今日は、ダンスミュージック好きなら必ず一度は聞いたことのある名機「TB-303」についてまとめてみました。
TB-303は今も根強い人気のあるベースシンセですが、今から40年ほど前に発売されているので、中古でも状態の良いものはなかなか簡単に手に入れられないのが現状でしょう。
しかし今は、いろんなメーカーがあのアシッドサウンドを蘇らせるべく、ハードウェアのクローンやソフトシンセとしてリリースを重ねています。
わざわざ高くてメンテナンスが大変なオリジナル品を買わなくても、簡単に303サウンドが手に入れられる便利な世の中になったんですね。
そんなTB-303のサウンドを手に入れるための、機材やソフトシンセについて紹介していこうと思います。
この記事は、こんな人におすすめです。
それではまず、「TB-303って何?」というお話から見ていきましょう。
TB-303とは?
Roland TB-303 Bass Line In Action
これがRolandが1982年に発売した名機「TB-303 」ですが、音楽好きならこのウニョウニョしたアシッドサウンドを一度は聴いたことがあるのではないでしょうか?
ちなみに「アシッドハウス」というジャンルの音楽は、このTB-303を使った音楽を指すことが多いです。
アシッドとは「LSD」という幻覚薬の隠語ですが、その名の通り、このLSDを摂取した時に起こる幻覚作用を思わせるようなサウンドのことを「アシッドサウンド」と呼びます。
「リル・ルイス」「リッチー・ホウティン」「エイフェックス・ツイン」などの有名アーティストを始めとする、さまざまなアーティストがこのサウンドに取り憑かれ、40年ほど経った現代でもまだまだ多くのアーティストたちがこのサウンドで曲を作っています。
聴けば一瞬で「TB-303の音だ!」と分かってしまうほど特徴的な音で、他のシンセではなかなか再現できないというのも、長年愛され続けている理由の一つなのでしょう。
TB-303が使われている3つの名曲
TB-303が使われている曲は挙げるとキリがないので、ここでは以下の3つだけご紹介します。
Daft Punk – Da funk
Daft Punk – Da Funk
まずは、Daut Punkのこちらの曲。
曲の中盤あたりから、303の荒々しいサウンドが使われていますね。
PHUTURE – ACID TRACKS
PHUTURE – ACID TRACKS (1987) VINYL
TB-303といえば、このダンストラックを思い浮かべる人も多いかもしれません。
いまだに、クラブでもかかっているほどの名曲です。
303を知らないという人でも、一度聴けば結構耳に残ってしまう中毒性のある一曲です。
Charlotte de Witte – Selected
Charlotte de Witte – Selected
こちらは、人気急上昇中の女性DJ「Charlotte de Witte」による2019年リリースのテクノトラックです。
303の音が、序盤から終盤までふんだんに使われています。
このように303サウンドというのは、今だに有名プロデューサーに使われ続けている人気のサウンドであることが分かりますね。
さて次からは、TB-303のクローンをハードウェア, 有料ソフト, 無料ソフトと順に見ていきますよ。
TB-303のクローン – ハードウェア編
クローンとはオリジナルのTB-303を再現したものですが、単にサウンドをコピーしているだけではなく、オリジナルにはない新しい機能を加えたりすることで機能性がアップしているものも多くあります。
TB-303はMIDIにも対応していないので、音の好みはさておき、利便性を考えるとクローンの方が合っているという人もいるかもしれませんね。
AIRA TB-3
AIRA Start – TB-3 (a short tutorial)
2014年にAIRAシリーズとして発売されたこちらのクローンは、タッチパネルによってパターンが組めるのが特徴です。
直感的なインターフェースで、パフォーマンスなどでも活躍してくれそうですね。
Roland TB-03
Free Roland TB 03 Patterns
AIRAシリーズの後に発売されたTB-03は、当時のTB-303パネルをリアルに再現しています。
小型なので若干操作性が悪いのが難点ですが、本家Rolandがクローンとして再現しているので、音に関しては信頼できそうです。
Acidlab Bassline 3
acidlab Bassline3 – Demo#01
Acidlabは「TR-808」というドラムマシンを再現した「Miami」も有名です。
こちらの「Bassline3」は、ライブでも使っている人をたまに見かけますね。
CYCLONE ANALOGIC TT303
Cyclone Analogic TT-303 Bass Bot – Sound Demo (no talking)
価格は先ほどの「Bassline3」と同じくらいですが、日本だと売っているところが限られていますね。
サウンドハウスやAmazonは取り扱っていないようです。
Behringer TD-3
Introducing the TD-3 Synthesizer
またまたベリンガーがやってくれましたね。
ここ数年、ビンテージの有名機材をこれでもかというほど再現しまくっています。
3/19発売ということですが、まだオンラインストアには並んでいない模様です。
2020/3/19発売予定
TB-303を再現する有料ソフトシンセ
TB-303は、ソフトシンセでも再現されているんです。
ここでは3つ、有名なものを紹介していきましょう。
Roland Cloud TB-303
TB-303 Quick Start
まずは本家Rolandが再現した、こちらのプラグイン。
動画のようにソフトウェアならシーケンスも細かく組めるので、扱いやすさに関してはハードウェアよりも優れていますね。
AudioRealism ABL3
Bass Line 3 – Showcase
「ABL3」は、303のモデリングソフトシンセとしてもっとも支持されているのではないでしょうか。
音も良くて使いやすいので、かなりおすすめです。
デモ版もあるので、じっくり試してから購入できますよ。
D16 Group Phoscyon
D16 Group “PHOSCYON ” Bass Line
「D16」といえば、プラグインエフェクトで有名なメーカーですね。
値段が安いので、気軽に購入できるのもメリットです。
TB-303には無料版のソフトもある?
無料でもいくつかのソフトを見つけることができますが、結構リンクが切れていて使えないものも多いんですよね。
今でもダウンロードできる2つの無料ソフトを見つけたので、ここで紹介しておきます。
・Muon Software Ltd – Tau Bassline
・antto’s Stuff – Venom VB-303 – Windowsのみ
無料でも意外としっかり303サウンドを再現しているので、遊びで303の音を使ってみたいという人は、こういった無料ソフトでも十分楽しめるでしょう。
本格的に取り組みたくなったら、有料ソフトかクローンの購入を検討してみるのが良いかもしれませんね。
Roland TB-303のクローンやVSTプラグインをまとめてみた | まとめ
「x0xb0x」という有名なTR-303の手作りキットもあるのですが、ちょっとマニアックすぎるかなと思ったので今回は省きました。笑
オリジナルのTB-303は、大きな中古楽器店なんかだと品質の良いものが置いてあったりしますが、値段は30万円ほどするのでなかなか気軽に買えるものではないでしょう。
クローンなら10万円以下でMIDIなどのシンク機能にも対応し、メンテナンスの心配をする必要もありません。
クローンでもメーカーによって音が違っていたりするので、気になった人は実際に楽器店で試奏してみることをおすすめします😌