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【レビュー】MAKE NOISE「0-COAST」はBUCHLAとMOOGの思想が溶け合う究極のセミモジュラーシンセ

ついに、前々から狙っていたMAKE NOISE「0-COAST」を購入しました。

「0-COAST」は、比較的新しいモジュラーシンセメーカーである「MAKE NOISE」から2016年に発売されたセミモジュラータイプのシンセサイザーです。

僕自身DJライブの現場で見ることも多く、好きなアーティストがお気に入りの機材として挙げていたこともあり、ずっと気になっていました。

今回はモジュラーシンセの使い方や仕組みが全くわからない僕が、この「0-COAST」を購入してうまく使いこなせるのか, みなさんにおすすめできるシンセなのか, 肝心の音はどうなのかといったことをレビューしていきたいと思います😃

MAKE NOISE「0-COAST」をついに購入!! 使ってみた感想は?

0-COASTはセミモジュラーといって、ケーブルのパッチングなしでも音作りができるようあらかじめ内部でパッチングされているシンセサイザーです。

もちろんケーブルも付属しているので、自分でパッチングしてさらに複雑な音作りもできるようになっています。

僕はモジュラーシンセを触ったこともなかったので、この複雑そうなシンセを購入するのには少しためらいがありました

 

実際に購入して使ってみると、思っていたよりとっつきやすいシンセで拍子抜けしたのですが、それには2つの理由があります。

1. 本体に絵や記号が描いてあるので、直感的にパッチングが理解できる

2. 日本語マニュアルが親切でわかりやすい

モジュラーシンセはケーブルをどこからどこに挿すかということが分かりにくく混乱してしまいがちですが、「0-COAST」は絵や記号で入出力の箇所や内部パッチが直感的に理解できるようになっており、誤って出力から出力へ挿してしまったため音が出ないなどというミスも起こりません。

さらに日本語マニュアルが絵付きで丁寧なので、時間さえかければ誰でもその仕組みが理解できるようになっていますよ。

MAKE NOISE 0-COAST – 日本語マニュアル

モジュラーシンセの基礎を学んでみたいという方にとっても、「0-COAST」はかなりおすすめのシンセです。

 

そして気になるサウンドはというと、控えめに言っても最高でした。

自分の持っているシンセでなかなか出せなかった雰囲気の音が簡単に出せるということが、とても感動的でしたね。

ROLANDやKORG, MOOG, ARPといったこれらの代表的なシンセはすべて東海岸(イーストコースト)スタイルと呼ばれていますが、これらの方式ではなかなか作りだせない有機的な打楽器や弦楽器のような独特なサウンドを「0-COAST」では作ることができます

これによって音作りの幅がかなり広がったことは、大きな収穫でした。

 

さて、ここで東海岸(イーストコースト)スタイルという言葉が出てきましたが、東海岸があるならもちろん西海岸(ウェストコースト)のスタイルもあります。

これは「0-COAST(ノーコースト)」という製品名の由来にもなっているのですが、次はこの方式によるそれぞれのシンセサイザーの違いついて詳しくみていきましょう。

MAKE NOISE「0-COAST」はどっち? 西海岸のBUCHLAスタイルと東海岸のMOOGスタイルそれぞれ何が違うのか

I Dream of Wires – Vimeo

ほとんどのシンセは東海岸(イーストコースト)スタイルだと説明しましたが、シンセサイザーの歴史をみてみると、西海岸(ウェストコースト)スタイルのシンセも陰ながら発展してきています。

・イーストコーストスタイル – MOOGに代表される「減算方式」のシンセ

・ウェストコーストスタイル – BUCHLAに代表される「加算方式」のシンセ

「MOOG」は聞いたことあるけど「BUCHLA」は知らないという方は多いと思います。

上の動画は「アイ・ドリーム・オブ・ワイヤーズ」という映画の予告編なのですが、MOOGとBUCHLAのシンセサイザー発展の歴史について詳しくせまったドキュメンタリー映画なので、気になる方はVimeoからレンタルして観てみましょう。

