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話題のアルペジエーター「NDLR」を使えば作曲がもっと楽しくなる

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今日は、少し前に海外で話題になったアルペジエーター、Conductive Labs「NDLR」を紹介します。

NDLR – Conductive Labs

もともとIndigogoのクラウドファンディングから始まったこの製品は、コードやスケールの知識がなくても簡単に作曲ができるツールとして、海外の数多くのYouTuberやブロガーなどによって紹介されているのですが・・・

素晴らしい製品なのにも関わらず、日本語のレビューや紹介記事が一切ないので、今回購入して使ってみた感想とともに、「NDLR」の魅力について語っていきたいと思います。

プラグインで似たようなアルペジエーターはいくつか存在しているのですが、できることの幅がかなり広い、ランダムなシーケンスを作りやすい、直感的に作業ができるというところがこの製品の大きな魅力です。

綺麗なメロディーを簡単に作ったり、複雑なコードを使いこなしたいという人は、ぜひチェックしてみてください。

NDLRとは?

NDLRは、「ヌードラー(Noodler)」と呼びます。

Noodle」とは日本語で「楽器をかき鳴らす」「アイデアを探る」といったような意味ですが、その名の通り、シンセサイザーの演奏や作曲を、最高に簡単で気軽なものにしてくれます。

上の動画を観れば、NDLRのほぼ全てが理解できるのですが・・・

簡単に、NDLRを使ってできることを挙げてみると、

  • コードやスケールの知識なしでシンセを操れる
  • 最大4つのシンセサイザーに同時にシーケンスを送れる
  • LFOなどの機能で有機的なサウンドが簡単に作れる
  • 予想だにしないメロディーが作りやすい

こんな感じですね。

メロディーやコード進行で苦戦している初心者はもちろん、もっと直感的にアイデアを形にしたいという人にもおすすめできるこの万能アルペジエーター。

アナログシンセはもちろん、ソフトシンセやモジュラーシンセなどにも使えるので、シンセを持っている人なら誰でも簡単に使うことができますよ。

端子はUSBのほかに、MIDI(IN/OUT)が2つづつ、CLOCK(IN/OUT)が1つづつ付いています。

バスパワーで動くので持ち運びも便利で、解説動画を観れば、すぐに理解できるほど直感的な操作性が特徴です。

実際にNDLRを使ってみた感想

こういう類のアルペジエーターって本当に市場にあふれているので、正直あまり期待していなかったのですが、NDLRには「当たりだな…」と感じざるを得ないたくさんの魅力が詰まっていました。

言葉ではなかなか伝わりにくいと思うので、ここでNDLRと手持ちのソフトシンセを使って、サクッと作ってみたループを聴いてみてください。

あまりにも簡単にそれっぽいものができてしまったので、ちょっとビックリしましたね。

コード進行を簡単に作れるプラグインといえば、「Scaler 2」がパッと思い浮かびますが、あれよりもはるかにサクッとコード進行やメロディーを作ることができます。

参考: Plugin Boutique「Scaler 2」を導入しました – スタジオ翁

一度使ってみないと、この素晴らしさは伝わりにくいかもしれませんが、NDLRにはアイデアを素早く形にするための便利な機能がたくさん備わっていました。

中でも、「これは素晴らしいな」と感じたものをいくつか紹介していきましょう。

NDLRを使うメリット

ここでは、NDLRを使うメリットを3つ紹介します。

1. コードボタンを押すだけで、複雑なメロディーやコードを演奏できる

NDLRの中央には「ディグリーネーム(ローマ数字)」に対応した7つのボタンがあり、スケールやキーを選んでそれらのボタンを押すだけで、簡単にメロディーやコードを演奏することができます。

さらに「7thコード」「susコード」「Altコード」といった、ちょっとややこしいコードもボタン1つで演奏が可能。

シンプルなボタンですが、すごく便利で、これ以上ないほど簡単にコード進行が作れます。

2. パターンジェネレーターが直感的で使いやすい

メロディーはシンプルなものから複雑なものまで、パターンジェネレーターを駆使していろんなバリエーションを作ることができます。

パターン, アクセント, リズムなどもつまみで簡単に操作できる上、これらのつまみを駆使すれば、想像もしていなかったメロディーラインが生まれることも…

自分で細かくシーケンスを組むこともできますし、プリセットとして保存されているパターンから加工していくのも良いでしょう。

3. すべてのパラメーターにモジュレーションがかけられる

内蔵のLFOを使って、すべてのパラメーターにモジュレーションをかけることができます。

これによって、ベロシティを変化させて有機的なメロディーを作ったり、音程やシーケンスのパターンを変えることでより複雑なメロディーを作ったりすることも可能。

LFOの波形も細かく設定でき、パフォーマンスでも大いに役立ちそうですね。

話題のアルペジエーター「NDLR」を使えば作曲がもっと楽しくなる | まとめ

NDLRは、特にアンビエントや、メロディーの多い音楽を作っている人におすすめです。

ハマればかなり楽しい機材だと思うので、気になった人はぜひYouTubeなどもチェックして購入を検討してみてください。

この記事が、みなさんの参考になれば嬉しいです。

NDLR – Conductive Labs

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この記事の著者

Isseyのアバター Issey 作曲家、音響エンジニア

23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?