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【2020年】音楽業界って本当に衰退しているの?日本と世界の現状の違いとは

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Issey
作曲家、音響エンジニア
23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?

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AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?
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「日本の音楽は衰退した」

「CDが売れなくなった」

そんな話を、誰もが一度は聞いたことがあるでしょう。

世界的にCDが売れなくなったというのは事実としてデータにも現れていますが、果たしてこれは音楽産業の衰退と直結しているのでしょうか?

 

音楽市場には、CD市場以外にもストリーミングやライブ, グッズ販売などさまざまな収益を上げる方法があります。

日本でCDを売っているえらい人たちは大損しているかもしれませんが、世界では実は全く別の流れが起きているって知ってましたか?

今日はそんな音楽産業についてのいろんなデータを見ながら、音楽産業はこれから滅びて無くなってしまうのか, それとも成長のきざしはあるのかなどについて考えてみたいと思います。

日本の音楽業界は本当に衰退しているのか?

まず、日本のCD売上のグラフを見てみましょう。

日本のCD売上のグラフ

Music Market Focus: Japan [Latest Stats, Trends, & Analysis]

CD売上はよく言われているように、年々下がってきています。

これは世界的に見ても同じような流れで、次のグラフを見ると2000年くらいを境に減少し続けているのが分かりますね。

世界のCD売上のグラフ

The Rise and Fall of the Compact Disc

一方、日本のライブ市場は年々伸び続けているんです。

ちょっと以外じゃないでしょうか?

CD売上の減少ばかりが取り上げられるイメージですが、このようにライブエンターテイメントに関してはプラスの成長をしていることが分かります。

日本のライブ市場のグラフ

ライブ・エンタテインメント市場、前年比13.8%増で6,000億円に迫る勢い/ぴあ総研が2018年調査結果(確定値)を公表

SNSを使いこなすZ世代(18~35歳)は「ものより体験を好む」ということがよく言われていて、そういった消費の流行りもライブエンターテイメント市場を押し上げている要因の一つなんでしょうね。

 

では、次にいま流行りの「音楽ストリーミングサービス」市場についてチェックしてみます。

日本に本格的なストリーミングの波が来たのは2016年、「Spotify」が日本市場に参入した時でしょう。

Spotify

そのあと「AWA」「LINE MUSIC」など日本のストリーミングサービスもぞくぞく参入したといったイメージですね。

そのころ僕は海外サーバーを経由してSpotifyを契約していたので、「やっと日本にもストリーミングの波が来たのか!」と歓喜したのを覚えています。

ただ初めは邦楽のバリエーションがかなり少なく、招待制だったので使っている人もあまりいませんでしたね。

2019年12月20日には、やっとJ-POPの国民的大スター「サザンオールスターズ」曲(972曲)がSpotifyでも解禁になり、音楽ストリーミングサービスが日本でもかなり一般的になってきたなと感じています。

Amazon Music」もハイレゾストリーミングサービスを日本で初めてリリースさせるなど、これから一層盛り上がりそうな気配がありますね。

【比較】Spotify歴5年の僕が「Amazon Music Unlimited」を使い始めたらどうなるのか。両サービスの音質や使い心地を独自の視点で書いてみる | スタジオ翁

 

こういった要因から日本の音楽市場全体を見てみると、ストリーミングの普及やライブなどによるポテンシャルはあるものの、データとしてはここ数年収益が減少傾向にあります。

参考: 国内音楽市場3年ぶりプラス ストリーミングが33%増

2018年にようやく音楽ストリーミングの伸びが貢献して若干プラス成長しましたので、世界的トレンドにどれだけスムーズな移行ができるかが、これからの日本の音楽市場の鍵になるかもしれません。

世界の音楽業界は衰退しているのか?

つぎは、世界市場に目を向けてみましょう。

世界の音楽市場は日本よりもかなり早い段階でストリーミングに移行おり、その影響もあってか2018年には音楽業界全体で過去最高の収益増加率をあげています。

参考: Global Music Report 2019 – PDF

2014年には、全世界で販売されたデジタル配信楽曲とアナログCDの売上において、初めてデジタル配信楽曲がCDの売上を追い抜いたことが発表されました。

日本で最近になってやっと音楽ストリーミングが定着してきたことを考えると、世界レベルではかなり早いスピードでCDからストリーミングへ移行していっていることが分かりますね。

参考: ついに全世界でのデジタル配信楽曲の売上がCDの売上を上回る – GIGAZINE

 

またライブ市場においても、ここ数年は世界規模で収益が拡大しています。

世界のライブ市場のグラフ

Live Nation Entertainment’s revenue from 2006 to 2018 Published by Amy Watson

アーティストが稼ぐフィールドを配信からライブに移行していることからも分かるように、ライブ収益というのは音楽業界全体の収益化に大きく貢献していることがよく分かります。

Z世代やミレニアル世代が体験を重視するというのは、日本だけでなく世界的な流れでもあるようですね。

これらのことから、世界的に見て音楽市場は衰退どころか拡大を続けているということが見て取れるでしょう。

実は世界的に見ても巨大な日本の音楽業界

このように世界に比べて遅れていると言われる日本の音楽市場ですが、実は世界の音楽市場において日本は第二位の市場規模を誇っています。

世界の音楽マーケットの規模2018

これまた、かなり意外なのではないでしょうか。

日本人はいまだCDなどのデバイスで音楽を買い支える続ける人々がいるのに加え、AKB48などによる新しい音楽の売り方によって、巨大な市場規模をキープしているのかもしれません。

Spotifyも初めは日本の独特な市場で苦戦するのではないかと言われていましたが、今では日本の音楽ストリーミング市場の中核を担うサービスとして存在感を発揮していますね。

参考: 日本でSpotifyが失敗する3つの理由 – Forbs

今後この市場が成長していけば、日本の音楽業界もまだまだ発展の余地があると感じます。

【2020年】音楽業界って本当に衰退しているの?日本と世界の現状の違いとは | まとめ

これまで日本と世界における音楽業界について見ていきましたが、僕はこれらのデータを見る限り音楽業界は日本海外ともに、まだまだ発展していく産業だと思います。

AWAやLINE MUSIC, moraなど日本独自の音楽ストリーミングサービスはたくさんありますが、これらのサービスにもぜひ頑張って日本の音楽市場の発展に貢献してもらいたいですね。

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この記事の著者

Isseyのアバター Issey 作曲家、音響エンジニア

23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?