今回は、Bluetooth対応のMIDIキーボードについて解説していきます。
最近Bluetoothを使ったイヤホンやスピーカーが主流になってきましたが、音楽制作の現場ではいまだ有線の機器が使われていることがほとんどです。




こちらのMIDIキーボードをまとめた記事【2019年版】DTMにおすすめMIDIキーボード7選。それぞれの特徴や使い方を徹底解説でもそのほとんどが有線のものですが、最近のBluetooth対応MIDIキーボードはかなり優秀で、普通に使っていても遅延がほとんど気にならないレベルにまできています。
iPhoneやiPadを使った音楽制作がかなりの広がりを見せているので、Bluetoothが使えるMIDIキーボードがあれば「iPad」+「MIDIキーボード」のみの快適な制作環境ができてしまいます。
Bluetooth対応のMIDIキーボードはまだ多くの製品が市場に出回っているわけではありませんが、その中でもおすすめ製品やメリット, デメリットなどをみていきましょう。
Bluetooth対応MIDIキーボードとは
そもそも「Bluetooth」とは、いったい何なのでしょう。
Bluetooth(ブルートゥース、ブルーツース)は、デジタル機器用の近距離無線通信規格の1つである。数mから数十m程度の距離の情報機器間で、電波を使い簡易な情報のやりとりを行うのに使用される。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
要は今までケーブルを繋いでやりとりしていた音楽や写真などを転送したり、イヤホンやスピーカーにつないで音を出したりといったことが、ケーブルなしでもできるようになったということです。



確かに全ての機器がBluetoothで繋がれば、わずらわしいケーブルのぐちゃぐちゃも解決しますよね。
では、なぜ未だに音楽機器において有線接続が主流になっているのでしょうか。
それには、Bluetoothのメリットとデメリットを知る必要があります。
Bluetooth対応MIDIキーボードのメリットとデメリット
まずは、Bluetoothのメリットを挙げてみます。
・わずらわしいケーブル問題から開放される
・持ち運びに便利で気軽に外出先に持っていける
・機器同士がある程度はなれていても接続できる
ケーブルがないというのは、想像以上に快適です。
絡まったり断線の心配もなくなりますし、ケーブルの長さによって機器の置き場所が縛られるといったこともありません。
これによって思い立ったときにすぐ音楽制作を始められるという、心理的なメリットもあります。
一方、デメリットは以下の通りです。
・稀に接続のトラブルがある
・音が劣化する(音声データを取り扱う場合)
・電源やバッテリーが必要
性能の悪いものは接続トラブルによって、音が途切れたり接続自体なかなかできなかったりというトラブルがあります。
ただ最近は技術も向上してきているので、ちゃんとした品質のものを選べば、接続の問題はほぼ気にならないでしょう。
音質に関しても同様で、Bluetoothで繋いだ機器の音質があまり良くないというのは過去の話になりつつあります。
Bluetooth対応MIDIキーボードの遅延(レイテンシー)は気になる?
スピーカーやイヤホンで音楽を聴く分にはレイテンシーの問題は気にならないでしょうが、音楽制作の場合はリズムが大切なので、鍵盤を叩いてすぐに反応して音が鳴ってくれないと困りますよね。
Bluetooth対応MIIDキーボードのレイテンシーは、接続の相性などにもよりますが最近のMIDIキーボードならほとんど気にならないレベルです。
さまざまな和音を高速で鳴らしたりすると、取り扱うデータ量が増えてしまうため若干の遅れは出てくるかもしれません。
もしレイテンシーや接続の問題は絶対に避けたいという方は、有線のMIDIキーボードを選びましょう。
Bluetooth対応MIDIキーボードを使うと音質が悪くなる?
音質は悪くなりません。
先ほどBluetoothだと音質が悪くなると書きましたが、それは音を取り扱う場合のみです。
MIDIキーボードはどの鍵盤がどのくらいの強さで叩かれたかといった情報をやりとりするためのもので、直接音声データを取り扱うわけではありません。
なので、音質に関してはどのMIDIキーボードを選んだとしても気にすることはありません。
おすすめのBluetooth対応MIDIキーボードKORG「microKEY2 AIR」
現在、市場に出回っているBluetooth対応MIDIキーボードはそれほど多くありませんが、その中でも「価格」「機能性」ともにもっとも優れているのは、この製品でしょう。
今もっともメジャーなBluetooth対応MIDIキーボード、KORG「microKEY2 AIR」です。
Amazonの「MIDIコントローラー」売れ筋ランキングでも1位をとっていて(2019年10月現在)、鍵盤は「25, 37, 49, 61」の4種類があります。
持ち運びするなら25鍵がおすすめです。
価格も5,000円ほどなので、気軽に購入することができますね。
電池がなくなったときでもケーブル1本でiPadなどと接続して使用することができますし、レイテンシーなどが気になる場合はUSBケーブルで有線接続することもできます。
いくつかBluetooth対応MIDIキーボードは販売されていますが、ここまで安く最低限の機能が揃ったものはないので、迷った方はこちらを選べばまず間違いないでしょう。
無線接続できないキーボードをBluetooth対応させるヤマハ「UD-BT01」「MD-BT01」がすごい
Bluetooth対応MIDIキーボードを持っていないという方でも、こちらのアダプタを利用すれば自宅のキーボードをBluetoothに対応させることができます。
MIDI端子がついているキーボードなら「UD-BT01」を、USB端子がついているキーボードなら「MD-BT01」を選びましょう。
Wireless MIDI Adaptor MD-BT01 and UD-BT01
詳しい説明は、「DTMステーション」の藤巻健さんにおまかせしたいと思います。笑
各社のUSB/MIDIキーボードをBluetooth化するヤマハのUD-BT01、MD-BT01はDTM革命だ! – DTMステーション
【ケーブル不要】Bluetooth対応MIDIキーボードって実際どうなの?- 遅延や接続時の問題も解説 | まとめ
いかがでしたでしょうか。
まだ技術的に全ての人にBluetooth対応MIDIキーボードがおすすめできるわけではありませんが、iPadで制作していて制作環境をシンプルにしたいという方や、家では有線のMIDIキーボードを使っているけど外出の際にコンパクトなBluetooth対応のMIDIキーボードを探しているという方は、ぜひ検討してみてください。
これからの技術の進歩によって、Bluetooth対応MIDIキーボードの需要はもっと増えていくことでしょう。