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オーディオの大敵「フラッターエコー」の原因と対策

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Issey
作曲家、音響エンジニア
23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?

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フラッターエコーとは、ルームアコースティックが整えられていない部屋で起こる音響効果ですが、今日はこの原因と対策について解説していきます!

吸音材をしっかり貼っていれば問題ないですが、フラッターエコーが原因となりミキシングがしづらくなったり、録音の質が悪くなったりする可能性もあります。

自宅スタジオの音質アップを目指す人は、ぜひ参考にしてみてください🙂

フラッターエコーとは?

「フラッターエコー」とは、平行な2つの壁の間で起こる音の反射のことで、床や壁の硬い小さな部屋では、特にこのフラッターエコーの影響が出やすくなります。

僕の部屋は8畳ほどの小さな空間でして、吸音材をまったく貼らない状態で手を叩いたり舌打ちをすると「パアアアアン」とか「ビーーーーン」という反射音がします。

日光東照宮の「鳴き龍」と呼ばれる有名な現象も、フラッターエコーによるものだそうですね。

NIKKO・Toshogu 鳴き龍 The dragon barks. 

これは「床と天井に硬い木材を使っている」「天井の中央にへこみができている」といった、いくつかの条件がうまく重なることで起こっているようです。

フラッターエコーはなぜ良くないのか?

一般的なスタジオでは吸音処理がなされているのでフラッターエコーが問題になることはまずありませんが、音響的な処理が不十分な自宅のベッドルームスタジオだと、この現象が起こる可能性はあります。

これは手を叩いたりすることで簡単に確認することができ、音が止まったあともずっとこだまのような残響音が鳴り続けていれば、それがフラッターエコーです。

では、なぜフラッターエコーはオーディオに悪影響を与えるのでしょう?

フラッターエコーが良くない理由は、大きく分けて2つあります。

1. レコーディングの品質が下がる

2. リスニング時に音がぼやける

録音時にフラッターエコーが鳴っていると、楽器本来の音ではない余計な音まで録音されてしまったり、アタック感がぼやけてしまうことがあります。

リスニング時も同じように、スピーカーからは本来出ていない音が耳に入ることで、音像がぼやけて聴こえたり、ミキシングやマスタリングの精度を下げてしまいます。

フラッターエコーの対策方法

フラッターエコーは「硬くて」「平行な」壁の間で起こります。

なので手軽にできる対策として、床にカーペットを敷いたり、家具やベッドなどを置いて壁同士がなるべく平行にならないようにする、もしくは家具に音を吸音させると良いでしょう。

また「吸音材」や「調音パネル」を使うことでも、その原因を取り除くことができます。

Ali Expressなどで買えるような安い吸音材でも、反響の原因となっている場所にピンポイントで貼るだけでフラッターエコーは十分とれますが、せっかくなら良い吸音材を導入してクオリティの高いリスニング環境を構築するのも良いかもしれませんね。

いくつかおすすめの吸音材を紹介するので、この際、高品質な吸音材の購入を考えている人は参考にしてみてください。

1. Primacoustic

Primacousticは、海外サイトでよく取り上げられているメーカーです。

中でも部屋の大きさに合わせて、最適な吸音材とディフューザーをセット販売してくれる「Londonシリーズ」はおすすめ。

各周波数がどのくらい吸音されるのかを示す「吸収係数」もホームページに書かれていて、信頼できるメーカーの1つです。

London 10 – Primacoustic

2. Auralex

Auralex製品は、サウンドハウスでも多くの製品の取り扱いがある定番メーカーです。

壁に貼り付ける吸音材やベーストラップだけではなく、自立型のスタンドタイプの吸音材もあるので、アパートなどで壁を汚せない人はかなり重宝するでしょう。

Auralex製品一覧 – サウンドハウス

3. Vicoustic

ポルトガル発のVicousticは、スタイリッシュでデザイン性のある吸音材を取り揃えています。

カラーバリエーションも豊富なので、人とは違ったおしゃれなスタジオを作りたい人におすすめのメーカーです。

Vicoustic – サウンドハウス

オーディオの大敵「フラッターエコー」の原因と対策 | まとめ

自宅のベッドルームスタジオくらいなら、フラッターエコーをとることはさほど難しくありません。

ところが、フラッターエコーがないからといって吸音をしない部屋で音楽制作をしていると、曲のディテールが聴き取りづらかったり録音品質を下げることにもなりかねません。

それなりの精度で楽曲制作をしたいなら、ある程度の吸音はかならず行っておきたいところですね。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました🙂

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この記事の著者

Isseyのアバター Issey 作曲家、音響エンジニア

23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?