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【レビュー】Valhalla VintageVerb | 80年代の空気感を再現する高品質リバーブ

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Issey
作曲家、音響エンジニア
23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?

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今日は、Valhalla DSPの代表的なリバーブプラグインである「Valhalla VintageVerb」をご紹介します。

Valhalla VintageVerb – Valhalla DSP

僕もValhalla製品は普段から愛用していて、過去にはいくつかレビューも書いています。

全製品が50ドルと良心的な価格設定にもかかわらず高性能なプラグインを多数販売しているので、アマチュアからプロまで愛用者が多いですね。

いくつかの空間系プラグインが販売されていますが、VintageVerbはその名の通り、70年代〜80年代ビンテージの質感を再現できるリバーブとなっています。

Valhalla VintageVerb

さらに「ルーム」「ホール」「プレート」「チャンバー」といろんなプリセットが入っているので、一台持っておけばあらゆるシーンで役立つこと間違いなし。

この記事では、Valhalla VintageVerbの特徴や使い方、他のリバーブとの違いについて紹介していきます🙂

Valhalla VintageVerbの特徴

VintageVerbには、主に2つの大きな特徴があります。

順に見ていきましょう。

3つの「時代」をコントロール

VintageVerbは、「1970年代」「1980年代」「現在」という3つの時代のリバーブを再現することができます。

「COLOR」で各時代ごとの雰囲気を出すことができ、COLORを変えると以下のようにデザインも変わります。

現在

1970年代

1980年代

時代が古くなるごとにローファイでざらざらした質感になる傾向があります。

例えば、1970年代だとダウンサンプリングによってサンプルレートが落ち、モジュレーションはダークでノイジーになります。そしてリバーブ成分は10kHzまでしか出ません。

時代ごとの音の違いは、MIXノブを100%にして比較してみるとわかりやすいですよ。

豊富なリバーブアルゴリズム

もう1つの特徴として、VintageVerbにはいろんな種類のリバーブアルゴリズム=MODEが内蔵されています。

ホールやプレートなどの基本的なリバーブはもちろんですが、中には1970年代のドイツ製デジタルリバーブを再現した「Sanctuary」や、ゲート, リバースなどのリバーブが使える「Nonlin」といった特殊なリバーブも含まれています。

VintageVerbの「MODE」

幅広いリバーブアルゴリズムが揃っているので、どんなシーンにでも使える万能リバーブを探しているのなら、とりあえずVintageVerbを選んでおけば間違いないでしょう。

Valhalla Roomとの違い

Valhallaは初期の頃に「Valhalla Room」というリバーブプラグインもリリースしているのですが、ここでValhalla RoomとVintageVerbとの違いについて説明しておきましょう。

操作できるパラメーターの違い

まずUIを見てわかるように、操作できるパラメーターにいくつかの違いがあります。

Valhalla Roomのパラメーターは、「EARLY(アーリーリフレクション)」「LATE(リバーブテール)」という2つの画面にわかれているので・・・

・アーリーリフレクション(初期反射)のモジュレーションだけをコントロールする

・リバーブテールのステレオ感だけを広げる

といった使い方ができます。

一方、VintageVerbはこのように1画面にすっきりまとまっていますが、Valhalla Roomにはない「ローカット」がついていたりします。(が、ステレオ感を調整するパラメーターはついていません)

VintageVerbは 1画面で完結していて各パラメーターもシンプルなので、初心者でも扱いやすいと思います。

あまり細かく調整せずプリセットベースで使うという人には、このくらいシンプルな方がわかりやすいのでおすすめです。

Valhalla Roomは「ルーム」や「深めのリバーブ」に強い

Valhalla Roomのアルゴリズムは「Room」「Chamber」がその半分を占めています。

こちらがValhalla Roomのリバーブアルゴリズム一覧です。

Valhalla Roomの「MODE」

RoomとChamber以外のアルゴリズムは「深く」「暗い」空間を再現するのに最適で、「Nostromo」「LV-426」はより大きく深い空間を、「Dark Space」「Sulaco」はダークで深みのある空間を生み出すことができます。

VintageVerbにもホールリバーブはありますが、より深く広大な空間を再現するのならValhalla Roomのほうが有利かもしれませんね。

まとめ

VintageVerbは使い勝手が良いので、最近はValhalla RoomよりもVintageVerbのほうを頻繁に使っています。

もし、リバーブをValhallaのプラグインのみで完結させるとしたら・・・

基本的には「VintageVerb」を使い、よりディープでダークな空間を作りたい時には「Valhalla Room」を、幻想的なリバーブが欲しい時は「Valhalla Shimmer」を使う。

という風な使い分けが良いのではないかと思います。

リバーブも掘り出すとキリがないですが、「何か有料のものを買ってみたい!」という人には、まずは安くて高品質なVintageVerbがおすすめですよ。

気になった人は、ぜひ体験版を試してみてください。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました🙂

Valhalla VintageVerb – Valhalla DSP

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この記事の著者

Isseyのアバター Issey 作曲家、音響エンジニア

23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?