Soundtoys「SuperPlate」やっと来たプレートリバーブの大本命

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Soundtoysは本当に好きで、日頃からよく使っていますが、NAMMから公表されていた新しいプラグイン「SuperPlate」がついにリリースされました。

Soundtoys – SuperPlate

その名の通り、プレートリバーブのプラグインなのですが、Soundtoysには「Little Plate」という簡易的な製品しかなく、「Little」じゃないプレートリバーブが欲しいなと前からずっと思っていました。

ついに本格的なプレートリバーブが登場したわけですが、思っていたよりも使い勝手が良く音も気に入ったので、今回ご紹介させていただきます。

Soundtoysの製品はバンドルですべて持っているので、過去記事で他の製品のレビューもしています。

興味のある方は、こちらもぜひご覧ください。

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SuperPlateの特徴と、他のプレートリバーブとは違うところ

早速、SuperPlateの特徴を見ていきましょう。

柔軟に設定できるパラメーター、他のリバーブにはないような特殊な機能もついています。

5つのクラシックなプレート・リバーブを再現

プレートリバーブのプラグインといえば、EMT140などの特定のモデルのみを再現していることが多いですが、SuperPlateでは、5種類のクラシックなプレートの中から選ぶことができます。

5種類あることで、曲の雰囲気に合わせてリバーブの感じを指定できるので、とても便利です。

個人的には、ナチュラルな「Classic 140」や「Goldfoil 240」が好きですが、目立たせたい音には高域が強調されて明るくなる「Audicon」を、もっとクセのあるサウンドに仕上げたいなら「Stocktronics」か「E.Plate Ⅲ」を使うことが多いですね。

音の違いは、こちらの動画で確認できます。

以下に、それぞれのプレートの特徴も載せておくので、参考にしてみてください。

Classic 140

最も有名で、商業的に成功した最初のプレート・リバーブであるEMT 140(1957年)がベース。金属フレームに冷間圧延鋼板を吊り下げて作られたもので、伝説によると、その鋼材はウェールズのある鉱山のものでした。EMT 140は長年にわたりスタジオのスタンダードであり、プレート・リバーブについて語るとき、ほとんどの人が参考にするものです。

Goldfoil 240

EMT 140の後継機EMT 240(1970年)がベース。EMT 240は厳密にはプレートではなく、よりコンパクトでポータブルなリバーブを目指して設計された。スチール・プレートの代わりに24金の薄い箔を使用し、独特のダークでタイトなサウンドを作り出した。

Audicon

Audiconの “The Plate”(1971年頃)、別名 “Lawson Plate “がベース。ナッシュビルのジーン・ローソン(ローソン・マイクロフォン)によって、オリジナルのEMT 140を買えない人たちのために、より経済的なプレート・リバーブとして設計されました。テネシー州メンフィスのコンソール・メーカーAuditronicsによって製造されました。

E.Plate Ⅲ

ベースはエコプレートIII(1982年頃)。エコプレートIIIは、エコプレート・シリーズの3番目で最小のバージョン。3つのエコプレート・バージョンはすべてジム・カニンガムがデザインした。EcoPlateシリーズはステンレス合金を使用して残響を作り出し、3つのバージョンとも非常に明るく広がりのあるサウンドを持つ。

Stocktronics

ストックトロニクスのRX4000(1978年製)がベース。RX4000は、私たちが知っている唯一のスウェーデン製プレートで、「内部結晶減衰特性が低い」スチール合金プレートを使用しており、非常に特徴的な伸びのある高域特性を実現しています。

2つのアナログプリアンプで音のキャラクターを決められる

プリアンプは過度な色付けではなく、自然な形でキャラクターを変えてくれます。

プリアンプは、左の絵から「チューブ(真空管)」「ソリッドステート」「クリーンモード」となっています。

チューブは真空管らしい暖かみが出るので、あまり色付けをしたくないなら、クリーンモード(バイパスモード)かソリッドステートモードがおすすめ。

  • チューブ・モードは、初期のEMT 140プレートに使用されていたオリジナルのEMT V54プリアンプをモデルにしており、リバーブにかかる前にサウンドにハーモニックスパイスを加えることができます。
  • ソリッドステート・モードは、EMT 140の後のバージョンで使用されたEMT 162プリアンプをモデルにしています。このモデルにはコンプレッサーが内蔵されており、リバーブに入る途中のトランジェントをコントロールし、落ち着かせるのに役立ちます。
  • SuperPlateのクリーンモードは、全てのプリアンプ・モデリングを除去し、高調波歪みやダイナミクスを追加することなく、様々なプレート・モデルのピュアなサウンドを保持します。
https://www.soundtoys.com/product/superplate/

オートディケイでミックスを引き締める

このような機能は初めて見ましたが、オートディケイとは「あらかじめ設定したスレッショルドを超えると、ディケイタイムが指定の値まで下がる機能」です。

これの何が良いかというと、瞬間的に大きくなる音によってリバーブが過度にかかってしまい、それによってミックスがぼやけるのを防ぐことができます。

「RECOVERY」ノブを使って、ディケイが指定の値まで下がる時間を決めることもできるので、曲の雰囲気に合わせてこの辺りも調整が可能です。

SuperPlateは本当に必要か?

プレートリバーブは、WavesやUADといった大手メーカーからも出ていますが、いま僕がプレートリバーブをおすすめするなら、このSuperPlateを選びます。

個人的な話ですが、僕は以前まで、UADのEMT140というプレートリバーブをよく使っていました。

UADからはEMT140とEMT250というプレートリバーブのプラグインが出ていて、どちらもかなり高品質で使い勝手が良かったです。ですが、最近「DSPという機材を用意するのが面倒」という理由でUADから離れてしまっているため、EMT140は使っていませんでした。(UAD Sparkに登場したら使いたいです)

Wavesの品質は良いと思いますが、ライセンスが実質サブスクだったり、いろいろ面倒なので使っていません。

これ以外にもいくつかプラグインはありますが、一番使い勝手が良く、柔軟に音作りができるのはSuperPlateだと思います。ビンテージ機材を次々と現代に蘇らせるSoundtoysだからこそ、使い勝手も音質も良いプラグインができたのでしょう。

もし、他に好みのプレートリバーブを持っているなら、わざわざ購入する必要はありませんが、プレートリバーブを1つも持っていなくて、何か探している、またはこれを期に使ってみたいという人はSuperPlateを選ぶといいと思います。

まとめ

Soundtoysはリバーブプラグインをほとんど出していなかったので、SuperPlateが、Soundtoysの本格的なリバーブプラグイン第一号となります。

5つのプレートエミュレーションと、2つのプリアンプを駆使して、ドラム、ボーカル、シンセなどさまざまな楽器に使うことができるので、はじめてのリバーブプラグインとしてもおすすめできます。

Altiverbなどのコンボリューションリバーブにも、プレートのプリセットはいくつか入っていますが、コンボリューションは音は良いのですがディケイなどを細かくコントロールできないので、日頃から使うにはちょっとめんどくさいんですよね。

やはり使い勝手や音質を考えると、SuperPlateが最高です。

プレートリバーブの決定版を探していた!という人は、ぜひチェックしてみてください。

SuperPlate – Plugin Boutique

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