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【GEAR SUNDAY】Brian Enoのスタジオ機材

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Issey
作曲家、音響エンジニア
23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?

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ふと、アンビエントの巨匠「ブライアン・イーノ」の使用機材が知りたくなったので、調べてみました。

イーノは、エフェクターやテープマシンなどのハードウェアを使ってアンビエントサウンドを作っていたらしいですが、現代ではソフトウェアとして蘇っているものもたくさんあるので、そちらも一緒に紹介していきます

やっぱりこれだけ有名な人だと、熱心に彼の楽曲を研究して分析しているファンがいたりして、調べてみるととても興味深かったですね

関連リンクも一緒にまとめておいたので、興味があればそちらもあわせてご覧下さい。

それでは早速みていきましょう。

Brian Enoのメイン機材

イーノが愛用していた機材として、いろんなところで紹介されていたのが以下の3つです。

  1. EMS Synthi AKS
  2. YAMAHA DX7
  3. Lexicon Prime Time

順に紹介していきます。

EMS Synthi AKS

EMS Synthi」はイーノが「YAMAHA DX7」に出会うまで、頻繁に使っていたシンセサイザーだそうです。

今ではビンテージで結構なお値段がしますが、Arturiaがソフトウェアとして再現しているので、ソフトバージョンなら比較的安く購入して使うことができますよ

あわせて、彼の音楽を「Arturia Synthi V」と「Soundtoys Echoboy」という二つのソフトウェアを使って丁寧に解説・再現しているマニアックな記事があったので、一緒に紹介しておきます。

参考: ブライアン・イーノの「秘密の音楽」を分解する – Reverb Machine

とてもおもしろい記事ですが、彼の作品の「ミニマルミュージック的要素」まで細かく解説されているので、正直なところ僕には全てを理解できませんでした・・・

先ほどの2つのソフトウェアを持っている人は、このページで無料のプリセットをダウンロードしてイーノの音楽を再現することもできるので、気になった人はぜひ。

YAMAHA DX7

FMシンセサイザーとして一時代を築いた「DX7」は、イーノが自身のメインシンセであることを公言しています。

音作りがちょっぴり複雑なんですが、「Encycrotonic」というサイトに本人による4つのパッチが紹介されているので、「DX7」や「Volca FM」といったシンセを持っている人は、試してみるのも良いでしょう。

参考: TMN「Get Wild」でお馴染みYamaha DX7のBrian Enoによるパッチが公開 – block.fm

ソフトウェア版なら、Arturiaの「DX7 V」が有名ですね。

Lexicon PrimeTime

Lexiconの「Prime Time」は少し変わった特徴をもつデジタルディレイで、イーノの作品のほとんどに使われているそうです。

Soundtoysがリリースしているプラグイン「PrimalTap」では、このビンテージディレインの特徴がしっかり再現されているので、興味がある人はソフトウェア版から試してみても良いでしょう。

参考: Soundtoys 「PrimalTap」の特徴と使い方を解説!! 1979年発売のLexiconの名機「Prime Time」を再現 – スタジオ翁

あと、こちらの記事「ブライアン・イーノの「Thursday Afternoon」を分解する – Reverb Machine」では、Ableton LiveのシンセサイザーとPrimalTapを使って「Thursday Afternoon」という曲が分析されているので、マニアックな記事ですがブライアン・イーノ好きはぜひチェックしてみて下さい。

Brian Enoの機材リスト(シンセ編)

ブライアン・イーノの使っていた機材は、結構ネット上にも上がっていますが、その中でも気になったものや有名な機材を中心にいくつか取り上げていきます。

Sequencial Circuit Pro One

イーノは「Prophet-5」よりも、「Pro One」というモノフォニックシンセを好んでいたとのこと。

プラグイン版なら、u-heがリリースしている「Repro-1」が再現性が高く人気です。

参考: 【レビュー】ついにDivaを超えた?u-he「Repro-1」は現時点で最強のソフトシンセか – スタジオ翁

 YAMAHA CS-80

これはソースしか見つけられませんでしたが、YAMAHAの名作シンセ「CS-80」を使っていたようです。

参考: Arturia – CS-80 V | Plugin Boutique

Moog Minimoog Model D

Minimoog」はイーノの初期のアルバムで活躍したと、こちらの記事に書かれています。

参考: 【レビュー】話題のシンセBehringer『Model D』を購入。その実力はいかに – スタジオ翁

YAMAHA TG77

TG77」といえばテクノアーティスト「Petar Dundov」が使用していることでも知られます。

モジュール型のFMシンセサイザーですね。

参考: 【GEAR SUNDAY】Petar Dundovのスタジオ機材にせまる – スタジオ翁

Brian Enoの機材リスト(エフェクト編)

ここでは、エフェクト関係の機材をいくつかピックアップしてみます。

イーノはテープマシンをよく使っていたそうですが、ここでは2つのテープマシンも紹介します。

Revox A77

No Pussyfooting」というアルバムの中で、イーノは2台の改造された「Revox A77」を使用して、50年代風のギターを再現するようなアプローチをとっていました。

参考: ランドマークプロダクション:ブライアン・イーノ – 「Another Green World」- MusicTech

それほど高価じゃないので、僕もいつか手に入れてみたい一品ですね。

ちなみにテープマシンに興味があるなら、こちらの「HAINBACH」さんのYouTubeチャンネルがおすすめですよ。

AMS DMX 15-80S Digital Delay

「U2」というバンドをイーノがプロデュースした際、「4th of July」という曲の中で、このディレイマシンが使われていました。

参考: Eno/Lanois Shimmer Sound: How it is made – Valhalla

Eventide H3000S UltraHarmonizer

1990年10月発売の「Sound On Sound」マガジンのインタビューで、「Eventide H3000S」を使用していることを公言しています。

EventideUniversal Audioなどからソフトウェア版としてリリースされている、今でも人気の高い機材ですね。

TEAC A-3340

70年代の彼のスタジオでのレコーディング風景の写真に、「TEAC A-3340」が映り込んでいますね。

参考: https://pbs.twimg.com/media/DUNL2owUMAEfXhI.jpg

Brian Enoのスタジオ機材 | まとめ

ブライアン・イーノはそれほど多くの機材を使って音楽を作っているわけではありませんが、テープマシンを2台使った音作りをしたりミニマルミュージック的な作曲へのアプローチをしたりなど、いろんなこだわりを持って制作をしていたことがわかりますね。

イーノ風サウンドの作り方というのは、結構いろんなサイトでも紹介されています。

僕が過去に書いた記事では、「Valhalla Shimmer」という5,000円ほどのリバーブプラグインで、イーノ風サウンドを得る方法を紹介しているので、興味がある人はぜひこちらもチェックしてみて下さい。

参考: 【幻想的】「Valhalla Shimmer」でブライアン・イーノ風アンビエントサウンドを手に入れる – スタジオ翁

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この記事の著者

Isseyのアバター Issey 作曲家、音響エンジニア

23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?