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Output「Arcade」| サブスク型の作曲サービスをレビュー

今回は「Rev」「Exhale」「Portal」「Movement」など、オリジナリティ溢れるプラグインをリリースし続けるアメリカの注目メーカー「Output」による、サブスクリプション型の作曲サービス「Arcade 2.0」を紹介します。

Arcade 2.0 | Music Production Software – Try it Free | Output

2021年10月に「2.0」へとアップグレードされたことにより、さらに機能が増えて使い勝手がよくなりました。

サブスク型の作曲サービスといえば「Splice」「LoopCloud」などが有名ですが、この2つとは少しサービスの内容が違っており、Arcadeは「より簡単に誰でも素早く」作曲ができるツールを提供します。

Arcadeのソフト内には、最初からたくさんの音色やループ素材が用意されているので、「気軽に音楽制作をしてみたい人」「CMやショートムービーなどの音楽を作っている人」などにおすすめです。

この記事を読めば、以下のことがわかります。

・Arcadeのサービス内容

・Arcadeはどんな人におすすめか?

・Arcadeのメリットとデメリット

・Arcade 2.0で追加された新たな機能

それではさっそく、見ていきましょう。

目次

Output「Arcade」とは?

Arcadeは2018年にリリースされたサービスで、ユーザーは毎月10ドルを支払うことにより、大量の「サンプル」「ループ素材」「音色」などにアクセスすることができます。

「Splice」や「LoopCloud」などがサンプルやループ素材をオーディオファイルとして提供するサービスなのに対し、Arcadeは専用のVSTソフトを使ってキーボード上で打ち込みを行うことで、さまざまなメロディやリフを瞬時に作ったり組み合わせたりすることが可能となっています。

取り扱われているジャンルも幅広く、映画音楽・ポップソング・アンビエント・ボサノバ・アフリカン・80s・ボーカル・ダンスミュージックなどに対応しています。

Output「Arcade」の料金

Arcadeの料金体系は、2つあります。

・月額10ドル

・年額99ドル

年間サブスク契約をすれば、年21ドルの節約になりますが、途中で解約できないので注意が必要です。

最初に30日間の無料トライアルがついてくるので、まずは1ヶ月使ってみて、使い心地がよければ登録するという形が良いでしょう。

Output「Arcade 2.0」で追加された新機能

Arcade 2.0ではデザインや検索機能が強化されましたが、中でも一番のアップデートは「ノートキット」の追加です。

これにより、MIDIキーボードなどを使って、自分の好きなフレーズを弾いたり打ち込めるようになりました。

今まではキーボードを押しても、あらかじめ録音された楽器の音色が流れるだけだったので、作曲の自由性があまりなかったんですよね。

ノートキットは「マルチサンプル」に対応しているので、いくつかの楽器やシンセサイザーが組み合わさった複雑な音色を演奏することができます。

ノートキットでは各サンプルのバランスを調整したり、LFOなどで音色を変化させたり、エフェクトをいくつも重ねたりと、細かいコントロールまで可能になっています。

Output「Arcade」のメリット

次に、Arcadeを使うメリットをいくつかみていきます。

1. 誰でも簡単に作曲ができる

Arcadeにはドラム・ベース・ギター・シンセなどの音色がジャンルごとにたくさん用意されていて、キーボードを押すだけで鍵盤ごとにアサインされたフレーズを自動演奏してくれます。

テンポはDAWに同期し、楽曲のスケール(音階)から外れないようにフレーズを演奏してくれるので、音楽理論がまったくわからない初心者でも簡単に作曲することができます。

もちろん、Arcade 2.0で追加された「ノートキット」を使えば自分の好きなフレーズを打ちこめるので、他のアーティストと差別化したいならノートキットを組み合わせて使うのも良いでしょう。

2. いろんなジャンルに対応している

Arcadeには、2015年のサービス開始から、日々あたらしい音源が追加され続けています。

「ポップ」「トラップ」「エスニック」「オーケストラ」「ラテン」「60s」「アンビエント」「ダンス」などいろんなジャンルの音源があるので、普段つくり慣れていない曲を作りたい人にもおすすめです。

「フィールドレコーディング」のパックや、「ハイハット」だけのパックがあったりと、プロのアーティストが使ってみても面白そうなものもいくつかありますね。

Output「Arcade」のデメリット

誰でも簡単に作曲ができるという点ではSpliceやLoopCloudをも超える素晴らしいサービスだと思いますが、いくつかデメリットもあるのでおさえておきましょう。

1. 他のアーティストとの差別化が難しい

今回の「Arcade 2.0」からノートキットが追加されたことにより、自分でフレーズを打ちこめるようになりました。

ただ、やはり音色が最初から完成されすぎていたり、あらかじめ決められたドラムやメロディーのパターンを大きく変化させることができなかったりと、オリジナルの音楽をつくりたいアーティストにとっては少々使いづらいところもあります。

なので、オリジナルとして楽曲を作りたいなら、「Arcadeはポイントでしか使わない」「プリセットを加工して使う」というような工夫が必要になるでしょう。

2.ソフトが重い

これは人によってはあまり気にならないかもしれませんが、サンプルプレビューや検索画面での挙動がすこし遅く感じます。

一度キットを選んでしまえば、打ち込みの際に止まってしまうなんてことはありませんが、Arcadeを数トラック立ち上げるとDAW自体の動きもかなり遅くなるので、Arcadeを中心に作曲をするなら、それなりにスペックの高いパソコンを使う必要があるかもしれません。

まとめ

Arcade 2.0からノートキットが追加されたことにより、以前より自由度の高い作曲ができるようになりましたが、基本的にはあらかじめ録音されたサンプルを使って作曲をするツールです。

サンプル自体のクオリティは高いものの、Arcadeを使って他のアーティストと差別化できるくらいオリジナリティのある曲をつくるのは難しいでしょう・・・

アーティストが使うためのツールというよりは、CM・ショートムービー・映画といった商業音楽の作曲をしている人が、Arcadeを自分の作曲ツールを組み合わせて使うというのが一番しっくりきますね。

または「自分はアーティストではないけど、趣味で音楽制作を楽しんでいる」という人なら、手軽に楽しくクオリティの高い音楽がつくれるのでおすすめです。

30日間の無料トライアルがあるので、気になった人はぜひ試してみてください。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました🙂

Arcade 2.0 | Music Production Software – Try it Free | Output

製品 サブスク型 作曲サポートツール
料金 月額10ドル/年額99ドル(1ヶ月無料トライアルあり)
デザイン 美しい。使っていて楽しい。
使いやすさ 見た目と機能がシンプルで使いやすい
品質 音質が良い。細かい音の調整がほぼ不要。
メリット 誰でも簡単に作曲が楽しめる。音と使い勝手が良い。
デメリット 商業音楽向け。オリジナル曲の制作には向かない。

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