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「Tracklib」の使い方 – 昔の名盤をサンプリングできる新世代のサービス

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Issey
作曲家、音響エンジニア
23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?

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アイデアの出し方から作曲、アートワーク制作に至るまで、音楽制作からリリースまでの一連の流れにAIをフル活用する方法を解説しています。

今日は「Tracklib」という、新しいカタチのサンプリングサービスを紹介します。

Tracklib – 公式ページ

ここでの「サンプリング」とは、これまでリリースされた楽曲の一部を使って新しい楽曲を作ることです。

チャート入りしているアルバムの50%以上に、何かしらのサンプリングが使われている

そうで、今やヒップホップ、ダンスミュージック、ポップスといったさまざまなジャンルでサンプリングが使わています。

でも人の曲を使って作曲するなんて、著作権とか大丈夫なの?
アーティストに膨大なサンプリング音源集を提供しつつ、権利の問題もしっかり解決できるのがTracklibの魅力なんじゃよ。

膨大なサンプリング音源が使えるだけでなく、ややこしい権利関係の問題を簡単にクリアできるのが、この「Tracklab」の大きな魅力です。

それではさっそく、詳しい内容について見ていきましょう。

Tracklibとは?

「Tracklib」とはスウェーデン発のサンプリング専門サイトで、著作権フリーではなく「著作権フェア」というカタチで、サンプリングされたアーティストに収益を分配するためのサービスです。

Tracklibにある楽曲は全てサンプリング利用が可能で、中には有名アーティストの楽曲も多数あります。

利用者は、月額を支払うことで月に数曲〜数十曲をダウンロードすることができ、Tracklibを通して楽曲を登録すれば、トラックが売れたときにサンプリング元に収益をしっかり分配できるような仕組みになっています。

たまにアーティスト同士の訴訟に発展することもあるサンプリングの問題ですが、こういったサービスを使えば、そのような心配も一切なくなるというわけですね😌

次は、そんな便利なサービス「Tracklib」に登録する方法や、詳しい使い方について見ていきます。

Tracklibへの登録と解約方法

Tracklibは海外のサービスですが、数ステップで簡単に登録することができます。

1ヶ月のお試し期間もあるので、気になっている人はお試し期間中だけ登録してみましょう!

すぐに解約手続きをすれば、まったくお金はかかりませんよ。

Tracklibの登録方法

最初に、Tracklibへの登録方法を解説していきます。

まずは公式ページ(https://www.tracklib.com)にアクセスし、右上の「Sign up now」をクリックしましょう。

すると以下のような画面が現れるので、「Facebookを使った登録」「新規登録」を行います。

Facebookのアカウントがある人は「Sign up with facebook」から登録できますが、Facebookを使用しない場合は、

・メールアドレス

・パスワード

・好きなユーザー名

・国

この4つを入力すると、登録したアドレスにメールが届くので、リンクをクリックしてメールアドレスの承認作業を済ませてください。

 

次に、プランの選択を行います。

この画面では、プランを3種類の中から選ぶことができます。

「1ヶ月にダウンロードできるトラックの数」によって、月額料金が変わります。

無料お試し期間の場合、月に7曲をダウンロードすることができます。

ちなみに無料期間内に解約すれば、料金はまったくかからず、完全に無料でお試しすることができるので安心してください。

 

登録したいプランで「Select Plan」を押して、支払い方法の登録画面に移りましょう。

支払い方法は「Paypal」「クレジットカード」から好きなものを選び、以下のような画面になれば登録は完了です。

Tracklibの解約方法

次に、Tracklibの解約方法を解説します。

無料期間中に解約すれば、いっさい月額料金は発生せず、解約しても無料期間終了までは引き続きサービスを利用することができますよ。

 

まずは、管理ページ右上の丸いアイコンをクリックし、「Settings」に進みます。

 

次にページの真ん中あたりまでスクロールし、「Plan & Payment」の中の「Cancel your subscription」をクリックします。

ちょっと、わかりづらい場所にありますね。笑

 

クリックすると以下のような画面が表示されるので、解約理由を選び、「Cancel subscription」をクリックして解約手続きを済ませましょう。(解約理由は、適当なものを選んで大丈夫です。)

Tracklibの使い方

次は、Tracklibの使い方について紹介していきます。

まずは、トップ画面上部にある「Tracks」をクリックし、好みのトラックを探してみましょう。

左側のメニューからは、「ジャンル」や「アーティスト」「レーベル」などで絞って検索することもできますよ。

 

トラックはすべて試聴でき、ループ再生したり、「お気に入り」や「コレクション」として保存しておくことも可能です。

気に入った曲が見つかれば、右下の「Download」ボタンでトラックをダウンロードしてみましょう。

リリースにはライセンス取得が必要

Tracklibのトラックは、「A」「B」「C」という3つのカテゴリ分けがされています。

これらをサンプリングして新しい曲をリリースする際には、ライセンスを購入する必要があります。

・カテゴリA – 1500ドル

・カテゴリB – 500ドル

・カテゴリC – 50ドル

一度ライセンスを購入してしまえば、全世界で永続的に有効とのこと。

ちなみに、楽曲の90%以上は「カテゴリC」に属するようです。

分配額はトラックカテゴリやサンプルの長さに応じて変わる

リリース後は、売り上げの何割かがサンプル元に分配されるようになっていますが、先ほどの「A」「B」「C」というカテゴリに応じて分配する金額が変わってきます。

そして、1曲の中で「サンプルが使われている時間」によっても分配金は変わってくるのですが・・・

それを表にまとめたものがこちら。

ちなみに「SAMPLE LENGTH」というのは使用するサンプルの長さですが、2秒のサンプルを2分間ループしたとしても、SAMPLE LENGTHは2秒ということになります。

例えば、カテゴリBの曲を10秒だけ使用した場合、そのトラックの売り上げの10%を分配金として支払う必要があるということです。

このあたりの権利的なお話は、TracklibのCEOインタビュー記事に詳しく書かれていたので、気になった人はこちらの記事もあわせて読んでみると良いでしょう。

参考: 「Tracklib」CEO直伝!サービスを使ってサンプリング処理をするには (インタビュー後編) – SOUNDMAIN

「Tracklib」の使い方 – 昔の名盤をサンプリングできる新世代のサービス | まとめ

僕も実際に登録してみましたが、なかなかネットでは見つからないおもしろいサンプルがたくさんありました。

インスピレーションのタネにするには、かなり良いサービスだと思いますが、実際に利用するとなれば数千円〜数万円のライセンス料がかかるので、売れる見込みがなければ、このサービスを利用するのはなかなか難しいかもしれませんね・・・

著作権フリーのサンプルは「Loopmasters」などのサイトで購入することもできますが、Tracklibには実際に今までリリースされてきた楽曲がたくさんあるので、そういったクオリティの高い楽曲をサンプリングしたい人にはかなりおすすめです。

気になった人は、ぜひ一度チェックしてみてください😃

Tracklib – 公式ページ

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この記事の著者

Isseyのアバター Issey 作曲家、音響エンジニア

23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?