MENU
「週刊 スタジオ翁」ニュースレターの登録はこちら

【アコリバ】Acoustic Reviveの電源ボックス「RTP-6 absolute」を試してみた

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

Issey
作曲家、音響エンジニア
23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?

<ニュースレター>
週刊「スタジオ翁」ニュースレター
メールで毎週届く!音楽制作やAIに関する情報、世界の音楽ニュースをご紹介。

<著書>
AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?
作曲AIに関する書籍をAmazonで出版しました。
アイデアの出し方から作曲、アートワーク制作に至るまで、音楽制作からリリースまでの一連の流れにAIをフル活用する方法を解説しています。

Acoustic Reviveは、通称「アコリバ」と呼ばれるプロ御用達のオーディオメーカーです。

Acoustic Revive – 公式サイト

音質の良さはウワサに聞いていましたし、周りで使っている人もちらほら見かけることから、「どれほど良い音になるのかな?」と以前から気になっていました。

「値段が高すぎて一生買える気がしないよ…」と思っていたところ、なんとホームページを見てみると「Acoustic Reviveの全ての製品は無料貸し出しも行っています」と書かれているではありませんか!!

オーディオケーブルや電源ケーブルと様々なオーディオアクセサリが取り揃えられていますが、とりあえず効果がわかりやすそうな「電源ボックス」から試してみることにしました。

今回お借りしたのは、6口の電源ボックス「RTP-6 absolute」で、お値段は280,000円です。

自宅環境や友人の家などいくつかの場所で試してみたので、「音の感想」や「値段相応の価値があるのか?」を正直にレビューしていきたいと思います。

RTP-6 absoluteの特徴

RTP-6 absolute電源タップは、なぜこんなにも高価なのでしょうか?

それは「アコリバブランドだから」というのもあるでしょうし、徹底的に素材や工法にこだわった結果なのかもしれません。

とりあえず僕にはこの狂った価格設定の意味がわかりませんが、オーディオや電気の知識がある方ならこの製品の価値を理解できるかもしれないので、製品紹介ページのリンクを貼っておきます。

RTP-6 absolute – Acoustic Revive

とりあえずいろいろスゴイみたいですが、この説明をみても何も理解できない僕は、音を聴いてそのスゴさを判断していきたいと思います。

RTP-6 absoluteを実際に聴いてみた感想

レンタル申し込みをした次の日にはもう発送していただいたので、すぐに自宅環境で試すことができました。

まずはRTP-6の音の特徴をお伝えする前に、自宅のリスニング環境を書いておきます。

自宅のリスニング環境

今回は「自宅」と「友人宅」の2つの環境で試しました。

詳細は以下の通り。

自宅
・音源: パソコン(Tidal)
・オーディオインターフェース: Antelope Orion 2017
・スピーカー: Amphion Two18
・電源電圧: 103V

友人宅
・音源: パソコン(iTunes)
・オーディオインターフェース: ALLEN&HEATH ZEDシリーズ
・スピーカー:PHONON MUSICLIFE ML-2
・電源電圧: 103V

「オーディオインターフェース」と「スピーカー」の電源を、もともと家にある安い電源タップとRTP-6に交互に差し替え、ブラインドテストも行いながらチェックしました。

今回レンタルしたRTP-6は電源BOXのみだったので、コンセントまでの電源ケーブルは通常のオーディオ機器についているような安価なものを使っています。

各機材から電源ボックスまでのケーブルも、市販の安いものを使っています。

実際に聴いてわかった!RTP-6 absoluteの音の特徴

さっそく、TRP-6の音の特徴を書き並べてみます。

1. ベースが締まって見やすくなる
2. スピーカーと耳の間にある膜が数枚はがれる
3. 音像がグッと前に出てくる
4. 1つ1つの音が立っていて見やすい
5. 音が締まってタイトになる

正直なところ、最初に聴いた時はあまり違いがわかりませんでした。(たぶん全部の電源ケーブルをアコリバにすればもっと変化がわかりやすかったと思います)

ところが何回か聴き比べるうちに音の特徴をつかんできたのか、RTP-6の音の特徴がわかるようになってきました。

自宅で聴いたときも友人宅で聴いたときも音質の向上具合は同じくらいで、音が劇的に良くなるという印象はなかったですが、解像度は間違いなく上がります。

「1つ1つの音の解像度が上がる」「より繊細なフィーリングが感じ取りやすくなる」といった印象ですね。

僕はなるべく解像度を上げて「楽器の細かい音」「空気感」「ボーカルの息づかい」などを少しでも多く感じたいので、欲しいか?と聴かれれば間違いなく欲しい製品です。

値段相応の価値はあるのか?

さて、RTP-6を導入することで音質が良くなるのは間違いないですが、問題は「値段相応なのか?」ということですよね。

僕は今までにいろんな電源BOXを試してきたわけではありませんが、少しでも「音の情報量を増やしたい」「解像度の高い音を聴きたい」という人にとっては、価値のある製品だと思います。

アコリバ製品に興味を持っている人は、お金をかけ、試行錯誤を重ねて自宅のオーディオ環境をかなり高いレベルにまで整えている人がほとんどでしょう。

スピーカー, オーディオインターフェース, ルームアコースティック, ケーブルなどにこだわり、「90%にまで高めた音を、少しでも100%に近づけるためにはどうすればいいんだ?」と感じている人にとってはかなり有益な製品になります。

 

ところが「オーディオは電源が命でしょ!」と言って、たいした設備も整っていないのに、いきなり数十万円の電源ボックスを購入するのは、めちゃくちゃコスパが悪いです。

オーディオインターフェースやスピーカーに同じ値段をかければ、信じられないくらい音質は良くなりますからね。

そういった意味で、RTP-6はオーディオの限界に挑む人にとっては値段相応の価値はあるが、ある程度リスニング環境が整っていなければほとんど価値のない製品と言えるでしょう。

Acoustic Reviveの電源ボックス「RTP-6 absolute」を試してみた | まとめ

電源ボックスは中途半端な値段のものを買ってしまうと、意外にも「安い製品のほうが音が良かった…」という結果になることもあるので、なかなか難しいですよね。

以前に150,000円ほどの、電圧を115Vまで上げてくれる電源ボックス(アップトランス)を使ったことがあるのですが、電圧を変えた方が音の変化がわかりやすかったように思います。

電圧を上げると、明らかに音がイキイキして1つ1つの音も立ってきます。

今回紹介したRTP-6は、音の躍動感を高めるというよりは、ノイズを削ぎ落としてその音が持つ本来の持ち味を引き出すような製品だと思うので、比べるものでもないのかもしれませんが・・・

もっとイキイキした音が欲しいという人は、RTP-6にするのではなく電圧を変えてみるという選択肢も考えてみると良いかもしれませんね。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました🙂

⬆目次に戻る

<ニュースレター>
週刊「スタジオ翁」ニュースレター
メールで毎週届く!音楽制作やAIに関する情報、世界の音楽ニュースなどをご紹介。

<著書>
AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?
作曲AIに関する書籍をAmazonで出版しました。
アイデアの出し方から作曲、アートワーク制作に至るまで、音楽制作からリリースまでの一連の流れにAIをフル活用する方法を解説しています。

この記事の著者

Isseyのアバター Issey 作曲家、音響エンジニア

23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?