Metric ABで理想のミックスバランスを手に入れよう

総合評価:

リファレンスとなるトラックを読み込んで、周波数特性・ステレオイメージ・ダイナミクスなどを自分のミックスと比較できるツール。数あるリファレンスツールの中でも機能が多く使いやすい。

リット

デメリット

  • 周波数特性だけでなく位相やラウドネスなども比較できる
  • ループやキューポイントなどプレイバック機能も充実
  • 見た目がよく誰でも簡単に扱える
  • 特になし

「お気に入りのアーティストと同じようなミックスバランスにならない」

「自分の曲をマスタリングまでしてみたいけど、自宅に良いモニター環境を持っていない」

今日は、こんな悩みを抱えている人にピッタリのリファレンスツール「Metric AB」をご紹介します。

ADPTR AUDIO Metric AB – Plugin Alliance

僕もこれなしではミキシングやマスタリングができない!!というほど日頃から使い込んでいるプラグインです。

もっとミキシング・マスタリングの腕を上げたいと思っている人は、ぜひチェックしてみてください。

目次

Metric ABにできること

簡単に言うと、Metric ABはいま自分の作っている曲とリファレンス曲を比較できるツールです。

A/Bボタンを押すことで、2つの曲を瞬時に切り替え、好みの曲とのミックスバランスの比較が簡単にできるのが大きな特徴。

そしてMetric ABを使えば周波数帯域だけでなく、以下の数値もA/B比較できます。

  • 周波数特性
  • ステレオイメージ
  • 波形
  • 位相
  • ダイナミクス
  • ラウドネス
  • トゥルーピーク

「リファレンス曲のステレオイメージはどのくらい広がっているのか?」「低音はどの周波数からモノラルになっているのか?」「ダイナミクスはどのくらいあれば良いのか?」などミキシング時の参考にもなりますし、 ラウドネス比較はマスタリングにも使えるのでとても便利です。

リファレンスは最大で16曲まで入れることができ、それぞれのボリュームを調整したりキューポイントを入れることができます。

さらにメイン画面右下についている「FITERS」を使うと帯域ごとにモニターできるので、例えば「自分の曲とリファレンスで低域にどのくらい違いがあるのか」など確認することも可能です。

参考: プロ並みのミックスバランスに仕上げる「帯域別ミキシング」とは? – スタジオ翁

2曲のラウドネスを自動で合わせてくれる「インスタントボリュームマッチング」やDAWとのシンク機能などプレイバックの機能も充実しています。

リファレンス曲の設定画面

Metric ABで扱える5つのメーター

Metric ABには全部で5つのリファレンス比較用メーターが付いており、これらを使って自分のミックスをリファレンスに近づけていくことになります。

これらのメーターを1つづつ見ていきましょう。

1. スペクトラムアナライザー

スペクトラムアナライザー(Plot)

スペクトラムアナライザーでは、2つの曲を並べて周波数バランスの違いを比較することができます。

上の画面のような「Plot」表示だけでなく、「Octave」表示に変えられたり、アナライザーの反応時間を設定したりすることも可能です。

2. 位相

Correlationは、帯域ごとの左右の位相差を表します。

位相があまりにも「ネガティブ(-1)」側に振れていると、位相差がありすぎていろんな環境で再生した時に不自然な聞こえ方になってしまう可能性があるので、このメーターを見ながらミックスを調整してみましょう。

3. ステレオイメージ

最近の音楽はミックスの最終段階でステレオイメージを広げる処理がされていることも多く、ステレオイメージは曲の仕上がりに影響する大切な指標の1つです。

逆に、広がりすぎていてもスピーカーで再生した時に不自然な音になってしまったりするのですが、こうやってステレオイメージを視覚的に確認することで、自分の目指す音源に近いステレオ感まで持っていくことができます。

4. ダイナミクス

この画面では、楽曲のダイナミクスを数値化します。

ターゲットとなるダイナミクスを設定したり、フィルターによる帯域別のラウドネスの確認も可能です。

あまりにもダイナミクスがないと音楽に迫力が出ないので、こちらも自分の理想のミックスと比較しながら適切なダイナミクスに持っていきましょう。

5. ラウドネス

ここではラウドネス「LUFS」の確認や、「True Peak」の確認などが行えます。

個人でマスタリングをする人にとっては重要な画面で、ストリーミングサービスや配信媒体によってラウドネスを変えたり、トゥルーピークを確認してDA変換時に起こるデジタルクリップを回避するために使います。

トゥルーピークについてもっと深く理解したい人は、こちらの記事が参考になります。

参考: インターサンプルピーク/トゥルーピークの復習をして、Ceiling設定について考える – soundevotee.net

まとめ

今日はMetricABを紹介してきましたが、iZotope「Tonal Balance Control」とあわせてリファレンスをチェックすると、さらに効率よく理想のミックスに近づけることができるので、こちらもぜひチェックしてみてください。

ミキシングやマスタリングのプロであってもリファレンスを頼りに作業することは多く、ミキシング向けに部屋や機材が整っていない僕たちが良いミックスを仕上げようとするなら、なおさらこういったツールを駆使することが大切だと思います。

ちなみにMetricABは単体だと200ドルくらいするのですが、たまにやっているセールで数十ドルまで落ちるのを待つか、サブスクのミックスバンドル「PA MIX & MASTER/mo」を使うのがお得です。

MetricABをうまく扱えればかなりミックスの精度が上がるので、ミキシングやマスタリングがうまくできないと感じている人はぜひ活用してみてください。

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