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【比較】Abletonユーザーから見た”Bitwig”の7つの魅力

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Issey
作曲家、音響エンジニア
23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?

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次世代DAW「Bitwig」が誕生してからずいぶん経ちましたね。

日々アップデートされ続け、さまざまな便利な機能が加わったことで、最近ではメインDAWとしても十分使えるクオリティにまで向上していると感じています。

Bitwig – 公式ページ

そんなBitwigをあらためてAbletonユーザーの僕が使い倒してみて、「Bitwigならではの機能とは?」「Ableton Liveよりも優れている点は?」「結局、AbletonかBitwigのどちらを使うべきなのか?」といったことをまとめてみました。

この記事は、こんな人におすすめです。

  • Ableton LiveかBitwigのどちらを選ぶべきか迷っている人
  • すでにAbleton Liveを使っているが、Bitwigへの乗り換えを検討している人

それではさっそく、Bitwigの魅力をみていきましょう🙂

Abletonユーザーから見た”Bitwig”の7つの魅力

Bitwigは、もともとAbletonに所属していたエンジニア達が独立して新たに作ったDAWなので、Ableton Liveと機能的にはかなり似ているのですが、Abletonにはない便利な機能もたくさん詰まっています。

ここでは、そんな便利な機能を7つに厳選してご紹介していきます。

1. 圧倒的に動作が速い

まずBitwigを使ってみて感じるのは、圧倒的な動作の軽さです。

Btiwigは後発DAWのため、長年積み重ねられてきた無駄なレガシーコードがなく、本当にサクサクと動きます。

僕は、スペックのあまり高くないPCを使っているので、Abletonだと立ち上げに時間がかかったり、プラグインの量が増えると動きがかなり遅くなることがあるのですが、Bitwigを使うことでストレスはかなり減りましたね。

2. ハードウェアとの連携に優れている

Bitwigは「Expert Sleepers ES-8」などのモジュールと連携して、モジュラーシンセをコントロールできることでも有名です。

参考: BITWIG ( ビットウィグ ) / ES-8 Bitwig Edition – サウンドハウス

以下の動画では、Bitwigに内蔵されているシーケンサーやモジュレーションを使って、モジュラーシンセを操っている様子を観ることができます。

そしてBitwigはモジュラーシンセだけではなくアナログシンセとの相性も良く、僕が実際に外部アナログシンセを録音して感じたのは、録音時の遅延がかなり少ないということ。

これはBitwigがもともと軽いDAWだからかもしれませんが、Abletonではアナログシンセのテンポが完全には同期しないので毎回手動でディレイをかけていたところを、Bitiwigはほぼ遅延なしで同期&再生してくれます。

アナログシンセを多用する人にとって、これはかなり嬉しいメリットでしょう。

3. タッチパネルに完全対応

Bitwigの魅力を100%引き出したいなら、タッチパネルに対応したPCを使いましょう。

以下の動画では、タッチパネルを使った楽曲のアレンジメントについて紹介されています。

Abletonはタッチパネルに対応していないため、タッチパネル対応PCで使用しても、カクカクと不自然な動きをしてしまいます・・・

ところがBitwigならタッチどころか、「マルチタッチ」と呼ばれる複数の指の動きに反応してくれる機能や、タッチの圧を感知してパラメーターをコントロールできる「筆圧感知」機能まで搭載されているので、作業スピードを格段にアップさせることができるというわけですね。

実際に、僕もWindows Surfaceを使ってBitwigの使い心地を試してみましたが、タッチの感度もよくかなりサクサク動かすことができました。

マルチタッチに対応したショートカットなどもあって、より効率的な作業ができるよう工夫されているのがわかります。

4. モジュレーションに強い

Bitwigには「ADSR」「LFO」など、音を変化させるためのモジュレーションツールが豊富に含まれています。

Aletonなら最上級バンドルの「Suite」にしか搭載されていない機能なので、ほぼ半額で変えるBitwigにこの機能が含まれているのは嬉しいですね。

このモジュレーションを使って外部のモジュラーシンセをコントロールしたり、内部シンセやサードパーティ製のVSTシンセのパラメーターをコントロールすることもできますよ。

5. プロジェクト全体がクラッシュすることがない

長年DTMをやっている人ならわかると思いますが、一般的なDAWは1つのプラグインが原因でプロジェクト全体が落ちてしまうことがあります。

原因がわからず、なかなかプロジェクトが元に戻らなかったり、保存していなかった部分のデータが失われてしまうこともあるので大変なんですよね・・・

同じような状況でも、Bitwigは原因となるプラグインだけが落ちて、プロジェクト全体は落ちないという、めちゃくちゃ便利な仕様になっています。

これは地味ですが、かなり重要な機能ですね。

6. プロジェクト間のデータの移動ができる

「プロジェクト間でオーディオやMIDIのデータを移動したいな〜」と思ったことはありませんか?

Bitwigなら、プロジェクトから別のプロジェクトにデータを移動させることができるので、例えば「今作っている曲に、以前作ったドラムパターンをまるごと使いたいな」といった時、この機能が役に立ちます。

あまり使わない機能かもしれませんが、僕も「プロジェクト間でデータが移動できたらな…」と過去に何度か感じたことがあるので、あると非常に便利な機能ですね。

7. オーディオ編集に強い

もともとLogic Proのユーザーだった僕は、「Abletonってオーディオ編集や録音に弱いよな〜」とずっと感じていました。

Live 11になって、やっと「テイク」の機能が追加されましたが、まだまだ追加してほしい機能はたくさんあります・・・

オーディオ編集に関してはBitwigの方が優れている部分が多く、AbletonにはないけどBitwigには搭載されている便利なオーディオ編集/録音機能として、「Punch In/Out」と「Bounce In Place」があります。

どちらもDAWに必須の機能ではないですが、あると助かる便利な機能です。

リアルタイムで演奏を録音する人や、MIDIをオーディオに即座に変換したいという人は重宝するでしょう。

AbletonユーザーはBitwigに乗り換えるべきなのか?

さて、ここまでBitwigのいろんなメリットを見てきましたが、Abeltonユーザーが乗り換えるほど価値のあるDAWなのでしょうか?

もしあなたがAbleton LiveもBitwigも持っていないというのなら、どちらを選んでも良い選択だとは思いますが、Ableton LiveからBitwigに乗り換えるとなるとちょっと話は難しくなります。

Abletonには、Bitwigにはない複雑な機能が山ほどあるので、その機能に使い慣れていたりAbletonにしかないエフェクトを使って普段から曲を作っているというのなら、それを捨ててまでBitwigに乗り換えるメリットはあまりないかもしれませんね。

逆に「Ableton Live Standard」までのバージョンを使っているという人なら、たいていのことはBitwigでも同じようなことができるので、上記のメリットが魅力的に感じたならBitwigへの乗り換えを検討してもよいでしょう。

正直、Bitwigは“Surface”や”ペンタブ”などのタッチパネルに対応しているというのが最大の魅力だと思うので、こういったデバイスを購入する予定のある人なら、Bitwigを使ってみることぜひおすすめします。

これからタッチパネルを使った音楽制作というのは、ますます主流になっていくでしょうからね。

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この記事の著者

Isseyのアバター Issey 作曲家、音響エンジニア

23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?