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ソフトシンセにアナログ感を与える5つの方法

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Issey
作曲家、音響エンジニア
23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?

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今日は、平凡なソフトシンセの音にアナログ感を与えるための、いくつかの方法を見ていきます。

やはりソフトシンセの音というのは、アナログシンセと比べるとクリーンすぎてどこか退屈に聴こえてしまうものですよね。

ところが「アナログ感を与えるためのソフト」を使えば、ソフトシンセにアナログ独特の「ゆがみ」「ゆらぎ」「ノイズ」などを加えることができ、サウンドにアナログっぽいザラつきや温かみを与えることができます。

  • ソフトシンセで作った自分の曲がどこか退屈に聴こえる
  • クリーンすぎる自分の曲にビンテージ感やアナログ感を与えたい

こういった悩みを持っている人は、この記事が参考になるかと思います。

それでは、さっそく見ていきましょう!

ソフトシンセにアナログ感を与える5つの方法

今回は、ソフトウェアを使ってアナログ感を与える方法を5つ紹介します。

おすすめプラグインも合わせて紹介するので、自分好みの方法を見つけてみてください。

サチュレーション(テープ/真空管)

「サチュレーション」というのは、テープレコーダーなどを通した時に発生する「ゆがみ」のこと。

これが音にまとまりを与えてくれたり、適度なコンプレッションによって音を太くしてくれる効果があります。

サチュレーションプラグインはかなりたくさんあるので、すべてを紹介することはできませんが、ここではおすすめの3つのプラグインをご紹介しましょう。

Soundtoys「Decapitator」

Soundtoysは、ビンテージ系エフェクトを専門に販売するプラグインメーカーで、中でもこのサチュレーションプラグイン「Decapitator」は、特に人気です。

5つのビンテージ機材をエミュレートしていて、サチュレーション量も好みで調整することができます。

参考: Soundtoys 「Decapitator」の特徴と使い方を解説!! 愛用している著名アーティストは? – スタジオ翁

Sonnox「Oxford Inflator」

Inflatorは、音圧を上げるための魔法のツールとして知られています。

ミックスバスに使う人もいますが、ソフトシンセ単体に使っても音を太くして自然なアナログ感を与えることができます。

操作がシンプルで使い勝手が良いので、かなりおすすめですよ。

参考: Sonnox「Oxford Inflator」の特徴や使い方をざっくりまとめてみた – スタジオ翁

Softube「Saturation Knob」

Saturation Knobは、無料のサチュレーションプラグイン。

ノブひとつで、簡単にゆがみを与えることができる便利なプラグインです。

使い方のコツとしては、ノブをゆっくり上げていき、ひずみが出始める少し手前でとどめておくと自然なゆがみを得ることができます。

Softube「Saturation Knob」

コーラス

コーラスを使えば、昔懐かしのポップスのような独特なステレオ感を得ることができます。

TAL-Chorus-LX

Roland「Juno」系のシンセには、独自のコーラスエフェクトが搭載されていますが、そのコーラス部分のみを取り出したプラグインを無料で手に入れることができます。

上の動画はハードウェア版ですが、Junoコーラス独特の雰囲気は感じ取れるかと思います。

これと同じものを、ソフトウェアでダウンロードすることができます。

TAL-Chorus-LX – TAL

ビンテージフィルター

音の高域や低域をカットする「フィルター」は、メーカーや年代によっていろんな製品があります。

「フィルターなんてどれも一緒じゃない?」と感じるかもしれませんが、フィルターのかかり方やレゾナンスの効きなどは、製品によって結構違っていたりするんですよね。

UAD Moog Multimode Filter Collection

Moogのフィルターはかなり有名で、そのフィルター部分だけを取り出したプラグインが販売されています。

フィルターの割にはちょっと値段が高いですが、パラメーターが細かく調整できる上、あのMoogの質感をどんなシンセにも与えることができるのでおすすめです。

Moog Multimode Filter Collection – UAD

ノイズ

アナログ機材、特にビンテージ機材の大きな特徴は「ノイズ」ですよね。

ノイズと聞くと「不要なもの」と思ってしまいがちですが、このノイズがアナログっぽさを演出する大きな鍵になっています。

曲全体で再生すると聴き取れないような少量のノイズでも、アナログっぽさを与えるのに十分な効果がありますよ。

iZotope「Vinyl 」

ビンテージノイズを与えるプラグインはたくさんありますが、中でも無料で使えるiZotope「Vinyl」は、レコードのクラックノイズやビンテージ機材のハムノイズなど、いろんなタイプのノイズを加えることができるプラグイン。

ソフトシンセはまったくノイズが発生しないので、こういったプラグインを使ってアナログ感を演出してみるのも良いでしょう。

Vinyl – iZotope

ビットクラッシャー

ビットクラッシャーは、ローファイな音を作るのに役立つエフェクト。

音の情報量をあえて落とすことによって、ビンテージサンプラーなどの質感を再現することができます。

D16「Decimort 2」

Decimort 2は、「D16」というビンテージプラグインメーカーから販売されているビットクラッシャー。

UKハウスデュオ「Disclosure」も、制作で頻繁に使っている高品質なプラグインです。

個人的にかなりおすすめのプラグインです。

Decimort 2 – Plugin Boutique

まとめ

今回紹介したのはソフトウェアを使った方法ですが、他にもNEVEやAPIといった有名なプリアンプを通すことでも、アナログ感を与えることができます。

NEVEやAPIなどをエミュレートしたプラグインはたくさんありますが、やはり実際にそういったアナログ機材を通して録音し直すと、音の変化がまったく違うようです。

僕もソフトシンセをよく使うので、こういったプリアンプが気になっているのですが、なかなか手が出ませんね…

いいものはプリアンプ単体でも10万円ほどするのでなかなか手が出ないかと思いますが、音にこだわりを持っている人は「実際にアナログ機材を通す」という選択肢も検討してみましょう。

この記事が、みなさんのお役に立てば嬉しいです。

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この記事の著者

Isseyのアバター Issey 作曲家、音響エンジニア

23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?