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オキシトシンを音楽制作に活用する

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Issey
作曲家、音響エンジニア
23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?

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AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?
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最近、イギリスの音楽情報誌「Sound On Sound」を見ていると、こんな文章が書かれていました。

My own approach to mixing involves using various tricks to make sure I’m not being deceived by my ears. For example, setting levels using your ears alone is often the most important part of a mix, so this is best done as soon after waking as possible. Your brain is more alert and less prone to anxiety, thanks to the presence of oxytocin, a hormone which is released in the morning. Your sleepy brain state can also be a creative asset

私自身のミックス作業では、耳に惑わされないように様々な工夫をしています。例えば、耳だけでレベルを設定することは、ミックスの中で最も重要な部分ですから、できるだけ起床後すぐに行うことをお勧めします。脳は、朝に分泌されるオキシトシンというホルモンのおかげで、注意力が高まり、不安を感じにくくなっています。眠っている脳の状態は、クリエイティブな仕事にも役立ちます。

Sound On Sound -2021年5月号

みなさんもオキシトシンという言葉を一度は耳にしたことがあるかと思いますが、上記の通り、オキシトシンは「集中力を高め、不安を和らげる脳内物質」です。

つまりオキシトシンの分泌を高めることで、「より作曲に集中でき、アイデアが沸きやすくなる」ということになりますね。

この記事では「オキシトシンの効果」や「オキシトシンの分泌を高める方法」を紹介するので、以下のような人はぜひ最後まで読んでみてください。

「もっと作曲に集中したい」

「想像力を高めて、もっと作曲アイデアを出したい」

「ミキシングやマスタリングの精度を高めたい」

それでは、まず「オキシトシンとは何か?」から見ていきましょう。

音楽制作におけるオキシトシンの役割

オキシトシンは「幸せホルモン」「愛情ホルモン」とも呼ばれていて、人や動物とのスキンシップによって分泌されるホルモンです。

もともとは母親が母乳を出すためのホルモンとして知られていましたが、女性だけではなく男性の脳もオキシトシンを分泌することができ、最近ではストレスの軽減や集中力の増加に影響する素晴らしいホルモンとして注目されていますね。

オキシトシンにはいろんな効果があるのですが、主に音楽制作に役立ちそうな効果を並べてみましょう。

・不安やストレスの軽減

・学習欲・記憶力・集中力の向上

・幸せな気分になる

このように不安やストレスの軽減によって脳のゴミを減らし、目の前のことに集中できる環境をつくるというのが、オキシトシンの大きな効果と言えます。

では、次にこのオキシトシンを分泌するための具体的な方法について紹介していきます。

オキシトシンを分泌するための5つの方法

オキシトシンが「愛情ホルモン」と呼ばれていることからもわかるように、恋人や配偶者とのスキンシップによって、より多くの分泌が期待できます。

ただ、中には「音楽が恋人だから彼女なんていねえよバカヤロー!」という人もいるかと思いますので、ここでは「誰にでもできる、オキシトシンを分泌するための5つの方法」を紹介していこうと思います。

「もっと音楽制作に集中したい」「不安やストレスで音楽制作どころではない」という人は、ぜひこれらの方法を試してみてください。

1. 人との食事や会話を楽しむ

オキシトシンは、他人に直接触れずとも、人との食事や会話を楽しむことでも分泌されます。

これは僕の実体験ですが、友人数人と楽しく朝まで飲み歩いた次の日、「音楽がスッと耳に入ってきて、目の前の音にとても集中できた」という経験があります。

なので、普段から積極的に人との交流を楽しんでいる人はオキシトシンがたっぷり分泌されていて、常に集中できる状態にあるのかもしれません。

2. 瞑想する

瞑想は、クリエイティビティを刺激するためのもっとも簡単なツールでしょう。

瞑想をするとストレスホルモンである「コルチゾール」が減り、幸せホルモンの「オキシトシン」が分泌されると言われています。

オキシトシンの分泌だけでなく、瞑想には「集中力の向上」「ストレス緩和」「抑うつ」「感情コントロール力の向上」などさまざまな効果があるので、アーティストは積極的に取り入れていきたい習慣ですね。

3. サプリメントを摂る

オキシトシンは、サプリメントや点鼻薬から摂取することも可能です。

いつでもどこでも気軽に摂取できるので、もっとも手軽にオキシトシンが摂れる方法と言えますね。

「人と会っている時間がない」「友達が少ない」という人は、こういったサプリメントに立ってみるのも良いかと思います。

4. 睡眠環境を整える

オキシトシンは朝起きた時にも分泌されるので、睡眠環境を整えて気持ちの良い朝を迎えることが大切です。

寝つきが悪いという人は、寝る前に「ストレッチする」「瞑想する」「メラトニンサプリを摂取する」「スマホのブルーライトを遮断する」といった方法で、睡眠の質を高める努力をしてみましょう。

5. アロマをつかう

アロマの香りは、オキシトシンの分泌をサポートしてくれます。

アロマスプレーやディフューザーなどを使って、自分の好きな香りを嗅いでみると良いでしょう。

「どんな香りが良いのか」「なぜアロマがオキシトシンの分泌に効くのか」が知りたい人は、こちらの研究「香りで幹細胞が元気になる – MENADO」が参考になるかもしれません。

オキシトシンを音楽制作に活用する | まとめ

音楽制作はクリエイティブな作業なので、根性や気合でアイデアが湧いてくるものでもありません。

普段からオキシトシンの分泌を意識して生活すれば、不安やストレスなく集中力が続く状態が維持され、いつでも最高の状態で音楽が作れるすばらしい環境が手に入るかもしれませんよ。

特に、「普段から集中できない」「常に不安やストレスをかかえて生活している」という人は、今日紹介したことを意識してみると音楽制作だけでなく生活の質も上がるかもしれないので、ぜひ試してみてください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました🙂

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アイデアの出し方から作曲、アートワーク制作に至るまで、音楽制作からリリースまでの一連の流れにAIをフル活用する方法を解説しています。

この記事の著者

Isseyのアバター Issey 作曲家、音響エンジニア

23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?