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【比較】Logic ProからAbleton Liveに乗り換えた5つの理由

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こんにちは、スタジオ翁のIssey(@studiookina)です。

長年「Logic Pro」と「Ableton Live」を8:2くらいの割合で使っていたのですが、ここ数ヶ月で完全にAbleton Liveに乗り換えてしまいました。

なぜ僕がLogic Pro Xという長年連れ添ったDAWを捨て、Ableton Live 10のもとへ旅立ってしまったのか、この記事でしっかりと釈明させていただきます・・・

どちらのDAWを選ぶべきか迷っている、もしくは同じようにAbleton Liveへの乗り換えを考えているという人は、ぜひ参考にしてみて下さい。

Logic Pro XからAbleton Live 10に乗り換えた5つの理由

さっそく、Ableton Live 10が素晴らしい理由を5つ紹介していきますね。

セッションビューが便利すぎる

Learn Live 10: Session View

「セッションビュー」とは動画のようにクリップを縦に積み重ねて、アイデアを直感的に組み立てていける画面です。

もちろん一般的なDAWのように左から右に流れる「アレンジメントビュー」という画面もあって、その2つの画面をシームレスに行き来できるというのが、Ableton Live 10の最大の魅力ですね。

Max for Liveが使える

Max for Live Connection Kit

動画ではMax for Liveという開発環境を使って、Ableton Liveからいろんな物理デバイスを操作していますが、オーディオやMIDIにも使える便利なプラグインもたくさんあります。

もともとAbletonに内蔵されているMaxエフェクトもありますが、Maxのコミュニティに行けば、世界中の人が作った素晴らしいプラグインを無料でダウンロードすることもできます

ファイル検索が超高速

Ableton Liveにオーディオファイルを取り込むと、新たに「asd」という拡張子のファイルができるんですが、この機能のおかげでDAW内でサンプルを高速で検索&プレビューすることができます

これがすごく便利で、サンプルをよく使うという人ならめちゃくちゃ作業スピードが上がりますよ。

オーディオエフェクトが変態的

Martin Gretschmann talks about Ableton Corpus

やっぱり行き着く先は、変態ですね。(音の話です)

上の動画では「Acid Pauli」さんが、いくつかのAbleton内蔵エフェクトを使っている様子を観ることができます。

特に、最上位の「Suite」というエディションに含まれているものは、ちょっと変わった独特なものが多く素晴らしいですね

I/Oの設定が簡単

Logic Proは正直なところ、外部シンセやエフェクトなどを繋いだりルーティングしたりという部分が直感的にできないんですよね

はじめの頃は、アナログシンセとか持ってなかったので全然気にならなかったのですが、最近は外部機器も増えてきて、Ableton Liveの使いやすさを実感しています。

Logic Pro Xへの4つの未練

さて、Ableton Liveの素晴らしいところを挙げてみましたが、実はLogic Proへの想いを完全に捨て切れたわけじゃありません。

ここでは、僕が長年だらだらと二股をかけ続けた、4つの理由についてお話します。

音が素晴らしい

主要DAWのサウンドを徹底検証 2020年版

つい最近あった、Sleepfreaksさんの「DAW音質比較」の動画を観たという方はいるでしょうか?

この動画の前に、Twitterでブラインドテストのアンケートがとられていたのですが、僕がブラインドテストで選んだのはLogic Proの音でした。

慣れ親しんだ音だから選んだのかなとも思いましたが、アンケートでもLogic Proを選ぶ人が一番多かったということから、やはりLogic Proの音は素晴らしいということがわかります

僕がAbleton Liveを使ったときに、一番「あれっ?」とひっかかったのは、この音質の部分だったので、ここはまだLogic Proへの未練が残っています・・・

Alchemyシンセが最強

Logic Proには「Alchemy」という素晴らしいシンセがあるのですが、これってもともと「Camel Audio」というメーカーが販売しているシンセだったんですよね。

Appleが、破産してしまった「Camel Audio」を買収したことで、AlchemyがLogic Proの標準シンセになったのですが、この前からずっと定評のあるシンセだったのでLogic Proユーザーにとっては、かなり嬉しいニュースでした。

