MENU
「週刊 スタジオ翁」ニュースレターの登録はこちら

Soundtoys 「Little Plate」の特徴と使い方を解説!! UADプラグイン「EMT140」との違いは?

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

今日は、Soundtoysの「Little Plate」というプレートリバーブをご紹介します。

Little Plate – Soundtoys

プレートリバーブとは文字通り、箱の中のプレート(鉄板)を振動させることによって、密度の濃い独特な雰囲気のリバーブ音を生み出すことができるものです。

Little Plateは、1968年に登場した「EMT 140」という機材をモデルに開発されたプラグインで、実機はこんな感じです。

EMT 140 Plate Reverb – Designed Sound

とてつもなくデカイですよね。(4畳ほどあるそうです…)

海外サイトでは中古の売買も行われていますが、いくら音が良いからといっても、これを家に置くのはあまり現実的ではありません。

実はこのEMT140という機材は、wavesやUADなどいくつかのメーカーによってすでに何年も前にプラグイン化されています。

Soundtoysの「Little Plate」は2017年にリリースされたのですが、先発のwaveやUADのものと比べて非常にシンプルで初心者でも使いやすいのが特徴です。

では、早速みていきましょう。

あわせて読みたい
【保存版】「Soundtoys」の全プラグインを解説!! セール情報やおすすめのビンテージエフェクトもご紹介 先日ついに念願だった、Soundtoysの全部入りバンドル「Soundtoys 5」を購入しました。 ・Soundtoys 5 Plugin Bundle 合計14個ものビンテージアナログ機材をモデリングし...

Soundtoys 「Little Plate」の特徴と使い方を解説!

Little Plateは、非常にシンプルで4つの基本的なパラメーターが並んでいるのみです。

  • DECAY – 残響の長さを決める
  • MOD – モジュレーションで音に厚みを出す
  • MIX – 原音とミックス音の比率を決める
  • LOW CUT – 不要な低音を取り除く

「ディケイ」に関しては、5secあたりから赤い線が入っているのがわかるでしょう。

これは実機が4secまでの残響音にしか対応していないのに対し、Soundtoysでは「5sec~無限」までディケイを設定できるということを表しています。

「モジュレーション」は、ワンクリックでリバーブ音に対してピッチモジュレーションを加えることのできるパラメーターです。

ディケイが長くなるほど効果がでやすくなるので、いろんな設定で試してみてください。

UADプラグイン「EMT140」との違いは?

UADもEMT140をモデリングしたプラグインをずいぶん前ににリリースしていますが、Soundtoysの「Little Plate」と比べてどのような違いがあるのでしょうか。

まずパッとみてわかるように、UADプラグインの方が弄れるパラメーターが多く細かな設定が可能になっています。

プリディレイやリバーブの種類, EQ, モジュレーションなど、いろんな設定ができるようパラメーターがたくさん用意されていますね。

音は、UADの方がクリーンな印象です。

Soundtoysの「Little Plate」とUADの「EMT140」を比べてみると、特にリバーブ音の低域に違いがあって、Little Plateの方が低域が多く含まれている印象です。

UADの方は3種類のプレートから残響音の種類を選ぶことができるのですが、検証してみたところCのプレートが一番SoundtoysのLittle Plateに一番近い印象でしたね。

どちらかが優れているというわけではありません。おそらくモデリングしている実機の個体差などにもよるのでしょう。

機能的な違いとしては、前述の通りLittle Plateはかなりシンプルで、設定できるパラメーターが少ないため、より細かい設定をしたいという方はUADのプラグインを購入する方がよいと思います。

EMT140 – UAD

Soundtoys 「Little Plate」の特徴と使い方を解説!! UADプラグイン「EMT140」との違いは? | まとめ

Little Plateは、簡単操作で手軽に名機EMT140のプレートリバーブを使用したいという人におすすめのプラグインです。

ボーカルやシンセにかけることで、通常のデジタルリバーブとは一味違う独特な雰囲気を与えることができますよ。

ドラムやその他いろんな楽器にもプレートリバーブの質感を与えたいという方は、細かな調整までできるUAD「EMT140」も検討してみてください。

Little Plate – Soundtoys

サービス・書籍について

<ニュースレター>

週刊「スタジオ翁」beehiiv版

毎週、音楽制作やAIに関する話題、世界の音楽ニュースなどを紹介しています。

<著書>

AI時代の作曲術 – AIは音楽制作の現場をどう変えるか?

作曲AIに関する書籍を出版しました。

アイデアの出し方から作曲、アートワーク制作に至るまで、音楽制作からリリースまでの一連の流れにAIをフル活用する方法を解説しています。Kindle Unlimitedで読めるので、気になった方はぜひチェックしてみてください。

 

この記事の著者

Isseyのアバター Issey 作曲家、音響エンジニア

23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?