Arturia「Pigments 4」はSerumを超えるソフトシンセか?

今日は、アナログモデリングシンセを数多くリリースしているArturia(アートリア)から2022年にリリースされた、「Pigments 4」というソフトシンセを紹介します。(年々、進化し続けているPigmentsですが、2022年12月にPigments 4にアプデートされました)

「ソフトシンセはもうお腹いっぱいだよ〜」という人もPigments 4の魅力を知れば、その考えが変わるかもしれません。

それくらい素晴らしい音色のシンセで、特に幻想的なパッドやリードサウンドを探している人にぜひ使ってもらいたいシンセです。

Pigments 4 – Arturia

Pigments 4は、ウェーブテーブルシンセとしてXfer「Serum」と比較されることがよくありますが、そのへんの違いも詳しく見ていきます。

それではさっそく、Pigments 4の特徴から見ていきましょう!

目次

Arturia「Pigments 4」の特徴と導入のメリット

Arturia「Pigments 2」のメイン画面

こちらがPigments 4のメイン画面。

Pigmentsは「顔料」という意味ですが、その名のとおりカラフルでかわいらしいデザインですね。

直感的に音作りやルーティングができるよう、工夫されているのが分かります。

4つのシンセエンジンを搭載

上のメイン画面を見るとただの「ウェーブテーブルシンセ」に見えますが、実は、Pigments 4は4つのシンセエンジンを備えています。

  1. ウェーブテーブルシンセ
  2. バーチャル・アナログシンセ
  3. グラニュラーシンセ
  4. ハーモニックシンセ

ウェーブテーブルといえばEDMでもよく使われているように、激しく攻撃的なサウンドを得意としています。

先ほど紹介したXfer「Serum」というウェーブテーブルシンセは、主にEDMに特化したソフトシンセなのですが・・・

Pigments 4には「バーチャル・アナログシンセ」が加わることで、アナログっぽい暖かいサウンドも作れるというのが大きな魅力です。

サンプルを取り込んでグラニュラー合成することで、特殊な音作りができるのも魅力の1つ。

この4つのシンセエンジンが、1つのシンセにまとめて入っているというのは珍しく、かなり贅沢ぜいたくな作りになっていることが分かります。

プリセットは幻想的なものが多い

Pigments 4のプリセットを一通り使ってみましたが、かなりかたよりがある印象でした。

Pigments 4のプリセットは、「KEY」や「PAD」といった柔らかなサウンドが豊富で、このシンセを一言で表すなら「幻想的」という言葉がピッタリです。

もちろんEDM的なエレクトロな音も作れるのですが、プリセットにこういった柔らかい音が多いことから、Pigments 3がどのような方向性で作られているのかが分かります。

以下のデモ動画を観てください。

柔らかで、美しいプリセットが多いように感じませんか?

現在はPigments 4にバージョンアップしている

こういった音を作りたいなら、Pigments 4はとても強力な武器になってくれることでしょう

即戦力のプリセットが多いため、音作りが面倒だという人にもおすすめです。

ルーティングが直感的にできる

音作りのときに面倒なのが、ADSRやLFOを各パラメーターにかけたりする作業だと思います。

「どこをどうすれば音が変化するんだ???」という分かりにくいソフトシンセはたくさんありますが、Pigments 4はこのように視覚的に分かりやすいインターフェースを取り入れることで、音作りを直感的にできるよう工夫されていますね

Arturia「Pigments 2」のモジュレーション画面
初心者でも直感的に操作できるモジュレーション画面

Xfer「Serum」とも似ているのですが、アニメーショも豊富なので、音にどのような変化が加わっているのかを直感的に理解しやすいのも大きな特徴です。

初心者だけでなく、積極的に音作りをしたい中・上級者にも嬉しい機能でしょう。

Arturia「Pigments 4」- Plugin Boutique

Arturia「Pigments 4」とXfer「Serum」の違いとは?

Xfer Recordsから発売されている「Serum」は、Pigments 4と同じ「ウェーブテーブルシンセ」ですが・・・

Arturia「Pigments 4」とXfer「Serum」の大きな違いは、以下の通り。

  • Pigments 4は「アナログ寄り」、Serumは「EDM寄り」
  • Pigments 4は4つのシンセエンジンを搭載、Serumはウェーブテーブルシンセのみ
  • Pigments 4はシーケンサーやランダマイザーで多彩な音作りが可能
  • Serumは数々の名プロデューサーが使用している実績あり

Serumは数年前にかなり流行ったので、いろんなEDMプロデューサーが使用を公言しているとても信頼できるソフトシンセです。

あのDeadmau5も、Serumは初めてのソフトシンセにおすすめだと言っていますね。

Deadmau5」と、Serumの開発者「Steve Duda」

僕も過去記事でSerumを初心者に使ってみて欲しいと書いていますが、Pigments 4が発売されたことでその考えは変わりました。

参考: 初心者こそXfer「Serum」を使うべき3つの理由 – スタジオ翁

この記事ではインターフェースが直感的で使いやすいということから、Serumを初心者におすすめのシンセとして紹介していますが、実はPigments 4も同じくらい直感的で、ルーティングの流れがとても分かりやすい作りになっています

(直感的に操作できるという点では、Serumの方が若干有利かもしれませんが…)

機能もSerumより多いので、Pigments 4も間違いなく初心者におすすめできるシンセの1つです。

結局、わたしはPigments 4とSerumのどっちを選べば良いの?

