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【名門】バークリー音楽大学ってどんなところ?著名な卒業生や偏差値, 学費を抑えて入学する方法とは

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音楽が好きで楽器の演奏やバンドなどをしている人なら一度は「バークリー音楽大学」という名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。

音楽、特にジャズで有名なアメリカのボストンにある大学で、毎年80人ほどの日本人が入学しています。

僕の知り合いにも何人かバークリー出身のアーティストがいるのですが、超有名アーティストのエンジニアとして活動していたり、アーティスト活動が世界的に評価されていたりとかなりの活躍をされています。

僕自身、バークリー音楽大学に行ったことはありませんが、この機会になんとなくしか知らなかったこの名門音楽大学についていろいろ調べてみました。

有名大学だけあって授業料もかなり高額ですが、費用を抑えて入学する方法などもいくつか見つかりました。

これから音楽留学をしたい人や、「世界で活躍するアーティストになりたい!」という人の参考になれば嬉しいです。

バークリー音楽大学の著名な卒業生は?

バークリーの公式ページによると、2019年までに125名の卒業生が295のグラミー賞を受賞しています。

2020年で創立50周年なので、単純計算すると1年で2~3人グラミー賞を受賞するほどの才能を持つ人物が在籍していることになります。

同期にそんな怪物がいると思うと、音楽へのモチベーションも全然違ってきますよね。

そんなバークリー音楽大学の著名な卒業生を見てみましょう。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

あなたの好きなアーティストはいるでしょうか?

次に、こちらは日本人の卒業生一覧です。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

日本なら上原ひろみさんやサックス奏者の渡辺貞夫さんが卒業生として有名ですね。

毎年80人ほどの日本人が卒業しているので、Wikipediaに載るほどではなくても音楽業界で活躍している人は他にもたくさんいると思います。(僕の周りをみてもビックリするぐらい活躍している人もいるので)

ではそんな刺激的なアーティストたちが多数在籍するバークリー音楽大学には、いったいどうやって入学すればよいのでしょう。

楽器の腕に自身がなかったり、楽譜さえ読めないという人でも入学できるのでしょうか?

バークリー音楽大学にはどうやって入学するの?試験の難易度や生徒のレベルは?

まずは「入学の方法」についてみていきましょう。

実はバークリ音楽大学の公式ページには、日本語の入学に関する情報が載っています。

Admissions Requirements – Japanese

このページにはオーディションや面接、関連書類の提出が必要であると書かれていますね。

オーディション

オーディションは次のパートで構成されており、約15分間行われます。

・各自が選択した曲
・ハーモニック即興伴奏、簡単な形式のブルース、またはスタンダードな旋律による即興
・初見演奏
・メロディ、ハーモニー、およびリズムの聴覚トレーニング

Admissions Requirements – Japanese

オーディションは世界中で行っているとのこと。

面接もありますが、聞かれる内容はほぼ決まっていて応募ページにも載っているので、こちらに関しては事前に対策しやすいでしょう。

海外の大学は「入学するより卒業する方が難しい」という話はよく耳にしますので、ある程度の音楽技術があることはもちろんですが、熱意があれば入学できる確率は日本より高いかもしれませんね。(楽譜に関しても、入試では簡単な音符が読めればOKだったという話もあります)

ソフトバンクの孫さんも中卒で英語が話せないのに、信じられないほどの熱意と行動によってアメリカの超名門カリフォルニア大学に入学していますから。(本にも載っているこの逸話はほんと好きです)

他には、英語に関する条件が載っていますね。

・TOEFL IBT – 72以上
・IELTS – 6以上

「TOEFL」や「IELTS」は、海外の大学入試で定番の英語試験です。

あくまで目安ですが、日本人に馴染みのある「英検」だと準1級程度、「TOIEC」だと700~800点程度です。

東大生でもTOEICの平均点は600点代後半なので、そもそも英語のレベルがそこまでないという人は語学に関しても努力する必要があるでしょう。

ただ公式ページにはこのようにあります。

第 1 言語が英語でない学位プログラムの出願者は、入学手続き時に TOEFL または IELTS のスコアを提出する必要があります。TOEFL IBT (インターネット版 TOEFL テスト) スコアは 72 以上、IELTS スコアは 6 以上であることが望ましいでしょう。

Admissions Requirements – Japanese

「望ましい」と表記してあるので英語のスキルは絶対ではありませんし、音楽のセンスが良ければ英語ができなくても大学側としては合格させたいはずです。

とはいえ、入学後も英語ができなければ与えられたチャンスすらものにできない可能性もありますし、数ヶ月間本気で取り組めば決して無謀なスコアではありませんので、海外の大学入試で必要なIELTSやTOEFLに特化したスクールなどで確実に英語力を伸ばすのが得策でしょう。

「いや、英語は気合いで乗り切る!」という人はそれでもOK。

音楽の技術をひたすら磨きましょう。

さてこのような試験をくぐり抜けて入学した学生は、はたして優秀なのでしょうか?

