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「BazzISM」| 図太いキックがつくれる隠れた名プラグイン

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最近は、Plugin Boutiqu「BigKick」Sonic Academy「Kick 2」といったキック専用のシンセサイザーが販売されていますが、個人的におすすめなのが、Intelligent Sounds & Musicから出ている「BazzISM」です。

BazzISM – Intelligent Sounds & Music

実はこれ、5年以上前から販売されているプラグインなんですが、シンプルな操作性にも関わらず手軽に図太い808,909系のサウンドが作れるので、ダンスミュージックを作る人にはぜひチェックしてもらいたいプラグインの1つ。

「808,909系のシンプルなキックならサンプルを使えばいいや」と思う人もいるかもしれませんが、サンプルだと曲に合わせて微調整がしにくいので、曲との親和性みたいなものが微妙にマッチせず「なんかキックが浮いてるな」という風になりやすいんですよね。

ちなみに僕の大好きなプロデューサー「Jimi Jules」もBuzzISMを愛用しているようです。

この曲はシンプルかつ図太いキックに、タイトめのディストーションベースが絶妙に絡みあうことで両者がうまく融合し、魅力的なローエンドが出来上がっていますね。

ダンスミュージックでは、このようにベースのタイプに合わせたキックの調整が必要になってくるので、シンプルなキックでも微調整が必要になります。

目次

BazzISMの魅力

僕の考えるBazzISMの魅力は、次の3つです。

・シンプルな操作性

・図太いキックを作るための的確なパラメーター

・キックの周波数を指定できる

BazzISMは「main」「envelope」「nosie」という3つの画面のみ構成されており、シンプルで扱いやすいのが特徴です。

BazzISMのメイン画面

メイン画面には「fStart」や「vSweep」と言った聞き慣れないパラメーターがありますが、これこそがBazzISMの最大の特徴。

最初こそ、各パラメーターの意味を理解するのに少し時間がかかるかもしれませんが、慣れてしまえば好みのキックまで最短距離で辿り着くことのできる有能なパラメーターです。

プリセットもいくつか用意されているので、慣れないうちはプリセットから好みのキックを作るために微調整していくのも良いでしょう。

そしてキックの周波数を指定できるのもBazzISMの特徴の1つで、このようにキックを曲のキーに合わせることで、さらに曲との馴染みが良くなります。

キックのキーを指定できる

ドラムなどの音程がわかりずらい楽器も、曲のキーに音程を合わせることで曲との馴染みが良くなりますよね。

キックは、アナライザーなどを使わないと特に音程がわかりずらいのですが、こういった機能があれば誰でも簡単にキーを合わせることができますね。

BazzISMの使い方

BazzISMには「main」「envelope」「noise」と3つの調整画面があると紹介しましたが、ここでは少しややこしい「main」画面のパラメーターについてみていきましょう。

まずは、キックづくりの基本となる「fStart」「fEnd」「tSweep」「tEnd」の4つから。

このように、BazzISMのキックは「tSweep (Sweep Time)」「tEnd (End Time)」の2つで構成されています。

BazzISMにおけるキックの構成

「tSweep」とはその名の通りスウィープ音のことで、この「tSweep」部分で、キックは高い周波数から低い周波数までスウィープしていきます。

スウィープというのは「トゥーン!」とか「チュン!」といった音ですね。

そして「tEnd」はキックのディケイをなる部分で、ここでディケイタイムを決めます。

まとめると・・・

  1. 「tSweep」で指定した時間をかけて
  2. 「fStart」で指定した周波数から
  3. 「fEnd」まで周波数がスウィープし
  4. 「tEnd」で指定した長さだけ、fEndで指定した周波数(ディケイ部分)が再生される

これが基本です。

これさえ理解しておけば、あとは応用なのでそこまで難しくはありません。

残りのパラメーターを見てみましょう。

「vSweep」はこのようにスウィープの角度を決めます。

数値が高くなるほど、角度が急になります。

「tDecay」では、全体としてのディケイの長さを決めます。

残りのパラメーターはこんな感じ。

  • Polyphony – オフの状態だと、キックがオーバーラップした時に同時に再生されなくなる
  • MidiStop – オンにすると、キックのディケイがMIDIで調整できる
  • DecType – ディケイの種類がリニアカーブか指数関数的(急激な)カーブかを決める
  • Distortion – キック(ノイズを含む)にディストーションをかけて歪ませる
  • Volume – 音量

パラメーターの説明は以上になります。

文字だけじゃわかりにくいよ!という人は、こちらの動画がとても参考になりますよ。

BazzISMを使い始める前にこの動画を見ておくと、サクサク使いこなせるかと思います。

まとめ

凝ったキックを作るならBazzISMではなく、自分でいくつかのキックサンプルを組み合わせたり、Sonic Academy「Kick 2」を使うのが良いかと思います。

ただ、曲づくりのたびにキックを作るのが面倒だとか、手軽にクラブ映えするシンプルな太いキックを作りたいという人ならBazzISMを使ってキックを作るのが断然おすすめ。

BazzISMで作った太いキックに、自分の好きなキックサンプルを組み合わせてオリジナルキックを作るのもおもしろいかもしれませんね。

価格も手頃なので、キックの質を高めたい人はぜひチェックしてみてください。

BazzISM – Intelligent Sounds & Music

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この記事の著者

Isseyのアバター Issey 作曲家、音響エンジニア

23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?

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