いろんなMIDIキーボードを比較してから購入したい方は、こちらの記事にMIDIキーボードの選び方や7つのおすすめMIDIキーボードをまとめていますので、ご覧ください。
・【2019年版】DTMにおすすめMIDIキーボード7選。それぞれの特徴や使い方を徹底解説
MIDIキーボードは安いものなら数千円程度で購入できるので、効率よく打ち込みをするなら一つ持っておいても良いでしょう。
5,000円以下なら、カフェなどでの作業もできる小ささでコスパも良い「KORG microKEY-25」がおすすめです。
KORG ( コルグ ) / microKEY-25 MIDIキーボード 25鍵
【機材選び】Equipboardを機材選びに活用しよう
プロのアーティストが、どんな機材を使って制作しているのか気になりますよね。
「Equipboard」というサイトを見れば、プロが使っている機材が一覧で確認できます。
どんな機材を選べばよいのかわからないという方は、自分の好きなアーティストが使っている機材をチェックしてみましょう。
そのアーティストが使っているシンセなどが載っていれば、大好きなあの曲で使われているサウンドが手に入るかもしれません。
DTMの始め方【ソフトウェア編】
【DAW】まずはDAWを選ぼう
DAW=デジタルオーディオワークステーション
DAWは音楽制作における作業机のようなもので、音を作ったり加工したりミックスしたりといった作業をDAWの中で行います。
有名なDAWは、いくつかあります。
・Logic Pro
・Ableton Live
・Cubase
・Studio One
・FL Studio
他にもDAWはたくさんありますが、個人の音楽制作で広く使われているのはこれくらいでしょう。
ちなみに「Pro Tools」は音楽スタジオの定番DAWですが、あまり個人で使っている人は見かけませんね。
この中でも「Ableton Live」は、ダンスミュージックを作ることに長けていて、一番のおすすめDAWです。
「Standard」と「Suite」がありますが、Suiteの方はサンプルが豊富に入っていたり便利なプラグインが数多く入っています。
どっちを買えばよいかわからないという方は、あとから上位版にアップグレードもできるのでとりあえず「Standard」を買えばOKです。
値段は他のDAWに比べて高めですが、クラブ系のプロデューサー の多くがこのAbleton Liveを使っているのは、他のDAWにはない直感的なインターフェイスのおかげでサクサク制作できてしまうからなのでしょう。
DJライブなら、ほぼ100%このAbleton Liveが使われています。
他にも音質面で優れている「Studio One」や、日本のプロデューサーに愛用者が多い「Cubase」, コスパ最強の「Logic Pro」などいろんな選択肢がありますが、迷ったらAbleton Liveを選べば間違いなしです。
【無料シンセ】無料シンセで制作を始めてみよう
シンセサイザーは「実機(ハード)」と「ソフト」の2種類があります。
最近はソフトシンセのクオリティーがかなり上がってきているので、まずはソフトシンセから始めればOKです。
有料のものがオススメですが、無料でもいくつか良いシンセがあります。
試しに無料のものを使ってみて、気に入ればそのメーカーから出ている有料シンセを買うという感じがおすすめですね。
次の記事では、無料シンセの中でもおすすめできるものを5つ紹介しています。
・【これなら使える】フリーなのに上質なVSTシンセサイザー5選
【有料シンセ】無料で満足できなくなったら有料シンセを購入しよう
プロでも、ソフトシンセのみで作曲しているアーティストはたくさんいます。
クオリティーの高いソフトシンセは値段もかかりますが、一度いいものを購入すれば長く使えます。
・【2019年版】プロも愛用するおすすめのソフトシンセサイザー8選。それぞれ独自の視点で紹介していく
まずは、どれかひとつ購入して使い倒しましょう。
初心者のうちはプリセットから音を選ぶのもよいですが、シンセの仕組みを理解して音作りができるようになると、作曲の幅がグッと広がりますよ。
ソフトシンセでシンセの仕組みをしっかり理解しておけば、アナログシンセを買ってもすぐに使いこなすことができるでしょう。
【MIDIシーケンサー】ピアノが弾けないならMIDIシーケンサーを活用しよう
ピアノが弾けず音楽理論が分からなくても、MIDIシーケンサーがあれば曲のアイデアが湧きやすくなります。
ランダムにパラメーターを動かして、気に入ったフレーズから曲を作ってみましょう。
MIDIシーケンサーはかなり多く出回っているので選ぶのが難しいかもしれませんが、例えばこちらの記事で紹介している「Cthulhu」は、コード生成機能もついていてシーケンサーも直感的に操作できるのでおすすめです。
・指一本でコード生成できるXferRecordsの『Cthulhu』はアルペジエーターとしても超優秀
「Ableton Live 10 Suite」ならMIDIシーケンサーも入っているので、複雑なメロディなんかも作りやすいですよ。
【サンプルパック】初心者はサンプルパックを使い倒そう
初心者のうちは、曲をイチから全部自分で作ろうとすると簡単に挫折してしまいます。
サンプルパックという著作選フリーの音源がたくさん入ったものが販売されているので、その音源から曲を組み立てていくとアイデアが出やすくなります。


