ついに多機能MIDIキーボード、「Komplete Kontrol S49 MK2」を購入しました。
「きゃりーぱみゅぱみゅ」や「Perfume」のプロデューサーである「中田ヤスタカ」さんが愛用していることでも知られていますね。
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— 中田ヤスタカ (@YNOFFICIAL_) July 23, 2018
このMIDIキーボードのおかげで、音楽理論に詳しくない僕でも「民族風の特殊な音楽」や「ジャズっぽい雰囲気の音楽」などが簡単に作れるようになりました。
今日は、このKomplete Kontrolを実際に使ってみて感じた使い心地や、機能などについてレビューしていきます。
Komplete Kontrolは音楽理論を不要にするMIDIキーボード

Komplete Kontrolは、とても高性能なMIDIキーボードです。
このMIDIキーボードを買ってよかったと思える、5つのメリットを挙げてみます。
- キーボードの画面上で素早くプラグインや音色を検索できる
- Fatar社製のプロ品質のキーベッドを採用しているので、弾き心地が抜群
- アフタータッチを採用している
- 各鍵盤についているLEDが音階をガイドしてくれるので、音を外さない
- NKS規格でソフトシンセの使い心地が格段に上がる
その中でも特に素晴らしいのが、4番の各鍵盤についているLEDが音階をガイドしてくれる「スケール」機能です。
Komplete Kontrolなら「スケール」機能で「ジャズ風」や「アラビア風」などの作曲も自由自在

僕がKomplete Kontrolを購入した理由の9割は、この「スケール」機能にあります。
スケール(音階)というのは、日本だと「つけまつける」「上を向いて歩こう」「恋」など多くのヒット曲で使われている「ヨナ抜き音階」が有名ですね。
ヨナ抜き音階はあらゆる日本のヒット曲に使用されていて、日本人に親しみのある音の組み合わせを使うことで数々のヒット曲が生まれています。

ヨナ抜き音階ってすごいね。



スケール(音階)を使えば、初心者でも表現の幅を一気に広げることができるんじゃ。
音楽理論がさっぱりな僕は、このMIDIキーボードを購入するまでアラビアっぽい雰囲気を出したいときはアラビア音階を調べ、その音階に対応した鍵盤にシールを貼ったり、調べたページを見ながら鍵盤で演奏していました。
音階を使いこなせれば表現の幅は格段に広がりますが、何十種類もある音階をすべて覚えるのは、初心者にはハードルが高すぎます。
Komplete Kontrolの「スケール」機能を使えば、「この音階で演奏するにはどの鍵盤を弾けば良いか」を鍵盤上部のLEDが教えてくれるので、これによって音楽理論に詳しくなくても、あらゆる音階を使った楽曲制作ができるようになります。
Komplete Kontrolは、NKS対応ソフトシンセの音色を高速で検索できる


スケール機能以外にもKomplete Kontrolには、たくさんの優れた機能があります。
NKS対応製品であれば、直感的なワークフローで、思い描くサウンドを簡単に操作することが可能となります。
「NKS」というNative instruments独自の企画があり、その企画に対応しているソフトシンセならKomplete Kontrolのノブによってパラメーターをグリグリいじれたり、プリセットの音色を高速で検索できたりします。
3:40あたりから、シンセのプリセットをブラウズしていますね。
プリセットにカーソルをあわせた瞬間サンプル音が流れるので、高速で欲しい音にたどり着けます。
膨大なシンセのプリセットから音色を選びたいとき、いちいち鍵盤を押して音を出していると、トータルでかなり時間のロスになるんですよね。
Komplete Kontrolのブラウザ機能を使えば、パソコンの処理速度によるレイテンシーの影響をほぼ受けないので、大量のプリセットの中から音選びをしたい時にかなりの時短になります。
Komplete Kontrolの重厚な鍵盤タッチが音楽制作の意欲をかき立てる


Komplete Kontrol SシリーズのキーボードにはFatar社の製品が採用されており、安いMIDIキーボードと比べると鍵盤が重く、しっかりとした弾き心地があります。
弾き心地が演奏の質を決めます。フルウェイテッドのFatar社製キーボードで、思いのままに演奏をしてください。各キーには、Smart Springテクノロジーやメモリーフォーム・ダンピングなどの最先端のハンマーアクション技術が採用され、リアルなピアノの感覚を再現しています。
アフタータッチにも対応しているので、鍵盤を押した後にもう一段階深く押すことで、音の余韻にいろんな効果を与えることができます。
購入時、特に弾き心地の良さは求めていなかったのですが、一度使ってみると安いキーボードを使う際に「あれっ?」と違和感を感じてしまうほどの心地よさです。
ソフトシンセのノブが、まるでアナログシンセのように扱える快感


ソフトシンセのノブやフェーダーを、MIDIキーボードやMIDIコントローラーにアサインしてコントロールしている方もいるかと思いますが、Komplete KontrolではNKSに対応しているソフトシンセの主要パラメーターなら初めからノブにアサインされているので、ソフトシンセをアナログシンセのようにグリグリ弄れます。
特にオートメーションを手書きしたい、ノブで直感的に素早く音作りをしたいという場合は、物理ノブがかなり役に立つでしょう。
現在販売されているKomplete Kontrolシリーズは全部で3種類


- Komplete Kontrol「Aシリーズ」25, 49, 61鍵
- Komplete Kontrol「Mシリーズ」32鍵
- Komplete Kontrol「Sシリーズ」49, 61, 88鍵
AシリーズとMシリーズは、どちらもSシリーズの廉価版です。
画面やピッチホイールなどの機能を廃止したり簡略化することで、価格を安く抑えています。
鍵盤上部のLED機能は「Sシリーズ」にしか付いていませんし、鍵盤も「Sシリーズ」以外は、アフタータッチ付きのFatar社製のものではなくNI独自開発のものです。
なのでAシリーズやMシリーズの方が気になるという方は、他のメーカーのMIDIキーボードを探しても良いかもしれません。
【レビュー】「Komplete Kontrol」は音楽理論を不要にする最強のMIDIキーボードだった | まとめ


Komplete Kontrolは49鍵でも6万円超えの高級MIDIキーボードなので、他の製品と比べてもかなり値段は高いですが、値段分の価値は十分にあります。
音階の設定など似たようなことはAbleton Pushなどでも可能ですが、PushはAbleton以外のDAWでは使えないし、LEDによって音階をガイドしてくれるという便利なMIDIキーボードは他に見当たりません。
なので、とにかく音階を利用した作曲や音楽制作のスムーズなワークフローを構築したいという方は、Komplete Kontrolを購入することをおすすめします。
多くの時間や労力を節約することで、今よりもっと音楽制作に集中できる環境を整えていきましょう。