ちなみに、2019年のバークリー音楽大学の合格率は58%です。

いろんな情報をかき集めてみると、「かなりの数のグラミー賞受賞者がでるくらいだからトップクラスの人はもちろん優れているし全体的なレベルも高いけど、中にはあまり優秀でない人もわずかながらいる」といった感じですね。

まあいくら優秀な大学だといってもプロではなくアマチュアの集まりなので、プロ級のモンスターが大半を占めるというのは考えにくいでしょう。(稼げるなら大学に行かずプロとして働いてますよね)

最初の2年で入学時にいた学生の約4割が辞めてしまうようなので、金銭面の問題もあるかもしれませんが周りの優秀さに気が引けて辞めてしまう人なんかもいるのではないでしょうか。

バークリー音楽大学に留学するにはどのくらい学費が必要か? – 費用を抑える2つの方法

2018年から2019年にかけての学費は、$44,360なので1ドル110円で計算すると約490万円です。

参考: Cost of Attendance for 2019–2020 – Berklee

Anual(年次)なので、1年で490万円です。

ここに教科書代などが加わると$73,321(日本円で800万円ちょっと)になるので、4年間行ったらとんでもない金額になりますね…笑

「それくらいなら払えるよ」という人は問題ないですが、ただでさえ音楽にはお金がかかるので少しでも安く留学できる方がよいでしょう。

留学費を安くする方法を見つけたので、順にご紹介します。

奨学金制度を利用する

入学試験の「オーディション」と「面接」は自動的に奨学金制度の審査の対象になりますが、それ以外にも奨学金制度はあります。

バークリー音楽大学と提携している「神戸・甲陽音楽&ダンス専門学校」には独自の奨学金制度があり、この制度を使って2年の学費全額免除によって留学している人もいるようですね。

参考: 海外で学ぶ卒業生たち😆 – 神戸・甲陽音楽&ダンス専門学校

この学校はバークリー音楽大学への編入制度も設けているので、最初の2年で音楽の基礎を学び残り2年でバークリーへ編入するというカタチをとることができます。

神戸・甲陽音楽&ダンス専門学校は長年多くのアーティストをバークリー音楽大学に送り続けているそうなので、単身飛び込みで入学試験を行うよりもスムーズな入学が期待できますね。

短期サマープログラムを利用する

学費を安くする方法とは少し違いますが、これは7月~8月のおよそ1ヶ月間でバークリー音楽大学のエッセンスを体験することができるプログラムです。

参考: Berklee Summer Programs

サマープログラムもいろんなコースがあるので、自分の興味のあるものを探してみましょう。

例えば、サマープログラムのひとつ「Aspire Five-Week Music Performance Intensive」の学費は、$5,430(日本円でおよそ597,300円)です。

4年間の学費は決して安いものではないので、まずはこのようなサマースクールを体験してから入学を考えてみるのも良いかもしれませんね。

バークリー音楽大学の通信教育がある?日本から無料で授業を受ける方法

バークリー音楽大学は、オンラインのコースも充実しています。

参考: Berklee Online

オンラインなら、実際に大学に通うよりもかなり費用を抑えることができます。

実際、学位取得のコースなら1年で$33,120(日本円で約364万円)なので100万円以上学費は下がりますね。

さらにアメリカに住むよりも生活コストを下げることができるので、オンラインでの学位取得に興味がある人は検討してみましょう。

そしてバークリー音楽大学の授業は、実は無料でも受けることができるんです。

いま話題のMOOC(Massive Open Online Course)という自宅から世界中の大学の講義などを受けることができるサービスで、その中でも「Coursera」というプラットフォームを使ってバークリーの授業を無料で受けることができます。

参考: Berklee College of Music – Coursera

ゲイリー・バートンによる「ジャズの即興」から「音楽ビジネス」に関するものまで、現在40ほどの講義を無料で受けることができます。

バークリー音楽大学に興味はあるけど実際にどんな講義があるのか見てみたいという人は、ぜひこのサービスを使ってみてください。

スマホのアプリをダウンロードすれば、外出先でもバークリーの本格的な講義を楽しむことができますよ。

Coursera: Learn new skills
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無料
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【名門】バークリー音楽大学ってどんなところ?著名な卒業生や偏差値, 学費を抑えて入学する方法とは | まとめ

今回はバークリー音楽大学に関する日本語の情報に、古いものがあったりあまり書かれていなかったことがあったので、公式ページの最新情報や海外の情報をもとにまとめてみました。

バークリーは予想以上に学費が高くてビックリしましたが、卒業生のグラミー賞受賞者の数にも驚かされましたね。

実際に学生生活を送れば、音楽だけでなくさまざまな刺激を受けることは間違いないでしょう。

本文中でも述べたように中退者も多くてなかなか厳しい世界ですが、卒業生である上原ひろみさんや渡辺貞夫さんのように世界を股にかけて活躍したいという人にはぜひ挑戦してみて欲しい舞台でもあります。

「バークリー音楽大学についての情報を探していた」という方の参考に少しでもなれば嬉しいです。

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この記事の著者

Isseyのアバター Issey 作曲家、音響エンジニア

23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?