先日、金沢旅行に行ってきました。
金沢には「21世紀美術館」や「兼六園」など有名な観光地が多数ありますが、中でも「蓄音器館」という蓄音器を専門に取り扱う博物館がとても面白かったので、この記事で紹介していこうと思います。
参考: 金沢蓄音器館
この蓄音器館は、音楽好きの知人に紹介されて初めて知ったのですが、これが音楽好きだけでなく、歴史に興味がある人にとっても大変面白い観光スポットになっていて、館内スタッフみずからが「金沢でひそかに人気の隠れた観光名所」と豪語するほどの素晴らしい場所。
以下に当てはまる人には、きっと楽しんでもらえる場所だと思います。
・金沢のおもしろい観光名所を探している人
・レコードやオーディオに興味がある人
・音の仕事をしている人
・歴史や博物館が大好きな人
それではさっそく、蓄音器館の魅力について紹介していきましょう\(^o^)/
蓄音器とは?
そもそも蓄音器って何?という人も多いかと思いますが、こんな形の音楽プレイヤーを一度は見たことがあるのではないでしょうか?
館長「八日市屋さん」による蓄音器の解説
「蝋管」や「SPレコード」と呼ばれる、現代のLPレコードの原型のようなものに針を乗せて音を再生する装置なのですが、手でゼンマイを回すので、電気をまったく使わず完全手動で動きます。
電気式のアンプもついておらず、再生される音は、巨大なラッパを通して増幅させられるという仕組み。
かの有名な発明王「エジソン」が最初に発明したと言われていて、当時の人々は「記録された音」が再生されるのが信じられなかったようで、「きっとどこかに人が隠れているに違いない」と蓄音器の中を探っていたという微笑ましいエピソードもあるようです。笑
金沢「蓄音器館」の3つの魅力
蓄音器館にはたくさんの見所がありますが、ここでは3つの魅力をピックアップして紹介していきます。
1. エジソンの発明した蓄音器の本物が試聴できる
館内に並べられた膨大な数の蓄音器
エジソンが最初に発明したと言われる蓄音器ですが、ここ金沢の蓄音器館には、レプリカではなくエジソンが作った「本物の蓄音器」が展示されています。
さらに1日3回ある試聴タイムでは、その音色を聴くことまでできて、当時の人々が聴いていた音を実際に聴けるというのは、とても感慨深く忘れられない体験になるでしょう。
2. 館長の解説付きで、十数台の蓄音器の聴き比べが楽しめる
実際に試聴できる蓄音器の数々
ここでは、エジソンの蓄音器を含む十数台の蓄音器を試聴することができるのですが、館長の興味深い解説とともに、蓄音器の音色を楽しむことができます。
ちなみに、館長さんのお父さんはこの蓄音器館の創設者なのですが、当時、時代の流れとともに不要になってしまった蓄音器やSPレコードを、一般の人々から回収し回っていたそう。
「仕事もせず変なことをしているやつがいるぞ」と奇異な目で見られていたようですが、ある時、彼のとてつもないコレクションに「こんな貴重な歴史的資産を残してくれていたなんて!」と音楽業界がどよめいたそうです。
今となっては、偉大な仕事を成し遂げたヒーローですよね。
蓄音器館まで足を運べば、このような面白いお話を聴くこともできますよ。
3. 150台もの蓄音器や、さまざまな解説資料が観られる
ソニーの稲盛会長が所持していたイギリス製の蓄音器
3階まである広大なフロアに、ずらりと150台もの蓄音器が並べられていて、ビデオや資料で丁寧に解説されているので、音楽が好きな人でなくても、博物館としてかなり楽しむことができます。
実際、僕と一緒に行った彼女も、最初はかなりつまらなさそうな顔をしていたものの、「楽しい〜!」と言って、結局2時間近く館内を探索していましたね。笑
博物館や歴史が好きな人なら楽しめるので、デートで訪れるのも悪くないでしょう。
蓄音器館へのアクセス
蓄音器館は、有名な観光名所である「ひがし茶屋街」や「近江町市場」から歩いて行けるので、これらの観光地に行く予定があればスムーズに回ることができるでしょう。
実際僕も、
1. ひがし茶屋街
2. 蓄音器館
3. 近江町市場
という順に観光しましたが、バスを使わなくても十分歩ける距離なので、街並みを楽しみながら、これらの観光地を巡るのがおすすめです。
ちなみに蓄音器が試聴できる時間は決まっているので、あらかじめホームページで確認しておきましょう。
参考: ご利用案内 – 蓄音器館
金沢の「蓄音器館」は、音楽好きなら一度は訪れたい隠れた観光名所 | まとめ
蓄音器館ではエジソンが開発した「SPレコード」も試聴できるのですが、先ほど紹介した通り現在主流なのは、薄くて大量生産可能な「LPレコード」で、この開発者は実はエジソンではありません。
館長のお話によると、エジソンは「SPの方が音が良いんだ!!」とずっと主張していたそうですが、管理が簡単で大量生産可能なLPレコード普及の波には、さすがのエジソンも勝てなかったそう。
こんな話を聞いていると、「CD vs レコード」「ストリーミング業界 vs CD業界」のような現代の構図と重なり、「あぁ、いつの時代も同じような先人たちの執着やしがらみがあるんだな」とふと感じた金沢の夜でした。
さて、この「蓄音器館」くらいの膨大な蓄音器と、試聴を楽しめる場所は東京や大阪にもないそうなので、金沢に行った際はぜひ訪れてみてくださいね😃
今回の記事が、みなさんのお役に立てば嬉しいです。