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MacでDTMを始める5つのメリット

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Issey
作曲家、音響エンジニア
23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?

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MacでDTMを始めたいんだけど、Windowsと比べてどんな違いがあるんだろう?Macにしかないメリットも知りたいな。

今日はこんな疑問に答えていきます。

僕は10年ほどMacを使ってDTMをしているので、音楽制作において、Macでどのようなことができるのかを理解しています。

WindowsにするかMacにするかというのは、DTM用パソコンを選ぶ上で最初に考えるポイントだと思いますが、これに関しては昔からいろんな意見がありますよね。

「Macは高い!」

「ひと昔前は、Macでの音楽制作が主流だったけど、今はWindowsの方がいいよ。」

このような声をたまに聞きますが、実際のところはどうなのでしょう?

MacのメリットやMacに関する疑問、本当にMacを選ぶ価値はあるのか?というところを長年のMacユーザーならではの視点で解説していきます。

「DTM用のパソコンにMacを検討している」という人は、ぜひ参考にしてみて下さい!

「MacでDTM」の5つのメリットを紹介

早速、MacでDTMを始めるメリットについて見ていきましょう。

僕が考えるメリットは、主に以下の5つです。

1. Logic Proが使える

まずは、この「Logic Pro」というDAW(音楽制作ソフト)が使えるのは、大きな魅力でしょう。

楽制作するために必ず必要になる「DAW」にはいくつも種類がありますが、Logic ProはDTM初心者だけでなくプロにも愛用者がかなり多いのが特徴ですね。

他のDAWが4〜8万円する中、Logic Proは3万円という安すぎる価格設定にも関わらず、他のDAWと同じくらい充実した内容になっています。

  • ソフトシンセ
  • オーケストラ音源
  • エフェクト系プラグイン
  • サンプラー音源

もちろんこのような音楽制作に必要なソフトはすべて始めから内蔵されているので、購入したらすぐにDTMを始めることができます。(後から課金みたいなシステムもありません)

Appleには「Garage Band」という無料DAWもついているので、まずはそこから始めて、やりたいことが増えたり無料版では満足できなくなったら購入するというカタチでも良いでしょう。

参考: Logic Pro X – Apple(日本)

2. プロ御用達のUADシステムが使える

正直、僕の中では「UAD」が使えるというのは、Macを選ぶ上で一番のメリットだと思います。

これは高価なソフトなので、DTMを始めたばかりの人が使うものではないのですが、めちゃくちゃ質の高いミキシング/マスタリング系プラグインばかりなので、音楽制作を極めていく人はいずれお世話になるかと思います。

参考: 【解説】UADって何? – 5年以上UADを愛用する僕がおすすめプラグインと共に解説していく – スタジオ翁

一応、UADはWindowにも対応しているのですが、それは一部の機能だけであって、UADユーザーが使える「LUNA」という素晴らしいDAWも、今のところMacユーザーしか使うことができません

なので、このシステムが気になる, そのうち使いたくなるかもしれないという人は、始めからMacを選んでおくべきでしょう。

3. 便利すぎるiPhoneとの連携

もしお持ちのスマホがiPhoneなら、ファイル共有が爆速でできるのでとても便利です。

Appleには「AirDrop」というBluetoothを使ったファイル送受信システムがありますが、これを音楽制作でよく使うのは、パソコンで作ったデモ音源をiPhoneで持ち歩いて外で聴きたいという時です。

曲が完成間近になると、他のスピーカーやイヤホンなどいろんなシステムでその鳴りを確認したくなるものよね。

(しかも僕はけっこう頻繁に確認したくなるので、ファイル送信のたびに時間が取られるのはどうしても避けたいのです。)

そんな時でもAirDropを使えば、ほんの数秒で簡単に曲データをデバイス間共有することができ、メールやDropboxなどを使って共有するよりもはるかに時短になります。

iPhoneユーザー限定ではありますが、これは結構大きなメリットだと思いますね。

4. 直感的な操作性, 洗練されたUI

Macには「Magic Trackpad」や「Magic Mouse」といった、直感的に操作できるスペシャルなマウスやトラックパッドが付いています。

最近は似たような機能がWindowsにも搭載されているので、これらのメリットというのはそこまで大きくないかもしれませんが、こういった機器系だけでなくMacの画面は操作性や扱いやすさにも優れていて、美しく使いやすいのも魅力の一つです。

僕はスティーブ・ジョブズが大好きなので彼の洗脳を大きく受けているとは思いますが、それを抜きにしても素晴らしいユーザーインターフェースだと思いますよ。

音楽制作をする上では、視覚的な部分でテンションを上げていくのも大切ですからね。

5. OSアップデートが無料

Windowsは、OSのアップデートごとにお金がかかりますよね。

Macはアップデートがずっと無料なので、最初にお金を払ってしまえばアップデートごとに費用はかかりません。

Macは初期費用こそ高いですが、ウィルスソフトも必要なかったり最新OSをゲットするのにもお金がかからなかったりと、購入してしまえばその後あまりお金がかからないという嬉しい面もあります。

「MacでDTM」にデメリットはある?

