Softube「Bus Processor」パンチを損ねずグルーできるバスコンプ

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Softubeが、バスコンプをリリースしました。

Softubeは「Tube-Tech」や「Chandler Limited® Zener-Bender」といった、ビンテージ機材のエミュレーションを販売する人気プラグインメーカーですが、ついにバスコンプレッサーも登場しました。

Bus Processor – Softube

しかし、バスコンプといえば、真っ先に「SSL」の名前を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?

SSLを模したバスコンプも山ほど出ていて、使っているアーティストやエンジニアの方も多いことでしょう。

さらに最近、本家SSLが、破格の90%OFFセールをしているということもあって、みなさんそちらにすっかり気を取られていることかと思います。

もちろん、僕もSSLのバスコンプをはじめとするいくつかの製品を持っていますが、バスコンプ選びに迷っている方には、SSLではなく、今回紹介するSoftube「Bus Processor」をおすすめしたいと思います。

おすすめする理由はいくつかありますが、まずはとにかく「音が良い」です!

音が良い、なんて人によってさまざまなのですが、SSLとSoftubeを比較してみて感じたのは、

Softubeのバスコンプは、全体がグルーされて1つにまとまるのはもちろん、

「曲のパンチ感を損なわず、生き生きした音に仕上げることができる」

ということ。

SSLは、どちらかというと、もう少し全体をムチっとひとまとめにしてしまうイメージですね。

これは音の好みのよるところですが、楽曲のパンチ感を損ねたくないなら、Sotubeが非常に合っていると思います。

コンプレッサーセクション「Bus Processor」のデザインは、1980年代に登場したクラシックな大型コンソール用バスコンプレッサーを参考にしています。

今日に至るまで業界のトップに君臨するユニットです。

さらに、Bus Processorには3つのセクションが存在し、単なるバスコンプとしてではなく、サチュレーター、ステレオイメジャーとしても使うことができます。

サチュレーターは、「Tone Enhance」「Harmonic Enhance」という2つの回路を搭載していて、これらを使い分けることで、バスコンプでありながら異なるニュアンスを出すことができます。

また、Spatialセクションには、

  • AIR – MS処理によって高域をきらびやかに仕上げる
  • WIDTH – ステレオイメージを調整する
  • BASS MONO – 指定の帯域をモノラルにする

このような機能がついていて、通常のバスコンプ以上の処理が可能となっています。

と、機能については、特別難しいこともないので、これ以上の解説は必要ないかと思いますが・・・

ここからは、「バスコンプってどうやって使えばいいのかわからない!」という人向けに、マニュアルに記載されているワークフローをもとにサクっと解説していきます。

まずThresholdを調整し、数dBのゲインリダクションを得ます。パンチのある音にしたい場合は、Attackを遅く、Releaseを速くします。より掴み所のある透明感のあるサウンドにしたい場合は、レシオを低くし、ニーをソフトにします。コンプレッサーは、より滑らかな圧縮特性を必要とする場合、オートで速いアタックとリリースを使用しても輝きを放ちます。処理するオーディオのダイナミックプロファイルを意識してください。何を強化し、何をコントロールしようとしているのでしょうか?

ヒント: ゲインリダクションの量を制限するつもりであれば、Rangeパラメータを使用することができます。

https://www.softube.com/user-manuals/bus-processor

Attackを遅く、Releaseを速く、はよく見るバスコンプの設定だと思いますが、トランジェントを潰さず曲のニュアンスを最大限に残したいなら、まずはスローアタック・ファストリリースの設定からスタートすると良いでしょう。

曲によるところも大きいですが、ゲインリダクションは、1~3dBくらいを目安にしてみましょう。

Compressor Sidechainのフィルターを少し調整し、コンプレッショントーンがどのように変化するかを聞いてください。ローカットを500Hzまで上げ、トーンシフトをBassまで下げると、より効果的です。この組み合わせは、コンプレッサーがより低い中音域に反応するようになりますが、この2つのパラメーターだけでも十分なトーンのバリエーションがあります。また、Tone Shiftを時計回りに回し、Trebleを最大にするのも良い方法です。これは、アメリカのステレオバスコンプレッサーに見られる、有名なスラストコンプレッサーのトーンを得ることができます。

ヒント: ステレオトラックで、左右のチャンネルをダイナミックに独立させたい場合は、Stereo Linkをデュアルモノラルに設定します。このように設定されたコンプレッサーは、ゲインリダクションの量を少なくして使用することをお勧めします。そうしないと、左右のチャンネルバランスが極端に変化する事態が発生する可能性があります。フルリンクとデュアルモノのブレンドは、いつでも実験できることを忘れないでください。

https://www.softube.com/user-manuals/bus-processor

サイドチェーンフィルターは、コンプによって低域が過度に潰れてしまうのを防ぐための機能です。

ミックスバスにコンプを入れるなら、まずは80Hzあたりで設定し、曲によって微調整してみてください。

ステレオリンクは、デュアルモノラルにすることで左右のコンプにばらつきが出て、ステレオ感を高めることができます。

これは好みによるところですが、あまり不自然にならないよう、デュアルモノを使用するときはゲインリダクションを少なめにするのがおすすめです。

真ん中付近でサチュレーションを調整します。エンハンスボタンを使い、1つまたは両方が最適かどうかを評価します。ここでも、Tone Shiftを使用して、特性を形成します。Bassはより聴きやすいサチュレーションを与え、Trebleは高周波成分を滑らかにし、テープのような質感になります。Saturator Position(Pre-Comp)を試聴し、最も気に入ったものを選びます。大まかに説明すると、Sat.Preはヴィンテージ感のある音質であるのに対し、Sat.Posはよりモダンなサウンドです。

ヒント: ステレオイメージを少しコントロールする必要がありますか?このような場合は、Widthノブを下げることを忘れないでください。たいていの場合、AirとWidthを少し加えるだけで、マスタリンググレードの輝きと艶が加わります。

https://www.softube.com/user-manuals/bus-processor

サチュレーションは、かけすぎると音が崩壊してしまうので、薄く気持ち程度にかけてみましょう。

持ち上げる時に気がつかなくても、バイパスしていると、結構サチュレーションがかかってコンプ感のある音になっていたりするものです。

異なるセクションのオンとオフを試聴してください。ウェットとドライの信号を直接比較することで、ミックスを俯瞰することができるようになります。

これを何度か繰り返していると、これらのパラメータを好きな順番で調整できることに気づきます。Bus Processorの包括的な原則は、どのように使用する場合でも当てはまりますが、サブメニューに飛び込むことなく、必要なことを正確に行うのに十分なパラメーターセットで素晴らしいサウンドを得ることができるということです。

ヒント: CompressorとSaturatorの両方を使うもう一つの方法は、処理を誇張して、Dry/Wetパラメータを使用して、必要な効果をどれだけブレンドするかです。

https://www.softube.com/user-manuals/bus-processor

Dry/Wetを使用して、パラレルコンプ処理をすることができます。

最後の調整として、Dry/Wetをいじって、最適なコンプ感を決めてください。

まとめ

バスコンプも本当にいろんな種類のものが出ていますが、いくつか持っている人は、キャラクターに応じて曲ごとに使い分けてみると良いでしょう。

はじめてのバスコンプとして購入される方は、Softubeなので音に関しては間違いないですし、サチュレーターやステレオイメージャーなどの「ちょっと音をよくするエフェクト」がついているので、お得感もありますね。

ここ最近のバスコンプとしては、なかなか良い製品だと思います。

気になる方は、ぜひチェックしてみてください。

Softube「Bus Processor」- Plugin Boutique

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