これを観るとBUCHLAへの憧れとモジュラーシンセ欲が湧いてしまうので、少々危険な映画ではあります。

さて「減算方式」と「加算方式」という言葉が出ましたが、まずMOOGなど大抵のシンセに適用されている「減算方式」は、オシレーターで発信した音をフィルターなどで処理して倍音を減らしていく方式なのに対し、BUCHLAの「加算方式」オシレーターにさらに音をぶつけて倍音を増やしていくことで複雑かつ突飛なサウンドを作り出せる方式になっています。

BUCHLAは演奏のための鍵盤を付けなかったためMOOGほど流行らなかったと言われていますが、今もエレクトロニカやダンスミュージックなど一部のアーティストに根強い人気のあるシンセサイザーです。

「0-COAST」は、この東海岸(イーストコースト)と西海岸(ウェストコースト)の二つの特徴が絶妙に組み合わさって、どちらともつかない方式のシンセサイザーなため「0-COAST(ノーコースト)」と呼ばれているんですね。

MAKE NOISE「0-COAST」のデメリットはあるの?

さて、ここまでMAKE NOISE「0-COAST」の良いところばかり挙げてきましたが、デメリットはあるのでしょうか。

強いて言うなら二つあります。

1. 幅広い音作りができない

2. 狙ったサウンドが作りにくい

もし「0-COAST」に興味があるなら、これらを理解した上で購入することをおすすめします

まずパーカッシブな音や金属っぽい音などある特定のサウンドを作ることには長けていますが、いろんな種類のサウンドを作りたいという方には向いていないかもしれません。

YouTubeや実際の店舗などで確認してみて、自分好みの音が出せるかどうかを確かめてから購入しましょう。

 

また、音をぶつけて倍音を重ねていくウェストコーストスタイルは突飛で予想できないサウンドを作り出せるというところにメリットがありますが、MOOGなどの減算方式のように分かりやすくイメージしやすい音作りがしたいなら「0-COAST」は購入すべきではないでしょう。

そしてこのシンセにしか作れない音があるというメリットは、どんなに加工してもそのシンセらしい音になってしまうというデメリットにもなり得ます。

「0-COAST」は、ウェスコーストスタイルにしか出せないようなサウンドを求めている人にはかなりおすすめできる機材ですが、これらのこともしっかり頭に入れて購入を検討してみてください。

MAKE NOISE「0-COAST」は、モジュラーシンセの値段や扱いづらさが気になっていたという人に特におすすめ

「0-COAST」にはデメリットもありますが、やはりモジュラーシンセが気になっている方にぜひ手に取ってもらいたいシンセです。

MAKE NOISEはモジュラーシンセもたくさん販売しているので、セミモジュラーである「0-COAST」でシンセの仕組みやパッチの方法を学んでから本格的なモジュラーシンセに移行するのもよいでしょう。

僕もまだまだこれから使い込んでいかないといけないシンセですが、コンパクトなボディで持ち運びにも適しているので「KORG SQ-1」シーケンサーと一緒に持ち歩いて、いろんなところで音作りを楽しんでいこうと思っています。

「0-COAST」にはUSBが繋がりませんが、この「KORG SQ-1」を使うことでパソコンからUSB経由でMIDIデータを送ることができます。

ちなみに「SQ-1」は単体でも使える電池駆動式のシーケンサーなので、パソコンなしでもガンガンフレーズを作ることができますよ。

MAKE NOISE「0-COAST」はBUCHLAとMOOGの思想が溶け合う究極のセミモジュラーシンセ | まとめ

0-COASTはいろいろ購入したシンセの中でも、かなりお気に入りのシンセの一つになりました。

この音が作りたかったんだよなぁ、という音が簡単に作れてしまうんですね。

0-COASTで作れない音はソフトシンセで作るなど、ソフトとハードそれぞれの良い部分と悪い部分を補い合いながら制作を進めていこうと思います。

気になった方は、ぜひ試してみて下さい。

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