音楽を購入できるサイトはいろいろありますが、DJをする方は大手ダウンロードサイト『Beatport』を使っている方が多いのではないでしょうか。
Beatportといえば音源を購入する時にまず思い浮かぶサイトで、使い勝手もよく膨大なリリースを取り扱っています。
クーポンやキャンペーンもあるので、時期によっては半額で購入することもできます。
今まで購入した曲に応じて自動でおすすめの曲をリコメンドしてくれる機能なんかもあって、自分の好きな曲が探しやすいのですが、ランキングやリコメンド機能にばかり頼っていると、他の人と似たような選曲になってしまうことも・・・
今回ご紹介する『Bandcamp』はレーベルに所属していない個人でも気軽に曲を販売できるサイトです。かといってクオリティの低い曲ばかりが集まったサイトではなく、名の知れたレーベルもBandcamp上で運営していたりと良質なリリースが数多くあります。
クラブなどでよくかかる曲が実はBandcampにしか売っていなかったということもありますし、小さなレーベルは手数料の高いBeatportを離れてBandcampで運営しているところもあるので、掘り出し物レーベルやアーティストを発掘することもできます。
今回は、Bandcampで曲を購入するメリットや使い方、購入方法などの情報をまとめました。
今までBeatportしか使っていなかった人や、Beatport以外の良質なダウンロードサイトを探していたという人におすすめの記事です。
Bandcampで曲を購入するメリット
大手サイトで販売していない曲がある
BeatportやTraxsource, JunoDownloadなど音楽ダウンロードサイトはたくさんありますが、Bandcampがこれらの大手サイトと違うのは個人で楽曲を販売できるという点。
レーベルなど中間業者を通さないので、販売価格を安く設定していてもアーティストに多く還元されます。
そのためBeatportなど大手サイトを使わず、Bandcampのみで販売しているというアーティストも数多く存在しています。
他にはない格安価格の曲やアルバムがある
Bandcampでは売り手が自由に価格設定をすることができますので、アルバム1枚100円といったリリースが見つかることもあります。
そのクオリティもアーティストによって大きく差がありますが、100円のアルバムに入っている曲だからそれ相応のクオリティだということは全くなく、通常のアルバム料金でも十分売れるだろうと感じるリリースもたくさんあります。
フルトラック試聴できる
ほとんどの楽曲は、最初から最後まで試聴できます。
一般のダウンロードサイトは曲の一部しか試聴できないため、買ってみて想像と違う曲だったということがよくあるので、これはとても便利な機能ですね。
スマホでもフルトラックでの試聴ができますが、調子に乗って何回も聴いていると「回数制限のためこれ以上聴けません」と表示されるので注意しましょう。
大手ダウンロードサイトBeatportとの違いとは
MP3もWAVも値段が変わらない
BandcampはMP3, WAV, AIFFなどさまざまなフォーマットを提供していますが、すべて同じ値段でダウンロードすることができます
WAVやAIFFなどは非圧縮音源、つまり「ハイレゾ音源」です。
MP3からハイレゾ音源まで同じ値段でダウンロードできてしまうなんて、なんと良心的なサイトなんでしょう。
これはBeatportにはない、大きなメリットの一つですね。
グッズも販売している
BandcampはT-シャツやレコードなど物理的なフォーマットでの販売にも対応していますので、好きなアーティストがいればグッズも購入することができます。
ジャンルが幅広い
BandcampはBeatportのようにダンスミュージックに特化したサイトではなく、ポップからフォーク、エクスペリメンタルまでさまざまなジャンルの曲があります。
クオリティはアーティストによってまちまち
個人でも手軽に曲を販売できるため、どうしてもそれぞれにクオリティの違いは出てきます。
売上ランキングを活用したり、Bandcampの中でも信頼できるレーベルやアーティストを探してフォローするのがよいでしょう。
また、アーティストがBandcamp内での購入履歴を公開していることがあるので、信頼のおけるアーティストがそのような情報を公開している場合は要チェックです。
Bandcampでのダウンロード手順と支払い方法
では実際に、購入してダウンロードするまでの手順をみてみましょう。
まず欲しい音源を探して、このようなページまでいきます。
こちらの音源はレコードでも販売していますが、データ音源の方を購入したいと思います。
こちらはアルバムなので「Buy Digital Album」というボタンを押しましょう。
すると金額入力画面がでてきます。
