アーティストのスタジオやライブ機材を紹介する「GEAR SUNDAY」の第2回目は、イタリア出身の女性アーティスト「Caterina barbieri」です。
モジュラーシンセサイザーを巧みに使いこなす彼女の機材については、ネットに転がっているインタビュー記事からうかがい知ることができます。
さっそくみていきましょう。
Caterina Barbieriのスタジオ機材
こちらは2018年に公開された「FACT Magazine」のインタビューです。
ちなみにFACT Magazineは、話題のアーティストを迎えて10分で1曲仕上げるというタイムトライアル「Against The Clock」シリーズが有名ですね。
10分という限られた時間の中で、各アーティストがどのようにクリエイティビティを発揮しながら制作を行うのか、どれもかなり参考になりますよ。
Caterina Barbieriが使用するメイン機材
Caterinaは「Buchla 200」というMoogと並ぶ名シンセに影響を受けモジュラーの世界に飛び込んだそう。
So in Patterns of Consciousness for example I only used the Indexed Quad Sequencer, a Harmonic Oscillator, an LFO and a mixer.
当時は機材も少なく「Patterns of Consciusness」では主にER-101 Indexed Quad SequencerとHarmonic Oscillator、LFOという3つの機材を使って制作を行なったようです。
ER-101 Indexed Quad Sequencer
ER-101: Indexed Quad Sequencer
まずこちらのシーケンサーは、現在でもメインで使用しているもののようですね。
最大100ものパターンを生成することができます。
Harmonic Oscillator – Verbos Electronics
Verbos Electronics Harmonic Oscillator
インタビューには「Harmonic Oscillator」と記載されているだけでしたが、写真を見る限りこちらのBerbos Electronicsのモジュールを使用していると思われます。
基音から8倍の周波数のサイン波までを個別にボリュームコントロールし、それらをミックスすることで複雑な波形(マスター波)を生み出せるようにしました。
Caterina Barbieriのスタジオ写真からわかる機材
その他、Caterina Barbieriのスタジオ画像からわかる機材を挙げてみましょう。
SH-101 – Roland
SH-101はRolandのビンテージシンセですね。
テクノやハウスのアーティストの間で多くの人に使用されている人気シンセサイザーです。
Make Noise各種エフェクト
I especially love the hybrid organic soundscapes produced by the Eco-phon and the Erbe-verb. Frap Tools is another manufacturer that I really love. I recently started exploring their Tamed Random Source, Sapèl, and it’s a super fun tool to create complex timing and sequencing.
こちらのインタビューの一部をみてみると、Make Noiseのリバーブとエコーエフェクトである「Erbe-verb」や「Ecophon」を使っていたり、「Frap Tools」と呼ばれるメーカーから発売される各モジュールで複雑なシーケンスを生成しているようです。
Analog Four – Elektron
インタビューでは特に触れていないようですが、Elektronのアナログシンセ「Analog Four」も机に置いてありますね。
Genelec 8040 Monitor Speaker
モニタースピーカーはおそらく「Genelecの8040」です。
クリアな出音とふくよかなローエンドをあわせ持つ、ダンスミュージックの製作者定番のモニタースピーカーですね。
まとめ
いかがでしたでしょう。
モジュラーの愛用者のスタジオといえば、山のようなモジュールが部屋の一角を占領しているようなイメージですが、Caterinaの機材は非常にシンプルです。
こちらのインタビューでミニマリズムについても触れているように、洗練された彼女の音楽にはミニマリズムの思想が影響を与えているのかもしれません。
Caterina Barbieri: ミニマリズム、モジュラー、そしてLive
モジュラーはひとつひとつのモジュールが高価でとっつきにくい機材であることは間違いないでしょう。
しかし彼女の音楽のようなモジュラーにしか生み出せないような独特の響きを聴いていると、自分がモジュラー沼にハマってしまうのも時間の問題な気がします…