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Mix With The Mastersで学ぶ世界レベルのミキシング

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

今回は、ミキシングを学ぶための海外サイト「Mix With The Masters(MWTM)」について書いていきます。

以前「PureMix」という、同じくミキシングや音楽制作について学ぶためのプラットフォームに登録していましたが、この2つは僕の中でオンラインミキシングコースの二大巨頭です。

参考: PureMixで世界レベルのミキシングを学ぼう – スタジオ翁

PureMixと同様、MWTMには世界のトップエンジニアやトップアーティストが名を連ねていて、ミキシングを生業としている人にとっても有益な情報が盛り沢山なのですが、月間サブスクリプションやトライアル期間が存在しないので、少々敷居が高いオンラインコースでもあるんですよね・・・

現在、MWTMに登録して半年ほど経過し、いくつかのコースも受けていろいろと学んだので、MWTMで学ぶメリットや実際に使ってみての感想などをお伝えしていきたいと思います。

今回、Mix With The Masters様のご協力のもと、当サイト限定で「20%OFFクーポン」を配布することになりました。

チェックアウト時に、こちらのキャンペーンコードをご入力ください。

クーポンコード: MWTMJAPAN

MWTMで学べること

まずは、MWTMについて少しだけ紹介していきます。

MWTMで学べるのは、

  • ミキシング
  • マスタリング
  • サラウンドミキシング
  • 音楽制作

といった音楽制作全般に関わることです。

Mix With The Mastersという名前から、ミキシングやマスタリングエンジニアのためのコースなのかな?と想像してしまいますが、Timberland、Hans Zimmer、Finneas(ビリーアイリッシュの兄・プロデューサー)、Justiceといったアーティストのコースもあり、アーティスト目線の動画も用意されています。

動画の内容として、エンジニアが実際に手を動かしてミキシングを進めていくというよりは、自分が手がけた作品で「どのような機材やプラグインを使ったか?」「どういう考えでミキシングを行ったか?」という解説系が多いですね。

なので、「どういうプロセスでその処理にたどり着いたのか」という過程の部分をリアルタイムで追っていくことはできませんが、トップエンジニアの解説だけでも相当参考になることがあるかと思います。

例えば、僕がとても印象に残っているのは、グラミーエンジニアであるJaycen Joshuaが「Malamente」という曲で使ったITBミキシングのテクニック。

Waveの「NLS」コンソールエミュレーションプラグインを1つのチャンネルに8個使うというもので、自分のたどり着きたい音を追求していった結果、このようなクレイジーなプラグインチェーンになったと言います。

https://mixwiththemasters.com/videos/inside-the-track-34-rosalia-malamente/part/3

普通の人なら、こんなテクニックをなかなか使わないでしょうが、「こういうミキシングもアリなんだ!」「こういう風に考えてミキシングを進めれば良いのか!」といった、自分ひとりでは決して辿り着けないような新しい「視点」が得られるという部分に、Mix With The Mastersの価値があるように思います。

どんな人が登録すべきか?

MWTMには、YouTubeなどの無料教材では学べないテクニックが山ほど転がっているので、「独学でミキシングやマスタリングを学んでいるけど、さらにテクニックを磨きたい」という人におすすめ。

他にもいくつかミキシングなどが学べるサイトはありますが、ここは自分の好きなエンジニアやアーティストがそのサイトで観られるか?という部分を考慮して決めるのが一番かと思います。

例えばMWTMでは、エンジニアやアーティストの一覧が見れるようになっています。

Masters – Mix With The Masters

ここで、好みのエンジニアがいればもちろん登録すべし!