金額入力画面の右側に(€6.99 or more)と表示がありますが、これは最低購入金額が6.99ユーロですよという意味です。
6.99ユーロで購入できますが、もしこのアーティストを応援したいならそれ以上の金額を入力することもできます。
こういった「投げ銭」的な要素が、2020年のコロナウィルスの時期に注目を集めている理由の1つでもあるようですね。
今回は6.99ユーロで購入します。
カートにいれて買い物を続けたいなら「Add to cart」(カートに入れる)、お会計画面に行くなら「Check out with PayPal」(ペイパルでチェックアウトする)または「use credit card」(クレジットカードを使う)を押しましょう。
今回はPayPalでの決済を選択します。
支払い方法はクレジットカードとPaypalの2種類です。
どちらを選んでも金額は変わりませんが、Paypalアカウントは海外サイトでのダウンロードなどで割とよく使うので登録しておくことをおすすめします。
Paypalのホームページでクレジットカードを登録すれば、販売サイトにクレジットカード番号などの情報を与えることなくメールアドレスとパスワードのみでお買い物ができるので、海外サイトでも安心して使えますよ。
最後に日本円換算でいくら支払うのかという表示と共に、確認画面がでてきますので「同意して支払う」ボタンを押して購入を確定しましょう。
これで購入手続きは完了しました。
こちらのダウンロード画面がでてくるので、各種フォーマットから好きなものを選んでダウンロードしましょう。
値段は、MP3でもWAVでも変わりません。
DJで使いたい方は、音質にこだわるなら「WAV」か「AIFF」、これらのフォーマットより容量が軽く「現場で使える最低限の音質であればよい」ということなら「MP3」を選択しましょう。
「MP3」は音が悪いという人がいますが、クラブのような場所ではその違いはほとんど分かりません。
ただし、ビットレートが「320kbps」を下回る音源だと極端に音質が悪くなるので、MP3を使うなら必ず320kbpsのものを使いましょう。
これに関しては、こちらDJはWAVかMP3どちらの音源を使うべきか?の記事にまとめました。
フリーダウンロードはあるのか
Bandcampには、無料でダウンロードできる曲があります。
Bandcampでは購入時に自分の好きな金額を入力できますが、まれに最低価格設定なしという曲やアルバムもあります。
このような曲は、金額のところに「0」と入力すれば無料でダウンロードが可能です。
無料でなくても、最低価格を$0.5(およそ50円)の格安価格に設定しているアルバムも多数あるので、そういった掘り出し物を探すのもBandcampの魅力の1つですね。
割引クーポンはあるのか
これはおそらくありません。
特定のファンに向けてメールやTwitter用にクーポンを発行することはできますが、どの購入にも使えるクーポンというものは存在しないと思います。
Bandcampにクーポンコードを入力する画面もないので。
参考: How do I set up a discount code?
豊富なアプリでスマホ管理もらくらく
Bandcampには2種類のアプリがあり、どちらもiPhoneとAndroidに対応しています。
※アプリ内での購入はAndroid端末のみとなります。
「Bandcamp」アプリ
これはファンの方が使うためのアプリで、主に以下のことができます。
- 購入済みの曲をストリーミング再生できる
- ほしい物リストを確認できる
- 登録したアーティストやレーベルの新着情報を見られる
- 曲やアーティストを検索できる
- Bandcamp WeeklyというBandcampが発信する、週刊マガジンを観ることができる
割と使い勝手のよいアプリで、未購入の楽曲もフルで試聴できるので外出先で購入を検討することもできます。
入れておいて損のないアプリです。
「Bandcamp for Artist」アプリ
こちらは曲を販売したいアーティストやレーベルのためのアプリです。
曲の売り上げや再生回数の推移を確認したり購入してくれたファンに向けてメッセージを送ったり、グッズの販売管理もここで行うことができます。
簡易的なアプリですが、ここで売り手にとって最低限の機能が使えるようになっています。
【2021年版】Bandcampの使い方とそのメリット – 大手ダウンロードサイトBeatportとの違いとは | まとめ
Beatportで売っている楽曲も、まれにBandcampで売っていることがあります。
WAVなどの音源は追加料金のかからないBandcampで購入した方がお得な場合もあるので、より安く購入したいなら両方チェックしてみるのもよいでしょう。
楽曲を探すときはBandcampも候補に入れれば、他の人と差がつく選曲が可能になるかもしれません。
新しい音楽を発掘したいという方は、ぜひ利用してみて下さい。