ミックスにカセットテープの「あたたかみ」を
みなさんはDAW内で完結するミックスは何か物足りないと感じたことはないでしょうか?その原因は様々ですが、綺麗なバランスでミックスしていてもプロの曲と何か違うと感じるのは「アナログ感」が不足した「綺麗すぎる音」が原因かもしれません。
「アナログ感」を付加するプラグインは数多く出ていますが、今から紹介する「 SMACKOS TAPE STATION」は、自然に倍音成分を加えて「あたたかみ」や「やわらかさ」などを加える「Waves Kramer Master Tape」や「Slate Digital Virtual Tape Machine (VTM)」などと違い、もっとわかりやすい昔のカセットテープのようなある種の「汚れ」や、カセットがもつ独特の「風味」をプラスするものとなっています。
フリーで使える「SMACKOS TAPE STATION」の魅力
こちらで「SMACKOS TAPE STAION」の効果を「Legowelt」本人が紹介しています。
結構長いので効果をすぐ知りたい方は、こちらのドラムだけ聴いてみてください。
カセットテープの音を聴いたことがある方は、あの独特の空気感がお分かりだと思います。レコードも、CDとはまた違った「やわらかさ」がありますよね。
綺麗じゃないけどなんか味がある。
そんなカセットテープの音を8つのパラメーターを操作して、簡単に再現できるのがこの「SMACKOS TAPE STATION」なのです。
ちなみにフリーですが「Ableton」専用のプラグインです。
僕の普段使いのDAWはLogic Proですが、このプラグインが使いたいがためRewireという方法で、わざわざAbleton Live内でドラムの音を制作したりしています。
「Legowelt」の実にクリエイティブな作曲方法
このプラグインを監修した「Legowelt」について少し触れておきます。
彼はテクノのDJ/プロデューサーで、YouTubeをみてみるとDJだけでなく曲制作の動画もいくつかでてきます。
その中でもこちらは、ここ最近で一番おもしろい動画だったので貼っておきます。
後半では自分のミックスをテープシュミレーターではなく、実際のカセットテープで録音しているのもおもしろいですね。
ちなみにLegoweltが使っているテープミキサーは「Tascam Portastudio 414 mk2」といって、たまにヤフオクでも一万円程度で売っています。
「SMACKOS TAPE STATION」の無料ダウンロード
ダウンロードはこちらのページでできます。
この他にも808のエミュレートソフトやクラップシンセサイザーなどもおもしろいですよ。
「SMACKOS TAPE STATION」の使い方
英語がわかる方はこちらを参考にしてみてください。
パラメーターの効果だけこちらにまとめておきます。
HOT: インプットレベルです。
これを上げることで中域から高域にかけて歪みを生じさせます。
HEAD ALLIGN: オーディオの位相応答を変化させます。
TAPE SPEED: テープスピードを変えます。上げるとより高域がでて、下げると耳障りな高域がまろやかになります。
BIAS: 周波数の反応とディストーションの調整をします。
TAPE NOISE: ノイズの量を調整します。
NOISE FILTER: ノイズに対するフィルターです。下げるとまろやかになり、ノイズが目立たなくなります。
PITCH WOBBLE: テープの不完全さを再現します。
ワウやフラッターと呼ばれているものです。
TAPE PHAT: テープコンプのファットさを操作します。磁性粒子のサチュレーションを再現しています。上げることで自然に低音と高音が前にでて、明るくなります。
まとめ
いかがでしたでしょう。実際触ってみるとわかりますが、音がかなり変化するので触っていてとてもおもしろいですし、今まで馴染みのあったシンセの音色なども大胆に変化するので、あらゆるものにさして効果を調べてみるのも楽しいでしょう。
「SMACKOS TAPE STATION」で自分だけの音を探して、音楽制作に役立ててみてはいかがでしょうか。