今回は、2020年10月に発売されたiZotope「Neoverb」の紹介です。
iZotopeはAIマスタリングの「Ozone」や、AIミキシングの「Neutron」でも有名なプラグインメーカーですが、ついにAI機能を搭載したリバーブが登場しました!
はじめは「AIがついてるリバーブってどういうこと?」と思いましたが、使っていくうちに色々わかってきたので、今回はそのメリットや特徴などについて紹介していきたいと思います。
iZotope「Neoverb」がAIリバーブと呼ばれる理由
まずは、Neoverbがなぜ「AIリバーブ」と呼ばれているのかを見ていきましょう。
Neoverbには「Reverb Assistant」という機能がついているのですが、これを使えばわずか数ステップでその音に合ったリバーブを作れる上、AIが原音を聴いて音のピークや濁っている帯域を取り除いてくれます。

他のAIプラグインと同じように、AIを使うことでEQなどの面倒なプロセスを省き、誰でも簡単に素早く理想的なリバーブが作れるというわけですね。
さらに「Neutron」など、他のiZotope製品と一緒に使うことで、他の楽器の帯域とリバーブ音の重なっている部分を、自動で取り除いてミックスをスッキリさせてくれる機能もあります。
つまり単なるリバーブというよりは、AIミキシングプラグインとしての要素も兼ねているのです。
iZotope「Neoverb」を使って感じた3つのメリット

Neoverbがいいプラグインだなと感じた理由は、全部で3つあります。
それぞれ順に見ていきましょう。
1. 素早く直感的にリバーブの設定ができる
リバーブは複数のパラメーターを調整しながら音作りしていく必要があるので、イメージ通りのリバーブ音を作るのってけっこう難しいんですよね。
ところがNeoverbには、先ほど紹介したReverb Assistant機能に加えて、直感的にリバーブの質感を微調整できるXYパッドがついているので、これによって簡単に2つの異なるリバーブを組み合わせたり、質感を調整できるようになっています。

2種類以上のリバーブを組み合わせるというのは、初心者にはなかなか難しいテクニックだと思いますが、この直感的なインターフェースがあれば、視覚的に各リバーブをブレンドすることができます。
2. AIアシストによる音質補正
リバーブのミキシングが難しいのにはいくつかの理由がありますが、
- リバーブが楽器のレゾナンスを強調してしまう
- 特定の帯域が増幅され、モワッとしたミックスになってしまう
といったことが挙げられます。
NeoverbのAIを使えば、このようなミックスが濁る原因となる帯域を、EQで自動補正してくれるので、難しいミキシングの技術なしでリバーブの抜けを良くしてくれるのです。
もちろん完全にAIまかせではなく、ある程度の初期設定をAIに調整させ、自分で細かく微調整することもできますよ。
3. ほかのiZotopeプラグインと連携できる
先ほども紹介しましたが、NeutronなどのiZotopeプラグインと連携して、他の楽器とリバーブ音が重なって濁らないように、EQで自動補正してくれる機能があります。
リバーブの抜けの良さや、ミックスの一体感をさらに高めたい人におすすめの機能です。
iZotope「Neoverb」はどんな人におすすめなのか?
NeoverbにはAIアシスタント機能に加えて、「Guitar」「Percussion」「Vocal」といった各楽器に合ったプリセットも豊富に用意されているので、初心者が使いやすいリバーブプラグインであることは間違いありません。
また、細かな調整ができる「Advanced Panel」もついているので、AIで素早く好みのリバーブを作りつつ微調整まで行いたい中級〜上級者にも十分使えるプラグインとなっています。

「Room」「Hall」「M.Chamber」「L.Chamber」「Plate」という5つの空間プリセットの細かいパラメーターまで調整したり、モジュレーションをかけたり、リバーブタイムをBPMに同期したりといったことも可能です。
逆に「AIアシストは別に必要ないよ」という人は、ここまで高価なプラグインを選ばなくても「Valhalla Room」などで十分かもしれませんね。

価格は5,000円ほどでプリセットやパラメーターの種類も豊富なので、初心者で万能なリバーブプラグインを探している人にはこちらもおすすめですよ。
iZotope「Neoverb」| AIアシストを搭載した次世代リバーブ | まとめ

Neoverbは、とにかくサクサクと自分好みのリバーブが作れるので、リバーブの設定に時間をかけたくない人や、難しい設定なしでリバーブを使いたいという人にはぜひ使ってみて欲しいプラグインです。
もちろん無料トライアルもありますので、気になった人はぜひ試してみてください。