「そもそもエンジニアなんて全然知らない」という人は、自分がどのくらいのレベルを目指すのかでコースを受講するか決めると良いかもしれません。

僕の個人的な感想ですが、最初に紹介したPureMixは、Daft PunkやMajor Lazorを手掛けるエンジニアがいたりと上級者向けのコンテンツも多くありますが、「EQの使い方」「Pro Toolsの使い方」といった初心者向けのコンテンツもかなり充実しています。

一方、MWTMはそういった初心者向けのコンテンツはほとんど無く、上級者向けのコンテンツが多いと感じます。

なので、「いろんなオンラインコンテンツを観てきたけど、世界のトップエンジニアやアーティストが具体的にどのような考えやテクニックで仕事をしているのかを知りたい」という人はMWTMに登録すると良いでしょう。

MWTMのメリット

MWTMは他のオンラインコンテンツにはない、いくつかのメリットがあります。

  1. 無料プラグインにアクセスできる
  2. タブレットやスマホでダウンロード視聴できる
  3. オフラインセミナーに参加できる

まずMWTMの会員になると、合計1500ドル以上のプラグインを無料でダウンロードできるようになります。

Plugins – Mix With The Masters

中には「死ぬほど重くて高品質」で有名なAcustica Audioのプラグインもあり、これはかなりお得だと感じましたね。とりあえず気になったものは全部ダウンロードしておくだけで、ある程度、年会費の元は取れるんじゃないかと思います。

あと、タブレットで外出先でも観られるというのは魅力的ですね。電波の弱い場所だとYouTubeほどサクサク快適に視聴できないので、気になるコースはダウンロードしてどこでも観れるようにしておくと便利です。

3のオフラインセミナーは日本でやってないのでほとんどの人には関係ないのですが、海外在住の人は、近所でやってるなら参加してみるのもアリですね。

MWTMのデメリット

実は、MWTMにはデメリットもいくつかあるので、登録する前に確認しておきましょう。

致命的な欠点ではないのですが、実際に使ってみて不便だと感じたのは次の2点です。

  1. 年間サブスクリプションしかない
  2. サイトや専用アプリが少々使いにくい

まず、MWTMの登録には年間$319の費用がかかり、月契約には対応していません。(月払いは可能だが、年間契約が必要)

トライアル期間もないので、契約にはかなり勇気がいるかと思います。

本気でミキシングを学びたい人にとっては大した金額じゃないと思いますが、まだYouTubeやブログなどで学べる余地がたくさんある人には正直あまりおすすめできませんね。

あと、サイトやアプリが若干使いにくいように感じました。

これは例えば、「後でみるボタンがないので、気になったコンテンツを保存しておけない」「どれが観終わったコンテンツかわからない」「途中まで観たコンテンツを続きから再生できない」といった部分に改善の余地があります。

YouTubeだと途中まで観たコンテンツは途中から再生されますし、最近はTVerでも途中まで観たコンテンツは、「続きから再生する」というボタンが表示されるので、これくらいの便利さがあると最高なんですがね・・・

YouTubeを使い慣れてるとちょっと不便に感じるかもしれませんが、めちゃくちゃ使いにくいというわけでもないので、ここは妥協できるところでもあります。

まとめ

いろんなコンテンツが無料で観れる時代でも、やはり有料コンテンツは質が良いので、ある程度の技術を学んでステップアップしていくとこういった有料サイトにたどり着くことになるでしょう。

先ほどもお伝えした通り、音楽制作を始めたばかりの人には決しておすすめできるサイトではありませんが、独学で学んできたけど行き詰まっている人や、もっと高速で成長していきたい人にとっては有益なサイトであることは間違いありません。

もちろん受講は英語になりますが、日本にはこういった上級者向けコンテンツがほとんどないので、頑張って字幕を読んでついていくことになります。ただ、音楽の話しかしないので、ミキシングの心構えなどの精神論的な話以外は、なんとなく観ていると理解できるかと思います。

最近は、サンレコなどを読んでいてもMix With The Mastersで学んでいるというエンジニアの方も見かけますね。

今回は、Mixi With The Masters様のご協力のもと、スタジオ翁限定クーポンも配布していただいたので、気になった人は、せっかくのこの機会にぜひ登録してみて下さい。

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

Mix With The Masters

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この記事の著者

Isseyのアバター Issey 作曲家、音響エンジニア

23歳で音楽制作を始め、「Ohme」「Issey Kakuuchi」名義で国内外のレーベルからリリースを行なっている。 クラブやライブイベントの音響エンジニアとしてキャリアをスタートさせ、現在は映画の作曲、MA、アーティスト活動に加えて、音楽アプリ、オウンドメディア、医療クリニックへの楽曲提供など、様々な分野で活動している。

著書: AI時代の作曲術 - AIは音楽制作の現場をどう変えるか?