Macのメリットについていろいろ見てきましたが、ここからはあまり語りたくない「デメリット」について見ていきますよ。

1. 値段が高い

はい、高いです。

もちろん性能が良いのは確かなんですが、Macってけっこう高いんですよね。

ただ、Macは先ほどのメリットでもお話しているように、購入後にあまりお金がかからないのです。

Logic Proは他のDAWに比べて激安だし、ウィルスソフトや最新OSアップデートにもお金が一切かかりません。

そういったことを考慮すれば、Macがバカみたいに高いってことはないんじゃないでしょうか?

僕は、そう自分に言い聞かせています・・・

2. Mac未対応のDAWが存在する

Mac未対応の無料DAWに「BandLab Cakewalk」っていうのがありますね。

もともと「Sonar」という有料DAWだったので、これが無料で使えるというのはWindowsユーザーにとって嬉しいポイントでしょう。

でも、Macに対応していないDAWってこれくらいですよね?

「FL Studio」という有名なDAWも最近Macに対応しましたし、ほぼすべてのDAWはWindowsとMacのどちらでも使えます。

最近のプロデューサーで「Cakewalkをメインで使ってます!」って人もまず見たことないので、「未対応のDAWがある」というのはほぼ無視していい問題であることが分かるでしょう。

3. Windowsに比べて拡張性が低い

MacはWindowsに比べて、後からスペックを変更しにくいと言われていますが、これは「メモリ」と呼ばれる部分を後から増設できない機種があるためでしょう。

これに対処するには、

  • 最初から余裕をもってメモリを積んでおく
  • 後から拡張できる機種を選ぶ

これにつきます。

僕はiMacを使っていましたが、メモリが足りないなと感じたので購入後に増設しました。

こうやって購入後に増設できるものもあればできないものもあるので、拡張できない場合は初めからメモリの高い機種を購入すればOKです。

「MacでDTM」に関する3つの疑問

さて、ここまでMacのメリットもデメリットも見てきました。

ここからは、よくあるMacの疑問についてお答えしていきましょう。

1. MacはWindowsに比べて対応ソフトが少ないって本当?

これは本当です。

ただし、「フリーソフトに限った場合の話」と付け加えなければいけません。

Windowsは圧倒的に無料ソフトがたくさんあるので、正直「うらやましい…」と思ったことも数知れず・・・

しかし有料ソフトでいえば、Windowsにしか対応していないものは、ほぼ無いと考えて良いでしょう。

無料のプラグインはその品質もバラバラなので、「結局有料のプラグインを使ったほうが、ハズレが少なくて効率も良いな」と気づいてからは、僕はそんなに気にならなくなりましたね。

「どうしても無料プラグインでDTMしたい」という人は、Windowsを選んだ方がきっと後悔しなくて済むでしょう。

2. Logic Proを使うためにわざわざMacを買う価値はある?

う〜ん、これは微妙なところです。

僕はLogic Proを愛用していますが、ぶっちゃけ他のDAWでも同じようなことはできると思うので・・・

Logic Pro自体はかなり優れたDAWなのでもちろん買っても後悔はしませんが、本当はWindowsが好きだけどLogic Proを使ってみたいという理由だけでMacを検討している人には、「別にそんなお金かけなくてもいいDAWはいっぱいあるよ?」と言ってあげたい。

Logic Proを使ってみたいしMacにも惚れこんでしまったという人こそ、Macを選ぶべきでしょう。

3. Macbook AirでもDTMはできる?

簡単なオーディオ編集くらいなら問題なく出来ます!

ただし、ソフトシンセを大量に使う人や本格的に音楽制作したいという人は、やめておいた方がいいですね。

音楽制作って結構パソコンに負荷がかかるので、「バウンス」や「フリーズ」といったワザを使って低負荷でパソコンを使えるという方なら別にいいですが、初心者でMacのノートパソコンを選ぼうとしている人なら、Macbook Proを選んだ方が絶対にいいですよ。

M1 Macの対応状況

最近Appleからリリースされるパソコンのほとんどは、インテル製のプロセッサーではなく、「M1」や「M2」というApple独自のプロセッサーを搭載しています。

もうほとんどのプラグインがM1に対応しているので、あまり気にする必要はなく、対応していないプラグインがあればRosettaというモードでDAWを起動すれば使うこともできます。

「今から音楽制作を始める」という人ならあまり問題ないかもしれませんが、昔から使い慣れたプラグインがある方は、購入時にはこういったプロセッサー事情を考慮する必要があるかもしれません。

MacでDTMを始める5つのメリット | まとめ

サクッと「MacでDTM」についての、僕の考えをまとめてみました。

Windowsと比べた場合、「対応ソフト」などに関するデメリットは、実はフリーソフトに限った話であまり関係ないということ、「値段」の問題もMacなら購入後の費用がいろんな面でかからないので、長期的にみると意外と高くないということなどが分かったと思います。

Macはデバイス間の連携なども素晴らしいので、Appleユーザーにはかなりオススメですし、UADを使いたいという人や単純にMacに憧れがあるという人もぜひ検討してみてほしいですね。

僕はどちらかと言うと、プラグインを多用するエレクトロミュージック系の音楽製作をしていますが、もしあなたがシンガーソングライターなら「たけしゃん」さんの視点も参考になるでしょう。

参考: DTMにはWindowsとMacどっちが良い?必要なPCのスペックは? シンガーソングライター目線で解説 – 弾き語りすとLABO

この記事が、Macを検討している人のお役に立てば嬉しいです。

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この記事の著者

Isseyのアバター Issey 作曲家、音響エンジニア

23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?