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【10日目】ミックスダウン | Ableton Live 11 基礎講座

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こんにちは、スタジオ翁のIssey(@studiookina)です。

いよいよ最終日になりました。

10日目は「2ミックスの書き出し」と楽曲の最終調整である「マスタリング」について解説していきます。

「ミックスダウン」といって、ここまで仕上げてきたバラバラのトラックを1つにまとめて書き出す作業が終われば、トラックの完成まであともうちょっとです。

今日のゴールはこちら。

・ミックスダウンの方法を知る

・マスタリングについて理解する

まずは、ミックスダウンから見ていきましょう。

ミックスダウン(2ミックスへの書き出し)

2ミックスへ書き出す方法は、とてもシンプルです。

アレンジメントビューで書き出したい範囲を選択し、「ファイル」→「オーディオ/ビデオをエクスポート」から書き出し設定の画面に移ります。

この画面で大切なのは、次の4つです。

・サンプルレート – 44.1kHz以上

・ファイルタイプ -「AIFF」か「WAV」

・ビットデプス – マスタリングを依頼するなら24bit

・MP3で書き出したい場合 -「MP3をエンコード」をオンに

ビットデプスは、CD音質なら「44.1kHz, 16bit」が標準ですが、ここからマスタリングスタジオにマスタリングを依頼するなら、サンプルレートは最低でも44.1kHz, ビットデプスは24bitで書き出しておきましょう

リリース予定がなく自分で聴くだけなら、とりあえずMP3での書き出しでも十分でしょう。

参考: 【DTM】サンプリングレートについて理解する – スタジオ翁

すべてを集めて保存

これ、あまり紹介されませんが大切な機能です

「すべてを集めて保存」をしておくと、楽曲内で使われたサンプルの参照元が変わった時でも、問題なくサンプルを再生してくれるというもの。

これをマメにしておかないと、例えばドラムサンプルをパソコン内のどこかのフォルダから取ってきた後、「暇だし、パソコン内のフォルダの整理でもしておこうかな」とうっかりそのファイルの場所を移動させてしまったら最後・・・

次に、この楽曲プロフェクトを開いた時に「参照元が不明です」というエラーがでてしまい、楽曲がちゃんと再生されなくなってしまうのです

楽曲を完成させた時や、一度制作をストップして保管しておく時などは、「すべてを集めて保存」を忘れずに行いましょう

マスタリング

楽曲を書き出したら、「マスタリング」に入ります。

これは楽曲をリリースするなら必ず必要ですが、自分だけで完成したトラックを楽しむ分には、特にマスタリングをする必要はありません。

マスタリングとは、スマホやスピーカー, カーステレオなどあらゆる音響であなたの音楽を聴いた時、どのシステムでもしっかり再生されるよう全体としての音の最終調整をするための工程です。

大きなレーベルからリリースする場合は、専門のスタジオに任せてしまうのが一番ですが、ここからマスタリングの3つの選択肢を紹介していきます。

自分に合いそうだなと感じる方法があれば、ぜひ試してみて下さい。

セルフマスタリング

最近は「iZotope」「Fabfilter」「UAD」など、個人でもプロが使うようなマスタリングソフトがわりと安く手に入る時代です。

なので、家に制作環境がしっかり整っていて、自分の耳にも自信があるというのなら、個人でやっても全く問題ありません

ただ、「マスタリングエンジニア」という専門のエンジニアがいるくらい繊細な作業なので、あまり自信がない人や音楽制作の方に力を入れたいという人は、プロに頼ってしまうのが良いかなと思います

参考: 【解説】UADって何? – 5年以上UADを愛用する僕がおすすめプラグインと共に解説していく – スタジオ翁

AIマスタリング

これは「LANDR」をはじめとする、AIによるマスタリングサービスを使うというもの。

最近のAIマスタリングはかなり高性能なので、マスタリングに細かい注文やこだわりが特にないのなら、この方法もアリかもしれません。

ちょっとマスタリングをかじったくらいの素人がやるくらいなら、AIの方がよっぽどいいマスタリングをしてくれますよ。

プロによるマスタリング

プラグインやAIの発達によって個人でもマスタリングが可能になりましたが、やはり現在でもプロによるマスタリングが主流ですね。

特に渾身のリリースだったり、海外のレーベルに送りたいというのであれば、多少お金をかけてでもプロにマスタリングを頼んだ方がよいでしょう。

安いところなら1曲5,000〜10,000円程度で、マスタリングをしてくれますよ。

今日のまとめ

今日は「ミックスダウン」と「マスタリング」について学びました。

マスタリングは、決して音を劇的に良くする魔法の工程ではないので、ミックスダウンの前にしっかりしたモニター環境で、EQやコンプなどのプラグインを使ってバランスを整えておく必要があります。

この10回の講義で学んできたことは、あくまでAbleton Liveや音楽制作の基礎部分なので、ここからは当サイトやYouTubeなどを使ってどんどんレベルアップし、素晴らしいトラックを作るためのスキルを手に入れていきましょう。

それでは、また別の機会にお会いしましょう😃

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この記事の著者

Isseyのアバター Issey 作曲家、音響エンジニア

23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?