自分の作りたい音に合わせて、どちらか選ぶと良いぞ。

先ほど紹介したように、Pigments 4はアナログライクな出音なので、柔らかで幻想的なサウンドを得意としています。 SerumはEDMに特化したシンセなので、EDM, エレクトロ, トランスなどを作りたい人におすすめです。

どちらも素晴らしいサウンドなので、このように自分がどんなジャンルの曲を作りたいのかで選ぶようにすると良いでしょう。

Arturia「Pigments 4」にデメリットはあるの?

正直なところ、これといって大きなデメリットは見当たりません。

操作性, 音作りのしやすさ, 音の良さなど、あらゆる面で他の名シンセに負けないくらい素晴らしいソフトシンセだと思います。

たまにネットでは「Pigments 4は重い」という意見も見かけます、僕はあまり気になリませんでした。

心配な人は、デモ版(Trial)をダウンロードして確かめてみると良いでしょう。

Arturia「Pigments 4」- Plugin Boutique

Arturia「Pigments 4」はこんな人におすすめ!

Pigments 4はズバリ、この曲の雰囲気が好きな人におすすめです。

これは「Christian Loffler」というアイスランドのプロデューサーの曲なのですが、メインメロディーにPigmentsが使われています

このことは、インタビューでも紹介されていますね。

I was experimenting with a new soft synth, Pigments, and found the bell sound you can hear playing within the main melody.

(新しいソフトシンセPigmentsを試していたら、ベルの音を見つけたんだ。これはメインメロディーで使っているよ。)

THE DIRECTOR’S CUT: CHRISTIAN LÖFFLER – LYS

まさに彼の楽曲は「Pigmentsっぽい」幻想的で美しいサウンドなので、これが好きならきっとあなたもPigmentsのサウンドを気に入るでしょう

Pigments 4にアップデートされて変わったこと

Pigments 4にアップデートされて大幅に変更された点はありませんが、いくつかの機能の追加によって、より使いやすく進化しています。

参考: What’s new in Pigments 4? – Arturia

アップデート内容は公式ページに譲りますが、僕が惹かれたのは、

  1. プレイモードの追加
  2. ドラッグ&ドロップによるモジュレーションコントロール
  3. 新しいプリセット

この3つです。

まず、プレイモードとは複雑なパラメーターを省略化して演奏に集中できるよう、画面の構成をシンプルにまとめたモードです。

パラメーターが省略されるプレイモード

使ってみるとわかりますが、パラメーターが目に付かなくなると本当に演奏に集中できるようになります。

真ん中に表示されているエンベロープやLFOの変化も、実用的というよりは視覚的に美しく仕上げられているので、見ていると制作意欲が湧いてきそうな見事な作りになっています。

次に、ドラッグ&ドロップによってLFOやエンベロープを簡単にアサイン&コントロールできるようになった点ですが、「これはなんで今までできなかったんだろう?」という感じです。

ドラッグ&ドロップで簡単にモジュレーションが設定できるようになったことにより、本当に使いやすくなりましたね。

この上ないシンプルな操作でモジュレーションをアサインできる

相変わらず音もめちゃくちゃ良いし、操作性まで上がってしまって、Pigmentsユーザーとしては嬉しい限りです。

バージョンアップによって選べるプリセットも増えて、さらに頼もしくなりました。

ちなみに新機能ではありませんが、Pigmentsはプラグイン内でプリセットストアにアクセスし、新しい有料プリセットを試奏できるというとても良い機能があります。

プラグイン内のプリセットストア

知らなかった人は、ぜひこちらもチェックしてみてください。

まとめ

Pigments 4とSerumはどちらも同じくらい良いシンセなので、どっちを選ぶかはみなさんの好み次第です。

ちなみに僕は、上で紹介したChristian Lofflerが大好きで、幻想的なパッドやリードサウンドに目が無いので、迷いなくPigments 4をおすすめします。

海外掲示板のGearslutzでは「Pigments 4の方がよりクリエイティブなことができる」という意見もありますが、これはランダマイザーやシーケンサーが搭載されているのが大きな理由だと思います

なのでPigments 4は、プリセットも洗練されていますが、積極的に音作りがしたいという人にもかなりおすすめのシンセです。

以上、次世代のハイブリッドシンセ「Pigments 4」についてレビューでした。

Arturia「Pigments 4」- Plugin Boutique

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