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Ultrasone「Signature Master」マスタリングにも最適な理想のモニターヘッドフォン

ultrasone signature master

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

Issey
作曲家、音響エンジニア
23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?

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ここ数年Phonon「SMB-02」というヘッドフォンを使い続けていたのですが、モニタースピーカーをAmphionにしてからというもの、Phononの音の解像度にイマイチ納得がいかない日々が続いていました。

Phononの音は「スタジオのラージモニターをヘッドフォンで再現する」というコンセプトなんだと思いますが、確かに超低域はとてつもなく出ているものの、それ以外の帯域をバランス良くミックスできるかと言われれば、正直難しいなとも感じていました。

そして去年、たまたま中野のフジヤエービックに行った時、発売前のUltrasone Signatureシリーズが試聴できたので他のヘッドフォンと聴き比べをしたところ、圧倒的なバランスとコスパの良さに感動し、購入に至りました。

今日はこのUltrasone「Signatire Master」のメリットや、数ヶ月使ってみての感想などをお伝えしていきたいと思います。

音のバランスとコスパがとにかく良い

コスパが良いと聞いて「1〜2万円かな?」と思った方には残念なお知らせですが、Ultrasone Signatureシリーズは全部で3種類あって8〜14万円くらいの価格帯です。

Ultrasone「Signature Master」- サウンドハウス

それでもコスパが良いと感じるのには理由がありまして・・・

フジヤエービックで試聴したヘッドフォンには、数十万円クラスの「HEDD」「Audeze」「final」「HIFIMAN」などもありました。

他にも「Tago Studio」「Austrian Audio」などいろいろ試してみたのですが、Ultrasoneには「この値段でこの自然でクリアなサウンドが出るのか・・・」という驚きがあったのです。

最新のUltrasoneには「DDF」「S-LOGIC 3テクノロジー」といったさまざまな技術が使われており、広い音場とモニタースピーカーで聴くような自然なサウンドを実現しています。

ヘッドホンでより自然なリスニング環境を提供する「3次元サウンド・ローカライゼーション」。 ULTRASONEは、過去30年以上にわたり、自然なサラウンドサウンド再生のために、あらゆる側面と細部に至るまで、洗練、調整し完璧なものにするために、広範な研究開発を行ってきました。
ご存知のように、これらは演奏の感動をヘッドホンで伝える品質に大きな影響を与えます。
ULTRASONEの情熱は、独自のS-Logic技術により、音や音楽の微細なニュアンスや記録を再現することにあります。最新テクノロジーとなるS-Logic 3は、自然な空間効果に反映された革新的なデザインに基づいています。プロのスタジオモニターとは事実上切り離せないリスニング体験であり、ラウドスピーカーとは異なり、部屋の音響特性に左右されません。

https://www.aiuto-jp.co.jp/information/entry_1346.php

音のバランスに関して言えば、音楽が気持ちよく聴こえるということよりも、「バランスの良い出音でミキシングにおいて細かい部分までよく見える」ということにフォーカスしてヘッドフォン選びをしていたのですが、Ultrasoneだけがその条件を満たしてくれていたように思います。

Ultrasoneに出会うまでは「Audeze LCD-4」を狙っていたのですが、Ultrasoneの方が好みの音質でしたね。

DDF技術によりスピーカーのような独特な音場を再現

Ultrasone Signatureシリーズには、初めて聴くと少し戸惑ってしまうような独特な音の広がりがあります。

これは、DDFというヘッドフォン内部にある「赤いパーツ」によるものだそう。

ダブルデフレクターフィン

DDFはS-Logic 3テクノロジーの一部として特許出願中の最新技術です。音場の中に特別に配置され、音のイベントの強さがセグメント化されます。これにより、指向性のある中高域の信号成分はほとんど変化せず、低い中低域が部分的にマスキングされて指向性を持ち、その面的な出口分布が変化することで、S-Logic効果がさらに洗練されます。この重要な機能により、リファレンススタイルのスタジオサウンドを得ながら、開放感を向上させることができます。DDFは、多層構造のステージを作り出し、より大きなサウンドの幅、ディテール、深さを実現します。空間のイメージが自然に現れ、分離感と透明感に優れています。振動板の中心部はほとんど影響を受けませんが、関連する低周波の音場はDDFの周りを流れなければならず、変化が生じます。この結果、リスナーにとっては、よりリニアな音の感覚が得られ、プロのユーザーにとっては特に重要な信号知覚が強化、奥行きと距離感が大幅に改善されます。このS-Logic®3技術により、ULTRASONEは自然な立体感を生み出す完璧なナチュラルサラウンドサウンドへと大きく前進しています。

https://www.aiuto-jp.co.jp/information/entry_1346.php

音を電気的にいじって音場を変化させるのではなく、このようなパーツによってアナログ的に音を変化させ、音の深みを表現しているというのは面白いですね。

聴き慣れていないと「どこから音が鳴ってるんだ?」といった感じになりますが、慣れてくるとハマってしまう気持ちよさがあります。

どのモデルを選ぶのが理想か?

Ultrasone Signatureシリーズには「Master」「Pulse」「Natural」の3種類がありますが、僕のおすすめは断然バランスの取れた出音の「Master」です。

迷ったら「Master」を選びましょう!

自宅やスタジオでのミキシング・マスタリング用途だと「Master」一択ですが、「Pulse」は低域がしっかり出ているのでDJやクラブ・ライブハウスでのPAなどに最適です。

大きな音が鳴っている環境だと、Masterの低域では物足りないんですよね。

「Natural」も試聴しましたが、正直これを選ぶなら上位モデルの「Master」を選ぶ方がいいんじゃないかと感じました。

すぐに聴くのをやめたのでどんな音かあまり覚えていないのですが、あまり特徴のない音だったと思います…

まとめ

外出先でも解像度の高いヘッドフォンを使って作曲やミキシングをしたいということでSignature Masterを購入したのですが、今のところとても満足しています。

先日紹介したdSONIQ「Realphones」をあわせて使うと、さらにヘッドフォンでのミキシングが楽しくなるでしょう。

Signature Masterはミキシングやマスタリングに焦点を当てて作られたモデルだと思いますが、リスニング用途だとつまらないのかと言われれば決してそんなことはなく、アコースティックものやクラシックを聴けば、たちまち生楽器の良さを最大限に引き出してくれる最高のリスニングヘッドフォンとなります。

2021年の秋に発売したばかりなので、最近はいろんな楽器屋で見かけます。

気になった方は、ぜひどこかで試聴してみてください。

Ultrasone「Signature Master」- サウンドハウス

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アイデアの出し方から作曲、アートワーク制作に至るまで、音楽制作からリリースまでの一連の流れにAIをフル活用する方法を解説しています。

この記事の著者

Isseyのアバター Issey 作曲家、音響エンジニア

23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?