プロでもサンプルパックを使用している人は多く、有名な曲に特徴的なサンプルがそのまま使われているということも意外と多くあります。
DTMの始め方【知識編】
【初心者】SleepFreaksで基本的なソフトの使い方を学ぼう
初心者は、まず「SleepFreaks」というサイトに行ってください。
DAWの操作を覚えるのに本を買う必要もありませんし、音楽理論やソフトシンセの使い方などDTMに関するあらゆるチュートリアルを無料で見ることができます。
何年か前まで日本語のDTM情報は限られていましたが、SleepFreaksがメディアに力を入れ出してから、ある程度の初心者が欲しい情報は簡単に手に入れられるようになりましたね。
【中級者】Kindle Unlimitedを利用してDTMを学ぼう
DTMのテクニックを学ぶ上では、本が結構使えます。
「Kindle Unlimited」なら、かなり多くの音楽関連本を取り扱っているので、数ヶ月ほど登録して一気に学習してしまいましょう。


読むのが速い方なら、無料期間中にすべて読みきってしまうかもしれないですね。
まずは30日無料体験を使って、どんな本があるのか見てみましょう。
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【上級者】さらなる知識は海外のYouTubeチャンネルで学ぼう
先ほど紹介した「SleepFreaks」は、主に初心者向けのチュートリアルです。
プロのエンジニアが使うミキシングのテクニックや、一流プロデューサーの制作方法などを学びたいなら海外のYouTubeチャンネルがオススメです。


やはり情報は、圧倒的に海外の方が多いですね。
ダンスミュージックなど海外向けに音楽を作っている方は、実際にワーホリなどを利用して世界の音楽シーンを体感してくるというのもオススメです。
僕もロンドンに一年間ワーホリで滞在して、「Point Blank Music School」という所に通っていました。


今は格安の留学エージェントが出てきているので、以前と比べてかなり安く留学できますよ。
DTMの始め方【リリース編】
【リミックスコンテスト】リミックスで制作の腕を磨こう
ある程度曲らしきものが作れるようになってきたら、海外のリミックスコンテストに参加してみましょう。
こちらでは、9つの海外リミックスコンテストサイトを紹介しています。
・【裏話あり】リリースのチャンスはリミックスコンテストで掴め!厳選海外サイト9選
リミックスコンテストはプロのアーティストが制作した曲をアレンジして、その腕を競うコンテストです。
勝ち抜けば賞金や機材がもらえたり、レーベルからのリリースもあります。
ステムと呼ばれるその曲のパートごとの音源が手に入るので、イチから制作するよりもハードルが低く、それを加工して自分の曲に使ったり有名な楽曲の構成を研究したりといった使い方もできますよ。
【海外リリース】曲が完成したら海外レーベルにデモを送ってみよう
自分のオリジナル曲が完成したら、レーベルにデモを送ってみましょう。
運がよければ、リリースまでこぎつけられます。


せっかくDTMを始めるなら、海外リリースも視野に入れて取り組んでみましょう。
ダンスミュージックなら数年間本気で取り組めば、努力次第で世界に出られる可能性もあります。
僕は23歳で音楽制作を始めて20代のうちに海外リリースができたので、夢のある世界ですよ\(^o^)/
【完全保存版】DTMの始め方。初心者がダンスミュージックの制作を始める方法をイチから解説する | まとめ
以上、イチからダンスミュージックの制作を始める方法をご紹介しました。
基本的なところを解説していきましたが、クオリティーの高い曲を完成させるための機材や細かいテクニックはまだまだたくさんあります。
今後の記事でその辺は順にご紹介していきますが、今日の記事だけでも熟読すれば自分でイチから情報を集めてDTMを始めるよりだいぶ楽にスタートダッシュが切れるはずです。
質問などあればコメント欄で受け付けます!
では、これからもよいDTMライフを。