今日は、Soundtoysの「Little Plate」というプレートリバーブをご紹介します。
プレートリバーブとは文字通り、箱の中のプレート(鉄板)を振動させることによって、密度の濃い独特な雰囲気のリバーブ音を生み出すことができるものです。
Little Plateは、1968年に登場した「EMT 140」という機材をモデルに開発されたプラグインで、実機はこんな感じです。
とてつもなくデカイですよね。(4畳ほどあるそうです…)
海外サイトでは中古の売買も行われていますが、いくら音が良いからといっても、これを家に置くのはあまり現実的ではありません。
実はこのEMT140という機材は、wavesやUADなどいくつかのメーカーによってすでに何年も前にプラグイン化されています。
Soundtoysの「Little Plate」は2017年にリリースされたのですが、先発のwaveやUADのものと比べて非常にシンプルで初心者でも使いやすいのが特徴です。
では、早速みていきましょう。
Soundtoys 「Little Plate」の特徴と使い方を解説!
Little Plateは、非常にシンプルで4つの基本的なパラメーターが並んでいるのみです。
- DECAY – 残響の長さを決める
- MOD – モジュレーションで音に厚みを出す
- MIX – 原音とミックス音の比率を決める
- LOW CUT – 不要な低音を取り除く
「ディケイ」に関しては、5secあたりから赤い線が入っているのがわかるでしょう。
これは実機が4secまでの残響音にしか対応していないのに対し、Soundtoysでは「5sec~無限」までディケイを設定できるということを表しています。
「モジュレーション」は、ワンクリックでリバーブ音に対してピッチモジュレーションを加えることのできるパラメーターです。
ディケイが長くなるほど効果がでやすくなるので、いろんな設定で試してみてください。
UADプラグイン「EMT140」との違いは?
UADもEMT140をモデリングしたプラグインをずいぶん前ににリリースしていますが、Soundtoysの「Little Plate」と比べてどのような違いがあるのでしょうか。
まずパッとみてわかるように、UADプラグインの方が弄れるパラメーターが多く細かな設定が可能になっています。
プリディレイやリバーブの種類, EQ, モジュレーションなど、いろんな設定ができるようパラメーターがたくさん用意されていますね。
音は、UADの方がクリーンな印象です。
Soundtoysの「Little Plate」とUADの「EMT140」を比べてみると、特にリバーブ音の低域に違いがあって、Little Plateの方が低域が多く含まれている印象です。
UADの方は3種類のプレートから残響音の種類を選ぶことができるのですが、検証してみたところCのプレートが一番SoundtoysのLittle Plateに一番近い印象でしたね。
どちらかが優れているというわけではありません。おそらくモデリングしている実機の個体差などにもよるのでしょう。
機能的な違いとしては、前述の通りLittle Plateはかなりシンプルで、設定できるパラメーターが少ないため、より細かい設定をしたいという方はUADのプラグインを購入する方がよいと思います。
Soundtoys 「Little Plate」の特徴と使い方を解説!! UADプラグイン「EMT140」との違いは? | まとめ
Little Plateは、簡単操作で手軽に名機EMT140のプレートリバーブを使用したいという人におすすめのプラグインです。
ボーカルやシンセにかけることで、通常のデジタルリバーブとは一味違う独特な雰囲気を与えることができますよ。
ドラムやその他いろんな楽器にもプレートリバーブの質感を与えたいという方は、細かな調整までできるUAD「EMT140」も検討してみてください。