ほんとにこのシンセはプリセットも豊富で美しい音色なので、ここでも未練たらたらですね。

とにかく安すぎる

Logic Proのメリットとしてよく挙げられるのは、その「安さ」です。

Ableton Liveは最上位版だと5万円以上するのですが、Logic Proなら2万円で購入できます。

まあ、Ableton Liveの方がサンプルやエフェクトが豊富というのはありますが、それでも音が良く高品質なエフェクトがいくつも搭載されているLogic Proが2万円というのは、ほんと衝撃ですよね・・・

コスパでいえば、Logic Proの右に出るDAWはいないでしょう

2020年の強力なアップデートでさらに進化した

今までにもいくつかのアップデートを重ねて、便利な機能が追加され続けていますが、2020年のアップデートではAbleton Liveと似たようなことができる「Live Loops」という機能が追加されました

これがあって「Logic Proに乗り換えようかな」という人もいるくらいです。

いつの間にかビンテージモデリングのEQやコンプなどのエフェクトが搭載されていたりと、Logic Proは本当に素晴らしいDAWだと思いますね。

Logic Pro Xがおすすめなのはこんな人

Logic Proはすごく良いDAWなので、使っているアーティストもかなり多いです。

このDAWがおすすめなのは、こんな人です。

・安くて高品質なDAWが使いたい

・音質をとにかく重視したい

・ビンテージモデリングのエフェクトや高品質な内蔵シンセを使いたい

・ポップスやオーケストラの作曲をしたい

・オーディオ録音や編集に強いDAWを使いたい

いわゆる「作曲家」と呼ばれる人には、Logic Proが圧倒的に向いているでしょう

Logic Proには、Ableton Liveにはない「Punch In/Out」「複数テイクの録音と編集」「Bounce In Place」などのオーディオ録音/編集には欠かせない機能が詰まっています。

正直、Ableton Liveにこれらの機能がないのは、かなりデメリットだと思いますね。

Logic Proは特にデメリットがないので、全員に勧めても良いくらいおすすめのDAWなんですが、僕がAbleton Liveに乗り換えたのにはそれなりの理由があるので、次に紹介する項目に当てはまるなら、あなたはAbleton Liveを選ぶべきかもしれません

参考: Logic Pro X – Apple

Ableton Live 10に乗り換えるべき人

Ableton Liveを選ぶべき人は、こんな人です。

・主にループミュージック(テクノなど)を作っている

・クリエイティブなシンセやエフェクトを使いたい

・シンセやエフェクトを自作してみたい

・直感的にアイデアを組み立てたい

・実験的な音楽を作りたい

Ableton Liveにはクリエイティブな創作ツールがたくさんあるので、ポップスやオーケストラの作曲のようにフレーズを打っていくのではなく、実験的に新しい音を産み出したり変わったことをしてみたいという人に向いています

Logic Proが優等生なら、Ableton Liveは天才肌といった感じでしょうか。

直感的にサクサクと考えをカタチにするのにはもってこいですし、ダンスミュージックなどのループがメインとなる音楽を作っている人なら最高に使いやすいと思います

Logic Pro XからAbleton Live 10に乗り換えた5つの理由 | まとめ

いかがでしたでしょう。

Logic Proは「Cubase」「Studio One」「Pro Tools」などのDAWと似ているのに対し、Ableton Liveはいわゆる「一般的なDAW」とは少し異なっています

もちろんAbleton Liveでも普通に作曲はできるのですが、それ以上の何かクリエイティブな音楽制作がしたい、という人にもってこいのDAWなんですね。

なので実験的要素の強い音楽、例えばテクノやミニマル, アンビエントなどを作っている人にはAbleton Liveは最高の相棒になるでしょう

逆に、普通に「作曲」しかしないという人なら、Ableton Liveはオーバースペックな上に音質面でのデメリットもあるので、Logic Proを選んだ方が幸せになれるかもしれません。

 

この2つのDAWに関しては、どちらかが優れていたり劣っていたりというレベルの話ではないので、それぞれのメリットを理解して自分にぴったりのDAWを選んでみて下さい。

この記事が、Ableton LiveとLogic Proのどちらを選ぶべきか迷っているとう人の参考になれば嬉しいです🙃

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この記事の著者

Isseyのアバター Issey 作曲家、音響エンジニア

23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?