今日は、EQプラグインの大本命Fabfilter「Pro-Q4」を紹介していきます。
・Fabfilter「Pro-Q4」- Plugin Boutique
直感的に操作できるデザイン性、かつマスタリングに使えるほど高性能な「Pro-Q4」は、初心者からプロにまでおすすめのEQプラグイン。
高機能なEQだとiZotope「Ozone」や、DMG Audio「EQUILIBRIUM」といった製品もありますが、個人的にはFabliter「Pro-Q4」がダントツで使いやすく一番のおすすめです。
どちらかというと中上級者〜プロ向けのプラグインな気もしますが、初心者がEQを理解する上で役立つ機能もたくさん含まれているので、DTMを始めたばかりの人にもぜひ試してもらいたいプラグインでもあります。
では、これからPro-Q4の「人気の秘密」や「何が優れているのか?」をじっくり見ていくことにしましょう。
Fabfilter「Pro-Q4」が最強のEQプラグインである5つの理由
いろんな魅力が詰まったPro-Q4ですが、主に5つのメリットにまとめることができます。
- 細かい設定まで追い込める
- アナライザー機能が豊富
- 直感的な操作性
- ミニマルで今っぽいデザイン
- マスタリングにも最適
これらを順番に見ていきましょう。
1. 細かい設定まで追い込める
Pro-Q4は、かなり細かい部分までEQ設定を追い込むことができます。
LRチャンネルで個別に処理できるのは当たり前で、「Mid/Side EQ」を使って音のモノラル部分やステレオ部分だけを別々に調整することまで可能(MS処理)。
デザイン的にも優れているので、1つの画面に「Midチャンネル」「Lチャンネル」「ステレオチャンネル」などが同時に表示されていても、どのEQがどのチャンネルにかかっているのかが一目瞭然です。
他にもPro-Q4なら、「フィルターの角度」をかなり細かく追い込むこともできます。
DAW付属のEQだと「48dB/oct」くらいまでしかカーブが選べませんが、Pro-Q3は「Brickwall」というかなり鋭い角度でフィルターをかけることもできます。
頻繁に使うわけではありませんが、細かい音作りをしたい人にとってはかなり役立つ機能でしょう。
2. アナライザー機能が豊富
Pro-Q4の最大の特徴でもある、豊富なアナライザー機能について見ていきましょう。
こういった音を視覚的に確認できる機能が、Pro-Q4を初心者にもおすすめしたい理由の1つでもあります。
マスキングされている周波数を調べる
これはiZotope「Neutron」やSonnox「Claro」にもある機能ですが、Pro-Q4でも同じことができます。
キックとベースで重なり過ぎている帯域を表示してくれたり、ボーカルとシンセの重なった帯域を表示してくれたりします。
これによって、例えば「ボーカルが前にでてこないな…」といった場面でも、プラグインを足してボーカルに厚みを出すのではなく、ボーカルのためにミックスのスペースを作ってあげるといった「引き算のミックス」が初心者でも簡単にできるようになるのです。
周波数のピーク表示
マウスを波形の部分に置いておくと、上の写真のように周波数のピーク部分を表示してくれます。
これによってどの帯域が出過ぎているのか一目でわかるので、素早くEQで処理を行うことができます。
3. 直感的な操作性
Pro-Q4では、EQしたい帯域をクリックしてドラッグするだけで、素早くEQポイントをつくることができます。
また、左端をダブルクリックすれば「ハイパスフィルター」、右側をダブルクリックすれば「ローパスフィルター」になるなど、使いやすさをかなり意識した設計になっているので無駄なストレスが一切ありません。
他にも・・・
- Cmdを押しながら上下にドラッグすると「Q幅の調整」
- Optionを押しながら上下にドラッグすることで「横移動を制限」
- 複数のEQポイントを選択して同時にコントロール
など、かゆいところに手が届く便利な機能が満載で、ユーザーが使いやすいよう工夫されているのがよくわかりますね。
4. ミニマルで今っぽいデザイン
Pro-Q4はデザインがとにかくミニマルで、EQポイントを指定しない限り、上の写真のようにパラメーターが一切表示されません。
そしてEQポイントが複数あっても、ごちゃごちゃしないよう最大限の工夫がなされているので、シンプルさを保ったまま複数のEQを操作することができます。
現代風のデザインに加えて、ぬるっと動くインターフェースの快適さも、使っていて気持ちの良いポイントですね。
5. マスタリングにも最適
Pro-Q4は細かい調整ができるので、ミキシングだけでなくマスタリングにも使うことができます。
ゲイン幅の調整
例えば、メイン画面の右上で「EQのゲイン幅」を設定することができます。
マスタリング時は「3dB」の幅でEQし、ミキシング時に音を積極的に加工する時などは「12dB」や「30dB」の幅でEQを行うといったように、状況に応じてゲイン幅を設定すると良いでしょう。
ダイナミックEQ
また「ダイナミックEQ」という機能を使えば、必要なタイミングでのみEQをかけることができます。
これはEQとコンプレッサーを掛け合わせたような機能なのですが、音のバランスを崩さずピンポイントでEQをかけたい時にかなり役立ちます。
Fabfilter「Pro-Q」のセール情報
Fabfilterはあまりセールを行っていないので、年2回ほどしかセールのチャンスはありません。
過去には、15周年記念として40%オフのセールを開催していることもありましたが、基本的には少ないです。
セール時期や毎年のブラックフライデーでは25%オフのセールを行っていることもあるので、気になった人はセール情報を欠かさずチェックしておきましょう。
Fabfilter「Pro-Q4」が最強のEQプラグインである5つの理由 | まとめ
ここまで、Fabfilter「Pro-Q4」のいろんなメリットを見てきましたが、このEQはどちらかというと「Surgical(外科的) EQ」と言って、ミックスの不要な部分や問題のある周波数を改善するためのEQです。
EQによって味付けをしたりブーストして色味を与えるなら、アナログEQやアナログモデリングEQを使う方が良いかもしれませんね。
とはいえ、もちろんPro-Q4はブースト用途でも使えますし、どんな場面でも使える万能なEQプラグインを1つ探しているという人にとっては最高のツールとなるでしょう。
気になった人は、ぜひ試してみてください。
・Fabfilter「Pro-Q4」- Plugin Boutique