今日は音作りの自由度が高く、かなり過激なサウンドを作れるディストーションプラグインiZotope「Trash 2」を紹介します。
Skrillexのような過激なEDM系サウンドが簡単に作れることから、EDMやエレクトロ方面のアーティストに人気のプラグインですが、音作りの幅が広いことからダンスミュージックやバンド系まで幅広い層にも使われているプラグインです。
「EQやコンプを使っても音に厚みが出ない…」
「音が他の楽器に埋もれてしまう」
「もっと激しいサウンドを作りたい」
Trash 2は、このような人にこそ使ってみて欲しいプラグイン。
コンプやEQでいくら処理しても音が埋もれてしまったり過激なサウンドが作れないなら、もしかするとコンプやEQでいくら処理しても音が埋もれてしまったり過激なサウンドが作れないなら、もしかするとiZotope「Trash 2」があなたの強い味方になってくれるかもしれません。
この記事で僕が実際に使ってみた感想なども交えつつ、iZotope「Trash 2」の魅力を見ていきましょう。
iZotope「Trash 2」を使用しているアーティスト
まず、Trash 2を使用している主なアーティストから紹介していきます。
ズラッと並べると以下の通り。
- Skrillex
- Feed Me
- Noisia
- Nicky Romero
- Eelke Kleijn
- The Glitch Mob
- Firebeatz
- Mat Zo
- Merk & Kremont
やはりダブステップやEDM系アーティストが目立ちますね〜。
確かにこういった過激なサウンドを作るなら、Trash 2は申し分ないディストーションプラグインだと思います。
しかしTrash 2の魅力は、その過激なサウンドだけではありません!
ここからは、なぜTrash 2が幅広いアーティストに使われるプラグインなのかを解説していきます。
iZotope「Trash 2」が多くのアーティストに使われている3つの理由

Trash 2が多くのアーティストに使われている理由は、主に3つです。
順にみていきましょう。
1. 音の印象をガラッと変えてしまう強力なディストーション
まずTrash 2といえば、なんといってもこの特徴。
「サウンドを根本から変えてしまうほど強烈なディストーション」
プリセットもかなり過激なものが多く、そのひずみ方まで細かく調整することが可能です。
実は、ゆがみが強烈なディストーションプラグインというのはフリーでもあるのですが、ここまで「強力」で「細かくひずみをコントロールできる」というのは、iZotope「Trash 2」以外には見当たりませんね。
2. マルチバンドで細かな音作りができる
マルチバンドで帯域ごとにディストーションを処理できるというのは、Trash 2の大きなメリットの1つです。
なぜなら、
「全体にかけると強力すぎるけど、低音部分だけもうちょっと迫力を出したいな…」
「高音にだけディストーションをかけて、サウンドをもう少し目立たせたい」
などといった細かい要望にも答えてくれるから。
曲中で主役になるシンセサイザーなどには、細かく処理をして納得できるサウンドに仕上げたいですよね?
音をガラッと変えたい時や、ちょっとだけ音にキャラクターを与えたい時にも、このマルチバンドの機能は役に立ってくれるでしょう。
3. 適度なゆがみを与えて音をさりげなく目立たせる
Trash 2は「強力」なディストーションプラグインというイメージですが、さりげなくサチュレーション的なひずみを与えることで、音質をあまり変えずに特定の音を曲中で目立たせるといったことも可能です。
マルチバンドで処理することによって、さらに音の変化を最小限に抑えつつ、音を前に出すことができますよ。
また、こういった用途ならSoundtoys「Decapitator」もおすすめです。
参考: Soundtoys 「Decapitator」の特徴と使い方を解説!! – スタジオ翁
iZotope「Trash 2」の機能をサクッと紹介
次に、Trash 2の機能について見ていきましょう。
Trash 2は主に5つのセクションにわかれていて、それぞれのセクションでさらに細かいパラメーターの設定をすることができます。
1. FIlter

メインセクションとなる「Trash」の前後に「Filter」というEQやフィルターを入れるためのセクションがあります。
合計8バンドのEQに加えて、それぞれのEQにモジュレーションを与えて音を揺らすことも可能です。
2. Trash

Trash 2の核となるセクションです。
「STAGE 1」と「STAGE 2」で2つの異なるディストーションをかけることができます。
プリセットが豊富なのでまずはそこから好みのサウンドを探すのも良いですし、ウェーブシェイパーを使って自分でディストーションの加減を細かく調整することも可能です。
マルチバンドモードにしたい場合は、右中央にある「Multiband」ボタンを押して、それぞれの帯域を個別に調整していきましょう。
3. Convolute

コンボリューションとは、機材, 音響環境, 再生システムなどが持つ音の特性を再現する機能です。
例えばギターアンプの音を再現したり、特定の空間を再現したりすることができるので、音のキャラクター付けに使うと良いでしょう。
あえてTrash 2のディストーション機能は使わず、このコンボリューション機能だけを使ってサウンドに色付けをするという使い方も面白いかもしれません。
4. Dynamics

ダイナミクスセクションは、「コンプレッサー」と「ゲート」で構成されています。
これもマルチバンドによる処理が可能なので、音にもっと迫力を出したい場合や、音を整えたい時に使うと良いですね。
5. Delay

ディレイセクションでは文字通り、ディレイをかけることができます。
デジタルからアナログまで、いろんなタイプのディレイをかけることが可能。
たくさんのプラグインを重ねなくても、このようにいろんなエフェクトが内蔵されていることにより、Trash 2のみで音作りが完結できるのはとても便利ですね。
iZotope「Trash 2」が多くのアーティストに使われている3つの理由 | まとめ

マルチバンドでの処理ができるディストーションでもう1つ有名なのが、Fabfilter「Saturn 2」です。
僕はこちらも持っていますが、iZotope「Trash 2」の方が攻撃的で激しめな印象ですね。
どちらも多機能で同じように便利なプラグインなので、気になる人は両方のデモバージョンを試してみると良いでしょう。
以上、iZotope「Trash 2」についての記事でした。
この記事が、みなさんの参考になれば嬉しいです。