【GEAR SUNDAY】Olafur Arnaldsのスタジオ機材

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

今回GEAR SUNDAYで取り上げるのは、アイスランドの作曲家「Olafur Arnalds」

日本語で「オーラヴル・アルナルズ」と読みます。

彼がつくる音楽は「ポスト・クラシック」と呼ばれており、ピアノやオーケストラだけでなく電子楽器を積極的にとりいれたスタイルで、クラシック音楽の新たな世界を作り上げています。

同時にダンスミュージックユニット「Kiasmos」からディープハウス系の音楽をリリースしたり、DJやライブアクトで世界を飛び回っているというちょっと変わった経歴の持ち主でもあるんです。

クラシックとダンスミュージックって、ちょっと不思議な組み合わせだと思いませんか?

一見まったく正反対の場所にいるようなジャンルですが、どちらのスタイルも「Olafurらしさ」があってとても素敵なんですよね。

その独自のスタイルで音楽の新たな価値観を産み出し続けているOlafur Arnaldsは、いったいどんなスタジオ機材を使って音楽制作をしているのでしょうか

それでは、早速みていきましょう。

Olafur Arnaldsとは何者なのか?

彼は、主に「Olafur Arnalds」と「Kiasmos」という二つのアーティストとしての顔を持っています。

まずはポスト・クラシカルと呼ばれる、クラシックの新しいカタチを探求する「Olafur Arnald」としての音楽を聴いてみてください。

以下は、アイスランドでのライブの様子をおさめた動画です。

Ólafur Arnalds – Full Performance (Live on KEXP)

アイスランドの広大な自然の情景が伝わってくるような、とても美しいライブですね。

次は、「Kiasmos」としてのライブの様子です。

Kiasmos – Full Performance (Live on KEXP) 

がっつりダンスミュージックですね。

ただ、激しさの中にある美しくメロディックな旋律は、彼の作るクラシカルな音楽とも精通する部分があるのがお分かりいただけるかと思います。

彼は幼少から坂本龍一のファンらしく、二人で一緒にツアーを回ったりもしていたようです。

坂本龍一といえば「戦場のメリークリスマス」などの名曲で有名ですが、世界に先駆けた最先端の電子音楽グループ「YMO」の一員として活躍していた歴史もあります。

クラシックと電子音楽の二つの顔を持つという点で、二人は共通する部分がありますね

このことは、WIRED日本版のインタビューにも書かれています。

オーラヴル・アーナルズ:「ポスト・クラシカル」の鬼才と21世紀のロマン主義

彼のスタジオギアは、調べてみるとたくさん出てきます。

マニアックすぎて全てを紹介することはできませんが、ここでは特に気になったものを取り上げていきたいと思います。

さらに興味を持った方は、ページの最後にまとめている「参考資料」をご覧になってみてください。

彼の普段使っている大量の機材が、インタビューなどと共に紹介されていますよ。

Olafur Arnaldsのスタジオ機材にせまる

PolySix – Korg

このシンセサイザーはKiasmosの曲によく使われているようですが、Olafur曰くPolySixでしか出せないある特定の音色のために購入したそうです。

彼の曲である、「For Now I Am Winter」でも使われいるとのこと。

Ólafur Arnalds – For Now I am Winter ft. Arnór Dan 

API 512 プリアンプ

お気に入りマイクプリアンプはたくさんあるようですが、彼はほとんどのアルバムに「API 512」プリアンプを使用していると公言しています。

“But most of the album was recorded through API 512 preamps, just because they’re more clean and easier to deal with sometimes.”

Ólafur Arnalds – SOUND ON SOUND

1ユニット10万円近くしますが、日本ではサウンドハウスからも購入することができます。

API 512C – サウンドハウス

Olafurがこれほど信頼を置くプリアンプなら、10万円でも購入する価値があるかもしれませんね。

Juno-6 – Roland

Rolandから販売されている、歴史のあるシンセサイザーです。

Junoシリーズは、彼のライブ映像でも頻繁に見ることができますね。

Ólafur Arnalds, Alice Sara Ott – Verses (Live at Yellow Lounge Berlin) 

彼の前には「Juno-6」が置いてありますが、実際この映像では「Bass Station II – NOVATION ( ノベーション )」を使ってベース音を出している様子が映っています。

「Juno-6」の他に、「Juno-106」「Juno-60」も持っているようで、特に「Juno-60」の音色がお気に入りとのこと。

EMT-240 リバーブ(実機)

こちらのスタジオインタビューでは、「EMT-240」というプレートリバーブを使っている様子がうかがえます。

Ólafur Arnalds Explains His Writing Process Behind ‘brot’ From The Album, ‘re:member’ 

30:00あたりで確認できますが、プレートリバーブは巨大な箱です。

これを一般の人が買うのは金銭的にも現実的ではないので、似たような雰囲気を出すには彼も愛用しているというUADの「EMT-250」というプラグインを使うのがよいでしょう。

Decapitator – Soundtoys

これはドラムバスに使用しているようですね。

「Decapitator」はSoundtoysの中でもかなり人気で、5つの超有名なアナログ機材のサチュレーション(歪み)を簡単に手に入れることができるプラグインです。

Soundtoys 「Decapitator」の特徴と使い方を解説!! 愛用している著名アーティストは? – スタジオ翁

自分の曲はどこかのっぺりしていてデジタルっぽすぎると感じている方、アナログの歪みや荒っぽさを加えるための本格派プラグインを探しているという方は、ぜひ使ってみてください。

僕も普段から使っていますが、かなりおすすめです。

RE-201 Space Echo – Roland

歴史的なエコーマシンです。

Olafurお気に入りのシンセサイザーである「Juno-60」は、常に2台の「RE-201」スペースエコーを通して使用されているようです。

RE-201はかなり有名なエコーマシンですが、実機は高価でなかなか扱いづらいこともありプラグインの使用するほうが現実的かもしれません。

UADから、RE-201をモデリングしたものが出ていますね。

Galaxy Tape Echo – UAD

OlafurはUADプラグインではなく実機を使用していますが、彼はUADの愛用者でもあることから信頼できるプラグインであることは間違いないでしょう。

Roland RE-201 Space Echo & Juno 60 Test / Demo 

Olafur Arnaldsが監修するサウンドツール「Olafur Arnalds Composer Toolkit」とは?

In Action: Ólafur Arnalds Chamber Evolutions

「Spitfire Audio」という数々のサンプリング音源をリリースしている著名メーカーが、Olafurと協力して3つのサンプルライブラリを制作しています。

ロンドンの「AIR STUDIO」で録られた、美しいオーケストラのサウンドが収録されています。

彼も実際にこのサンプリング音源を使用して制作を行っているようで、実用的なライブラリだということが分かりますね。

Spitfire Audioは、僕も大好きなメーカーの一つで「LABS」という無料のライブラリをリリースしているのですが、そのクオリティーの高さには衝撃を受けました。

「LABS」についてはこちらの記事で紹介していますので、気になる方はまずこの無料ライブラリを試してみてください。

【これなら使える】フリーなのに上質なVSTシンセサイザー5選

Olafur Arnaldsのスタジオ機材 | まとめ

いかがでしたでしょう。

ここで紹介した以外にもOlafurは多くの機材を使用していて、かなり音にこだわりを持っていることが分かりますね。

気になる方は、こちらのインタビューに関する資料も参考にしてみて下さい。

ニュースレターはじめました。

音楽制作の話、世界の音楽ニュース、DTMに役立つコンテンツなどを毎週金曜日にニュースレターで配信しています。

無料なので、気になった方はメールアドレス登録してもらえると嬉しいです。

https://studiookina.substack.com/