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DTMにSSDを使うメリットと選び方のコツ

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音楽制作をしている人、特に「ソフトシンセ」や「サンプル」を多用する人は、データ保存用に「SSDドライブ」を使うことで、音源ライブラリやサンプルを高速で読み込むことができるようになります。

今日は、「外付けSSDの導入を検討している人」や、「新しくパソコンの購入を考えている人」に向けて、そのメリットや選び方のコツなどを解説していきます。

この記事でわかることは、以下の通り。

・なぜSSDがHDDよりすぐれているのか?

・SSDってどうやって選べばいいの?

・結局どんなSSDを買えばいいの?

HDD(ハードディスク)でも充分に音楽制作はできますが、値段が下がってきた今だからこそ、何かとメリットの多いSSDを検討してみるのも良いのではないでしょうか。

それではさっそく、詳しく見ていきましょう!

SSDを使う3つのメリット

音楽制作にSSDを使うメリットは、この3つです。

1. 読み込み速度が速い

2. 耐久性, 静音製にすぐれている

3. 寿命が長い

最近は、HDDではなく、SSDが内蔵されているパソコンも増えてきましたよね。

これらの魅力を理解すれば、きっとSSDが広まってきている理由も納得できるでしょう。

1. 読み込み速度が速い

まず、HDDからSSDに乗り換える一番の理由は、やはり圧倒的な「速度の速さ」です。

音楽制作は動画編集ほどパソコンに負担はかからないものの、「高品質な音源がたくさん入ったサンプル音源」「音質の良いソフトシンセ」などを使っていれば、パソコンの重さや作業の微妙な遅れにだんだんとストレスが溜まってくるもの・・・

SSDの種類にもよりますが、その速度はHDDと比べて数倍〜数十倍速いと言われています。

DAWやプラグインの動きが遅いなと感じているなら、SSDを検討する価値は十分にありますね。

2. 耐久性, 静音性にすぐれている

HDDは、回転板やアームなど物理的なパーツを使用して記録を行うため、どうしても耐久性に不安がありました。

ところがSSDは構造上、こういった可動パーツを使用せずに作られているので、丈夫で静音性にもすぐれているというわけです。

衝撃に強いので持ち運びにも便利だし、作業をしている時に「ウイーーーーン」という音がまったくしないのは、録音や細かなミキシングを行う際にもかなり役立ちますね。

3. 寿命が長い

「SSDは急に壊れる」というのはひと昔前の話で、現在のSSDは信頼できるメーカーのものを選べば、かなり長く使えるようになってきています。

HDDが3〜4年の寿命なのに対して、SSDは5年〜10年以上と言われており、さらに「Crystal Disk Info」などのフリーソフトを使うことでSSDの残り寿命を調べることもできるので、大事なデータがいきなり消えてしまうなんてことは稀なのです。

SSDは、HDDより値段が高いというデメリットがありますが、この寿命を考えればそれほど高い買い物ではないことが分かりますね。

SSDの選び方のコツ

さて、ここからは実際に「どうやってSSDを選べばよいのか?」ということについてお話します。

SSDにはいくつか種類があって、それによって転送速度も変わってきますし、「音楽制作にはどのくらいの容量が必要なのか?」というのも気になるところでしょう。

まずは、DTMに必要なSSD容量について見ていきます。

DTMに必要なSSD容量は何GB?

DTMにどのくらいの容量が必要なのかは、自分が使いたい音源によっても変わってきます。

有名な音源ライブラリをいくつか挙げてみると、こんな感じ。

・Kontakt 13 Komplete(総合音楽制作パッケージ) – 575GB

・Omnisphere 2(ソフトシンセ) – 64GB

・BFD 3(ドラム音源) – 155GB

「こんなに必要なの!?」と思ったかもしれませんが、これらは特別な例で、普通のソフトシンセなら1GB以下のものがほとんどです。

なので、外付けなら250〜500GBもあれば十分だと思いますが、今後このような大容量の音源ライブラリを購入する予定があるなら、1TBまたは2TBあっても良いかもしれませんね。

「SATA」と「NVMe」のどちらを選ぶべきか?

DTM用のSSDを購入するのに、ここまで踏み込む必要はあまりないかと思いますが、一応SSDには「SATA」と「NVMe」という2つの規格があることを知っておきましょう。

SATA接続の方は、安価で広く普及していますが、NVMe接続と比べると速度が少し遅いというデメリットもあります。

一方NVMe接続は、速度が速いものの高価で、発熱が多いため放熱の工夫をしないと壊れやすかったり、動作が不安定になるとも言われていますね。

「結局どっちを選べばいいの?」という話ですが、音楽制作にそこまでお金をかけて超高速のSSDを購入する必要はないので、そこまで気にする必要はないんじゃないかというのが個人的な意見です。(SSDの時点で、HDDより十分高速ですからね)

NVMe接続のSSDは、良いものだとかなり値段が高い上に、「実感としてはSATA接続とそこまで大差なかった」という意見もありますからね。

NVMeでもリーズナブルな製品はありますが、ここはお財布と相談して自分に合ったSSDを選ぶようにしましょう。

おすすめの外付けSSD

最後に1つ、リーズナブルで小型軽量な外付けSSDをご紹介しましょう。

こちらのSundiskの「Portable SSD」は小型で持ち運びに便利な上、500GBで1万円ちょっとで購入できる優れもの。

高価なSSDに比べて多少は性能が落ちますが、高速なNVMe接続も備えており、HDDよりもはるかに快適に音源ライブラリやサンプルを扱うことができるでしょう。

かなりコンパクトなので、音楽制作だけでなくDJで外に持ち運んだりする際も活躍してくれそうですね。

DTMにSSDを使うメリットと選び方のコツ | まとめ

ここまで見てきたようにSSDにはメリットがたくさんありますが、やはりHDDと比べると値段が高いので・・・

・パソコンのバックアップや古いファイルの保存ならHDDを使う

・音源ライブラリやサンプルの保存にはSSDを使う

というように使い分けをするのがおすすめです。

バックアップのように頻繁に書き換えを行わない作業なら、HDDでも十分長持ちするでしょうからね。

SSDとHDDの特性を理解して、快適なDTMライフを楽しみましょう。

この記事が、みなさんの参考になれば嬉しいです🙂

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この記事の著者

Isseyのアバター Issey 作曲家、音響エンジニア

23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?