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コンパクトエフェクターをDTMに活用する方法

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「コンパクトエフェクター」とは、ギタリストがよく足下に大量のペダルを置いて、なにやら足先でカチカチいじっている「アレ」のことですね。

これは「ギターペダル」「ギターエフェクター」とも呼ばれ、ギターの音にリバーブやディストーションなどのエフェクト効果を与えるために使われます。

コンパクトエフェクター – サウンドハウス

もともとギタリストのために作られたコンパクトエフェクターですが、実はギターを弾かない人でも曲作りに活用することができるんです。

プラグインではなくコンパクトエフェクターを使うことによって、手元で直感的に音作りができたり、特殊なおもしろいエフェクトをかけることができ、音作りの幅がグッと広がったりします。

今日は、DAW内でコンパクトエフェクターを使うための方法や、オーディオインターフェースへのつなぎ方などを中心に紹介していきます。

「家にギターペダルが余っているので活用したい」

「リアルタイムでエフェクターをコントロールして音作りがしたい」

「ソフトシンセをアナログ機材に通して録音したい」

このような人は、ぜひ参考にしてみてください🙂

目次

オーディオインターフェースとのつなぎ方

この記事では、DAW内の音をコンパクトエフェクターに通してリバーブやディレイなどの処理をし、それを再びDAWに戻す方法を解説していきます。

図に描くと、こんな感じですね。

オーディオインターフェースからエフェクター、エフェクターからオーディオインターフェースという単純なつなぎなので、こんな解説を読むまでもなさそうですが、いくつか注意点があるので見ていきます。

まず、コンパクトエフェクターはギター用の機材であるため、そのままケーブルを挿してしまうと「インピーダンス(抵抗値)」が合わず、エフェクターの性能を最大限に発揮できなくなってしまいます。

なので、オーディオインターフェースは「Hi-Z」の機能がついたものを用意し、Hi-Zをオンにした状態でエフェクターからの信号を受けるようにしてください。

機材同士の「インピーダンス」が合っていないからといって、壊れたり音が出なくなることはないのですが、音痩せしたり音量が低くなってしまうというデメリットがあるので、なるべくHi-Z機能付きのオーディオインターフェースを選んだ方が良いです。(たいていのオーディオインターフェースにはこの機能がついています」

ここまでで最低限のつなぎはOKなのですが、実は「オーディオインターフェースからエフェクターへの送りの音」もインピーダンスをマッチさせる必要があります。

この作業は絶対に必要というわけではありませんが、インピーダンス整合のための「リアンプボックス」という機材を用意した方が、よりクオリティの高いサウンドを得ることができますよ。

つなぎ方は、このようになります。

リアンプボックス – サウンドハウス

リアンプボックスを入れることで、オーディオインターフェースからエフェクターへの信号のインピーダンスを合わせることができるので、これでロスなく音が伝わることになります。

まずはリアンプボックスなしで繋いでみて、「これからもコンパクトエフェクターを使って音作りをしたいな」ということになれば、音質向上のためにリアンプボックスを購入するという流れで良いかと思います。

DAW内の設定方法

次にDAWの設定方法ですが、僕がAbletonユーザーなので、ここではAbleton Liveを例に解説していきます。

まずはオーディオの入出力を、自分の持っているオーディオインターフェースに設定しましょう。

1. オーディオ入出力の設定

次に、コンパクトエフェクターを通したいチャンネルに「External Audio Effect」を挿入します。(Ableton以外でも「I/O」などの名前で同じような機能のプラグインがあります)

2. External Audio Effectを選択

「Audio To」には、オーディオインターフェースのアウトプットを、「Audio From」にはオーディオインターフェースのインプットを設定します。

音が小さい時は、オーディオインターフェースのプリアンプの音量を上げるか、External Audio Effect内の「Gain」で調整してみてください。

エフェクターへの送りが大きいと、歪んだ音がDAWに返ってきてしまうので注意です。

コンパクトエフェクターを活用しているアーティスト

最後に、コンパクトエフェクターをうまく活用して曲作りをしているアーティストを紹介しましょう。

前回の記事でも紹介しましたが、アンビエントアーティストの「Alaskan Tapes」です。

Making an ambient track (ep. 3) (Organelle, ORAC, Mood, DarkWorld, etc.)

彼は、一度プラグインで作った音を外部エフェクターに通すことで、より複雑な音をつくったり音に時間的な変化を与えたりしています。

ちなみに使っているエフェクターは、「CHASE BLISS AUDIO」の「MOOD(グラニュラーエフェクト)」と「DARK WORLD(リバーブ)」ですね。

CHASE BLISS AUDIO製品一覧 – サウンドハウス

アンビエントを作る人でなくても参考になるので、「どういう風にギターペダルを活用すればいいんだろう?」と考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

コンパクトエフェクターをDTMに活用する方法 | まとめ

僕はギターを弾かないので、コンパクトエフェクターには詳しくないのですが、先ほど紹介したMOODやDARK WORLDを実際に購入して試してみたところ、プラグインではなかなか作れないようなサウンドを簡単に作ることができました。

アナログ機材を通した音って適当に作っていても、どこか説得力のある「かっこいい」サウンドになるので、曲作りをしていてもすごく楽しいんですよね。

もちろんプラグインの方が自由度が高く、細かい音作りができるかと思いますが、コンパクトエフェクターは「リバーブ」「ディストーション」「ピッチシフト」など、特定の機能に特化しているので目的までのルートや考えることが減り、より直感的に音楽的に使うことができます。

これまでと違ったアプローチで曲作りがしたいという人にも、コンパクトエフェクターを使った曲作りはぜひおすすめしたいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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この記事の著者

Isseyのアバター Issey 作曲家、音響エンジニア

23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?

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