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ラウドネスが計測できるメータープラグイン8選

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Issey
作曲家、音響エンジニア
23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?

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自分でマスタリングしたいから、ラウドネス(音圧)が計測できるメータープラグインが欲しいな…

今日の記事はこんな人におすすめです。

SpotifyやApple Musicなどのストリーミングが主流の現在、「とにかく音圧を上げまくる!」というひと昔前のマスタリングでは逆効果になってしまうことがあります。

CDで販売する、Spotifyでリリースする、iTunesでリリースする…

配信プラットフォームごとにラウドネス基準が違うので、自分でマスタリングをするならラウドネスはしっかり把握しておきたいですね。

この記事では、無料で使えるラウドメスメーターから有料のVSTプラグインまで、合計8つのメータープラグインを紹介していきます。

今回は「RMS」や「Peak」の測定だけでなく、現在主流のラウドネス規格「LUFS」にも対応したメーターを中心に見ていきますよ。

無料で使えるラウドネスメーター

まずは、無料で使えるラウドネスメーターを紹介します。

実はいくつかのDAWには、LUFSやRMSを測定できるメータープラグインが付属しているので、以下のDAWを使っている人は簡単なラウドネス測定なら無料で行うことができます。

  • Logic Pro
  • Studio One
  • Cubase

僕が把握しているのはこの3つだけですが、他にもラウドネスが測定できるDAWがあるかもしれません。

「自分の使っているDAWにラウドネスメーターが入っていないよ!」という人は、次に紹介するフリープラグインを使いましょう。

YOULEAN LOUDNESS METER 2 (無料版)

「Youlean Loudness Meter 2」は、無料で使えるラウドメスメーターです。

とりあえず「LUFSの測定だけできればOK」という人は、ぜひダウンロードしてみてください。

プロバージョンとして有料版もあるのですが、無料版との違いは・・・

  • ストリーミングサービスごとのプリセットが使える
  • ダイナミクスグラフが使える
  • 曲データをドラッグ&ドロップで簡単に測定
  • A/B測定
  • 測定データを画像ファイルとしてエクスポート

このような機能が使えるかどうかの違いです。

曲全体の平均的なLUFSを調べようとすると1曲まるごと再生しないといけないので、ドラッグ&ドロップで瞬時にラウドネスを測定できるのはとても便利ですね。

どの部分にラウドネスの問題があるのかを視覚的に判断できる「エクスポート機能」も、パートごとに細かくラウドネスを調整したいなら役に立つでしょう。

有料のラウドネスメーター7選

ここからは、7つの有料ラウドネスメータープラグインを紹介していきます。

有料版は、より細かいラウドネスの計測が可能です。

LEVELS | Mastering The Mix

LEVELS – Plugin Boutique

「LUFS」や「ピーク」はもちろん、「ステレオイメージ」,「ダイナミックレンジ」, アナログ変換の際に発生する「トゥルーピーク」なども簡単にチェックすることができます。

参考: インターサンプルピーク/トゥルーピークの復習をして、Ceiling設定について考える – SOUNDEUTEE.NET

LEVELSでは、設定から主要ストリーミングサービスごとのLUFSのプリセットを選べるので、配信プラットフォームに合わせた調整も可能です。

MasterCheck Pro | Nugen Audio

MasterCheck – Plugin Boutique

MasterCheck Proの特徴は、ラウドネスのターゲットとなるリファレンス曲を設定できること。

自分の好きな曲と現在ミックスしている曲を比較して、ラウドネスを調整することができます。

また、ストリーミング用プリセットを細かく調整できるのも特徴の1つ。

例えば「Spotifyのモバイル版で聴いた時の音」「Spotifyプレミアム(高音質バージョン)で聴いた時の音」などを再現してくれるので、

「ストリーミングの低音質で再生した時に、どの帯域が抜け落ちてどのように聴こえるのか」

を確認することもできます。

Insight 2 | iZotope

Insight 2 – Plugin Boutique

Insight 2は、とにかくグラフィックが素晴らしく、音の3Dマッピング機能にも搭載しています。

このインターフェース、見てるだけでテンション上がりませんか?

見た目だけではなく、基本的なラウドネスメーターとしての機能もしっかり備えていて・・・

「LUFSやトゥルーピークの測定」「ラウドネスの経過測定」「ステレオ感のチェック」「放送系プリセット」などにも対応しています。

「個人でマスタリングをするには少し高性能すぎるかな?」とも感じますが、値段もめちゃくちゃ高いわけではないので、気になる人はまずデモ版から試してみると良いでしょう。

WLM Plus Loudness Meter | WAVES

WLM Plus Loudness Meter – WAVES

WLM Plusは、基本的なラウドネスメーターとさほど機能は変わりません。

特徴といえばトゥルーピークの計測に加えて、プラグイン内でトゥルーピークへのリミッターがかけられるということくらいでしょうか。

あと、測定結果の書き出しに対応しているとか…

プリセットに関しては放送系のものがいくつかありますが、結構古いプラグインなのでSpotifyなどのストリーミング用プリセットには対応していないようですね。

Loudness Penalty(WEB版は無料)

Loudness Penalty – Plugin Boutique

Loudness Penaltyは、細かいラウドネスの測定には対応していませんが、YouTubeやiTunes, Spotifyなどのストリーミングで配信した場合、どのくらいラウドネスが調整されるのか(ラウドネスノーマライゼーション)を表示してくれます。

音圧の高いトラックにはラウドネスの調整が入り、かなり音が小さくなってしまうので、このプラグインであまりにもマイナス表示されるトラックは、リミッターやマキシマイザーの設定を緩めたりしてダイナミックレンジを確保した方が良いでしょう。

プラグインだけではなくWEB版もあり、こちらは無料で利用することができますよ。

Loudness Penalty – Web版

EXPOSE | Mastering The Mix

EXPOSE – Plugin Boutique

EXPOSEはリアルタイムで楽曲が測定できるわけではないので、オーディオファイルとして書き出してからラウドネスのチェックをする必要があります。

複数ファイルを同時に測定できたり、配信プラットフォームに合わせたラウドネスのチェックも可能です

「毎回オーディオを書き出す必要がある」というのはデメリットになるかもしれませんが、細かい測定結果が表示されるので、最終チェック用として使ってみると良いかもしれませんね。

ラウドネスが計測できるメータープラグイン8選 | まとめ

以上、8つのメータープラグインを紹介しました。

「MasterCheck Pro」や「Insight  2」などのハイスペックなものは、ぶっちゃけ個人ユーザーにはオーバースペックすぎるかもしれません・・・

無料でもかなり細かく測定ができる「YOULEAN LOUDNESS METER 2」や、Logic ProやStudio Oneを使っている人だとDAW付属のラウドネスメーターがあるので、ほとんどの人は無料版で事足りてしまうでしょう。

ただ、有料の製品は「設定項目の多さ」「プリセットの豊富さ」「測定結果の見やすさ」など優れている部分がたくさんあるので、「より細かく調整がしたい」「高性能のラウドネスメーターを使ってみたい」という人は、ぜひ今回の記事で紹介したラウドネスメーターを検討してみてください。

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アイデアの出し方から作曲、アートワーク制作に至るまで、音楽制作からリリースまでの一連の流れにAIをフル活用する方法を解説しています。

この記事の著者

Isseyのアバター Issey 作曲家、音響エンジニア

23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?